最終投資分析レポート 2026.06.02 — 診療報酬改定ショック後・3年保有シナリオ分析

日本ホスピスホールディングス (7061) — 高値▲70%の逆張り好機か、構造変化の被害者か

株価596円(2026/6/2時点) / 2025年12月期 売上141.7億(+17%)・純利2.8億(▲56.5%)で利益急減 / 全59施設2,024室・3年で4倍規模に拡大 / 2026年6月から診療報酬包括払い導入→訪問看護報酬が実質約半減 / 2026年12月期 大幅増益予想(経常利益+81.6%)は達成されるか / 在宅ホスピス専業上場企業・国内唯一 / スギHD資本業務提携・業界団体設立で業界標準化を主導

株価(6/2)
596円
高値2,100円超から▲72%
時価総額≈50億円
PER(来期予想)
8.4倍
EPS予想71.2円(2026年12月期)
実績PER 18倍
PBR(実績)
1.37倍
純資産436円/株
自己資本比率19.4%
配当利回り(予想)
4.19%
25円(2025年12月期確定)
2026年12月期も25円予想
施設数・居室数
59施設
2,024室(2025年12月期末)
前期比+25.8%拡大
2026年12月期予想
要確認
売上165億・経常10億・EPS71.2円
診療報酬改定の影響織込み済み?
B+
「3年先を買うか、足元のリスクで沈むか」—— 在宅ホスピス市場は構造的成長産業、だが直近は逆風最大局面。
2026年6月から診療報酬包括払い導入で訪問看護報酬が約半減という最大リスクが顕在化。 一方で株価596円は来期PER8.4倍・配当利回り4.2%・PBR1.4倍と過去最安圏。 稼働回復軌道確認済み・スギHD提携・業界標準化主導・2040年需要爆発というカタリストが同時存在。中長期(3年)に許容リスクを取れる投資家に絞った吟味が必要。

日本ホスピス(7061)— なぜ今、この株なのか

投資魅力の全体像 2026.06.02
B+
「2040年に死者170万人・病院→在宅シフトが国策——在宅ホスピス専業・国内唯一の上場企業が株価▲72%の底値圏にいる」
来期PER8.4倍・配当利回り4.2%・ストックビジネス・アセットライト・スギHD提携——最大リスク「診療報酬包括払い(2026年6月〜)」の影響を消化できれば、3年後に複数倍のシナリオがある。
多死社会・需要爆発
STRUCTURAL DEMAND 2040
170万人/年
2040年死者数
170万人
在宅希望率
約60%
末期がん・難病患者は毎年増加。国策として「病院依存→在宅シフト」が推進され、在宅ホスピス施設は社会インフラとして不可欠な存在に。現状の施設数は需要の数%を満たすにすぎず、市場は10〜20年単位で急拡大確実。
国の社会保障政策と事業成長方向が完全一致する稀有な事業
専業・国内唯一の上場企業
MONOPOLY ON LISTED HOSPICE
唯一無二
「末期がん・難病患者専用ホスピス住宅」に特化した上場企業は日本国内で同社のみ。老人ホーム・介護系大手とはターゲット・単価・看護師密度・収益構造がすべて異なる。 入居者1人あたり売上単価は一般老人ホームの2〜3倍。看護師24時間対応が競合参入を困難にしている。
競合に同業上場企業が存在しない → 市場急拡大時の最大受益者
ストック型×アセットライト
RECURRING + ASSET LIGHT MODEL
85%→黒字化
施設は賃貸主体のためキャッシュ設備投資が最小。入居者からの月次収入(ストック)が基盤。 稼働率85%達成後(30室→約1年、40室→約1.5年)は高い営業レバレッジで利益が加速。 安定稼働施設群がキャッシュカウとして新設施設の先行投資を支える構造。
稼働85%達成後の施設高利益率で安定収益
立ち上げ中施設先行コストが重荷(一時的)
高値▲72%の超割安圏
EXTREME PRICE DISLOCATION
PER8.4倍
来期PER
8.4×
配当利回
4.2%
PBR
1.37×
2026年12月期に会社予想(EPS71.2円)を達成すれば、来期PERは8.4倍というグロース株としては異例の低水準。 配当利回り4.2%はグロース市場平均(1%前後)の4倍超。「診療報酬ショック織り込み済み」なら底値圏。
スギHD提携・業界標準化主導
ALLIANCE + INDUSTRY LEADERSHIP
差別化
スギホールディングスとの資本業務提携でドラッグストア顧客基盤・物流・施設開発シナジー。 加えて2025年4月に「日本ホスピス住宅推進協会」を設立(代表:高橋社長)、業界標準化・制度設計への提言で行政との関係を強化。診療報酬改定での過剰請求業者の淘汰→業界の信頼回復で日本ホスピスの相対的優位が高まる
業界乱立・玉石混淆→淘汰後の生き残りポジションに既に立っている
稼働回復確認済み・利益の「発射台」
OCCUPANCY RECOVERY + PROFIT INFLECTION
+145名/Q
2025年1Q(稼働率63.3%)で大きく落ち込んだ入居者数は、4月以降の新体制・営業組織強化で1Q末1,090名→2Q末1,235名(+145名)と急回復。2025年6月の経常利益率は7.9%まで戻り、下期(7〜12月)は10.1%の経常利益率を見込む。これが2026年への「発射台」となる。
2025年12月末の入居者数が2026年以降の業績を規定——想定通りに進行中
⚠ 最大リスク:2026年6月から診療報酬「包括払い」導入
厚労省は2026年6月から、ホスピス型住宅での訪問看護報酬を大幅引き下げ(月最大80〜90万円→45万円程度に実質半減)。 過剰請求業者への対応が主目的だが、日本ホスピスへの影響が未定。2026年12月期の会社予想(売上165億・経常利益10億)にこの影響が十分織り込まれているかがカギ。 ただし日本ホスピスは過剰請求業者ではなく「質の高い看護」を標榜しており、清廉な事業者への影響は軽微との見方もある。 また業界団体での行政提言を通じ、優良事業者が評価される仕組みへの制度設計にも関与している。
カタリスト・タイムライン(2026〜2028)
2026年6月
診療報酬
包括払い開始
最大リスク発現
2026年Q3〜
安定稼働施設の
利益貢献増大
(2024年4Q〜開設分)
2026年12月期
会社予想
経常利益10億(+82%)
EPS71.2円
2027年〜
過剰業者淘汰完了
優良業者への
需要集中期待
2028年以降
施設70〜80棟超
2,500〜3,000室体制
スギ連携加速
01

事業構造・ビジネスモデル

在宅ホスピス専業の稀有な構造
3本柱の相互補完:ホスピス住宅事業(主軸・高単価)+訪問看護事業(診療報酬)+在宅介護事業(介護保険)。3事業が1施設内で完結し、1入居者あたり月売上が老人ホームの2〜3倍に達する。
ホスピス住宅事業(主軸)
  • → 末期がん・難病患者専用の賃貸住宅(サ高住・有老ホーム)
  • → 入居者から家賃+サービス費(月20〜40万円規模)
  • → 訪問看護ステーション・訪問介護事務所を併設
  • → 1室あたり売上:老人ホームの2〜3倍
  • → 施設規模:30〜44室(1棟あたり)
訪問看護・在宅介護事業
  • → 訪問看護:医療保険(診療報酬)が収入源
  • → 在宅介護:介護保険が収入源
  • → 両事業が住宅事業と一体化し高稼働率を支援
  • → ★診療報酬改定リスクが集中する部分
  • → 改定後も介護保険部分は影響なし
施設損益モデル(稼働率別)
開設〜8ヶ月(立上げ期)
稼働率〜50%
収益性赤字
採用・運営コスト先行。
全社利益を圧迫する時期。
8ヶ月〜1.5年(成長期)
稼働率50〜85%
収益性月次黒字化
累積損失を解消中。
単月黒字化の発射台。
1.5年以降(安定稼働)
稼働率85%超
収益性高利益率
キャッシュカウ化。
次の施設の先行投資を支援。
利益の不安定さの本質:新規施設を年10棟以上開設すると、常に「立上げ期施設」のコスト負担が全社利益を圧迫する。開設ペースを落とせば利益急拡大・高めれば利益圧迫——これは意図的な先行投資であり、将来の収益基盤を積み上げる行為。「利益が減っている = 成長投資をしている」という構造を正確に理解する必要がある。
02

業績・財務の深掘り分析

増収・急減益の構造を読む
売上高(2025年12月期)
141.7億
+17.0%(5期連続増収)
純利益
2.8億
▲56.5%(EPS 33.1円)
営業利益率
6.0%
前期10.6%から急低下
自己資本比率
19.4%
前期18.8%からわずかに改善
売上高営業利益経常利益純利益EPS(円)営業利益率
2021年12月期25.7億1.7億1.9億1.1億6.5%
2022年12月期58.8億6.6億6.9億3.6億11.3%
2023年12月期98.7億9.7億10.3億6.4億9.8%
2024年12月期121.2億12.9億10.1億6.4億77.95円10.6%
2025年12月期(実績)141.7億8.5億5.5億2.8億33.1円6.0%
2026年12月期(会社予想)165億15億10億6億71.2円9.1%
2025年12月期減益の主因:①11施設415室の新規開設コスト先行、②本部・ユニット制組織強化に伴う人件費増(前期比+数億円規模)、③医療スタッフへの臨時特別賞与支給。いずれも一時的・意図的な先行投資であり構造的悪化ではない。
資産(総資産189億円)
項目金額比率
現金・預金20.1億10.6%
売上債権等(流動)10億規模〜5%
有形固定資産(リース資産含む)100〜110億〜58%
その他(敷金・投資等)50〜60億〜26%
総資産189億100%
施設は賃貸主体のため、有形固定資産の大半はリース資産(使用権資産)。自社保有資産は少なく、アセットライトを体現している。
負債・純資産(総資産189億円)
項目金額比率
有利子負債(借入金)約32億〜17%
リース債務約80億〜42%
その他負債約40億〜21%
純資産36.8億19.4%
総資産189億100%
リース債務80億が実態。ただし賃貸契約解約で縮小可能な「やわらかい負債」。通常の借入金(約32億)は総資産比17%と管理可能水準。自己資本比率19.4%は低いが、リース主体のビジネスモデルとして解釈が必要。
営業CF(2025年12月期)
+10.5億
前期8.4億から改善。キャッシュ生成力は堅調。
投資CF
▲5.1億
前期の▲27.9億から大幅縮小。新設ペース調整で投資抑制。
フリーCF
+5.4億
2年ぶりのプラスフリーCF。財務柔軟性が向上。
財務安全性指標数値評価コメント
自己資本比率19.4%注意低い水準だがリース主体ビジネス特性を考慮。前期18.8%から改善中。
有利子負債比率(借入金/総資産)〜17%許容リース除く純粋な借入金は管理可能な水準。
現金残高20.1億良好前期15.3億から4.9億増加。流動性に問題なし。
ROE7.8%低下前期20.9%から急低下。2026年回復時はROE改善が株価再評価につながる。
インタレストカバレッジ約1.5〜2倍要注視利払い能力は確保しているが余裕は少ない。金利上昇リスクあり。
施設数(2025年12月末)
59棟
前期48棟から+11棟
居室数
2,024室
前期1,609室から+25.8%
稼働率(2025年12月末)
〜68%
1Qの63.3%から回復中
目標稼働率
85%
2024年12月末67.5%から継続改善
時点施設数居室数入居者数稼働率コメント
2021年12月末16棟480室成長初期段階
2022年12月末28棟882室急拡大フェーズ開始
2023年12月末43棟1,415室全国展開加速
2024年12月末48棟1,609室1,087名67.5%年間8施設開設、後半ラッシュで稼働低下
2025年3月末51棟1,720室1,090名63.3%新体制移行で稼働一時低下
2025年6月末53棟1,799室1,235名68.6%4月以降の施策奏功、+145名回復
2025年12月末59棟2,024室推計1,380〜1,400名〜69%11施設追加。稼働回復軌道維持
03

診療報酬改定リスク — 最大のリスクを定量化する

2026年6月〜 包括払い導入
改定の骨子(2026年6月施行):ホスピス型住宅での同一建物訪問看護を対象に、出来高払いから「包括払い」を導入。現行の月最大80〜90万円/人が最大45万円程度に実質半減。一部事業者の過剰・短時間訪問(数十秒)による不正請求対応。20分未満の訪問は出来高でも算定不可に。
日本ホスピスへの影響が軽微な理由
  • 創業理念が「看護の質」:過剰請求・短時間訪問と無縁。看護師24時間対応が差別化軸
  • 業界団体を主導:厚労省との意見交換・制度設計に関与。優良事業者評価の仕組み構築に注力
  • 介護保険収入は影響外:訪問介護(介護保険)の報酬は今回の改定対象外
  • 2026年12月期予想に織り込み:会社はこの改定を認識した上で増益予想を公表
影響が出るリスクシナリオ
  • 包括払いで全施設に一律影響:質の高い訪問でも包括払い上限に収まる場合は減収
  • 1人あたり単価下落:2025年12月期にすでに「利用者1人あたり売上単価が下落」と開示
  • 競合他社の廃業・撤退:短期的な施設空室増で一時的需要取り込みにも時間がかかる可能性
  • 会社予想未達リスク:改定の実際の影響が予想より大きければ下方修正の可能性
診療報酬改定の業績影響シナリオ推計(2026年12月期)
シナリオ訪問看護売上減少経常利益EPS説明
楽観(影響軽微)▲1〜2億8〜10億60〜71円質の高い訪問のため包括払いでも大きく変わらず。会社予想ほぼ達成
中立(一定影響)▲3〜5億5〜7億38〜53円一部施設で単価下落。増益だが予想未達。稼働回復でカバーしつつある
悲観(影響大)▲6億以上2〜4億15〜30円訪問看護収入が構造的に縮小。2025年12月期水準からほぼ改善なし
※推計は公開情報をもとにした試算です。正式な業績予想は会社開示情報をご確認ください。2026年12月期第2四半期(2026年8月発表予定)で改定影響の実態が初めて確認できます。
04

市場・競合分析

需要構造と競争優位
市場規模・成長性
日本の年間死者数(2025年)約157万人
日本の年間死者数(2040年予測)約170万人
在宅・施設看取り希望率(内閣府)約60%超
現在の在宅ホスピス実現率(推計)〜5%以下
需要と供給の乖離が極めて大きく、10〜20年単位の成長余地が存在
グローバルセクター成長
アジア太平洋在宅ホスピス市場CAGR10.9%
グローバル緩和ケア市場CAGR(〜2031)8.1%
日本はアジア太平洋の中でも政府主導の在宅ケアプログラムが最も充実している国の一つ。高齢化最先進国として在宅ホスピス市場の成長は構造的かつ不可逆。
比較項目日本ホスピスHD(7061)一般老人ホーム系(チャームケア等)訪問看護専門(未上場多数)
入居者ターゲット末期がん・難病患者(専業)一般高齢者在宅療養全般
1入居者あたり月売上老人ホームの2〜3倍標準訪問件数依存
看護師密度24時間365日常駐低い(要確認)中(ステーション型)
上場ステータス東証グロース(唯一)東証プライム・スタンダードほぼ未上場
診療報酬改定影響直接影響(訪問看護部分)間接(低い)大きい(主収入が訪問看護)
競争優位の源泉特化・質・ブランド規模・施設数地域密着・医師連携
競合参入障壁:看護師確保(特に緩和ケア専門)が最大の参入障壁。日本ホスピスは「看護師が働きたい職場・看護の理想を実現できる場」として採用競争力を持つ。一般介護事業者がホスピス住宅に参入しても、看護師チームの質・文化を再現するには数年を要する。
05

中計・適時開示チェック — 前回分析との差異検証

IR資料・開示情報の精査
主要確認事項:2025年8月13日発表の2Q決算説明資料・2025年11月14日の3Q短信・2026年2月13日の通期決算短信を参照。中期経営計画は公式資料での明示がないが、IR資料内の将来見通しから把握した。
確認項目前回分析の認識最新IR・開示での確認結果差異
2025年12月期通期業績 売上高160億予想(2025年5月時点) 実績:売上141.7億・経常利益5.5億(下方修正後) 下振れ
2026年12月期予想 売上160億・経常17.5億(修正前) 最新:売上165億・経常10億・EPS71.2円(2026/2/13発表) 利益目標を引き下げ
中期経営計画の修正要否 修正なし(2025年2Q時点) 「2026年以降の中期経営計画について修正の必要はないと判断」(2025年2Q IR) 変更なし
施設稼働率 1Q末63.3%(最低水準) 2Q末68.6%に回復(+5.3pt)、下期10.1%経常利益率見込み 回復確認
業界団体設立 未確認 2025年4月「日本ホスピス住宅推進協会」設立、代表:高橋社長、6社参加 新規ポジティブ
診療報酬改定 包括払い導入リスクとして記載 2026年6月から正式決定。月最大80〜90万→45万円に実質半減 リスク具体化
スギHD連携 資本業務提携として確認 継続・施設共同開発ニュースリリースも継続開示 変更なし
配当 25円(2025年12月期予想) 2025年12月期実績25円確定。2026年12月期も25円予想維持 変更なし
前回分析から変わらないポジティブ点
  • → 施設拡大ペース(2025年末59施設2,024室)は継続
  • → 中期成長シナリオ自体は変更なし(会社宣言)
  • → 配当25円維持(利回り4.2%継続)
  • → 稼働率回復軌道確認(2025年2Q末68.6%)
前回分析から加わった新リスク・修正点
  • → 診療報酬包括払いが正式決定(2026年6月)
  • → 2026年12月期の経常利益予想を17.5億→10億に引き下げ
  • → 1人あたり売上単価下落がすでに2025年に発生
  • → 3Q累計経常利益は5.1億(前年7.1億比▲28%)と依然厳しい
06

バリュエーション分析

596円の本質価値
実績PER(2025年12月期)
18.0倍
EPS 33.1円
来期PER(会社予想)
8.4倍
EPS予想71.2円(2026年)
PBR(実績)
1.37倍
BPS 436円(2025年末)
EV/EBITDA(推計)
約8〜10倍
EBITDA≈18.2億(2025年)
バリュエーション手法試算株価前提・説明
PERバリュエーション(来期EPS×15倍) 1,068円 2026年12月期EPS71.2円が達成される場合。成長グロース株の適正PER15倍を適用
PERバリュエーション(来期EPS×10倍) 712円 診療報酬改定リスクを保守的に見て低PERを適用した場合の最低ライン
DCF(保守的・割引率10%・3年成長10%) 700〜900円 将来CFを割り引いた内在価値。成長が続く前提で現株価596円は下値圏
PBRバリュエーション(BPS×2倍) 872円 ROE改善時の目標PBR2倍。BPS436円×2倍。ROE10%以上回復が前提
類似業種EV/EBITDA(12倍) 約1,000〜1,200円 介護・医療サービス業の比較倍率。EBITDA成長が続く場合
ベア・ケース(EPS30円×8倍) 240円 診療報酬改定で大きく影響し、2026年も2025年並みの低水準が続く場合
株価水準の位置づけ
596円
900円
1,200円
下値リスク(240円) 現在株価(596円) 中立適正(900円) ブル目標(1,500円)
複数の評価軸で「596円は割安圏」という結論は共通。ただし診療報酬改定の影響次第では会社予想EPS71.2円が達成されない可能性があり、不確実性が大きい段階。
07

3年保有シナリオ分析 — ベア/ベース/ブル

加重平均期待価格の算出
分析前提:2026年6月2日株価596円を起点に、2028年12月末(約3年後)の株価水準を各シナリオで試算。保有期間中の配当(25円×3年=75円)を含む総リターンで評価。
Bear シナリオ(確率25%)
500円
3年後株価目標(現在比▲16%)
診療報酬改定の影響が予想より大きく構造的に減収
2026年12月期業績が下方修正(EPS30〜40円)
稼働率が改善せず開設ペースを大幅縮小
看護師確保困難・人件費高止まり
市場がグロース株を敬遠、PER8〜10倍圧縮
EPS40円×10倍=400円〜500円水準
3年総リターン(配当込み)
▲1〜0%
株価▲16%+配当+75円
元本割れリスクあり
Base シナリオ(確率50%)
1,100円
3年後株価目標(現在比+85%)
2026年12月期業績がほぼ達成(EPS60〜71円)
診療報酬改定の影響を1〜2億減収でカバー
2027年以降は施設50〜65施設から安定稼働期拡大
稼働率が75〜80%まで改善
過剰業者淘汰後の需要集中で2027年増益加速
EPS80〜100円×12〜15倍=960〜1,500円
3年総リターン(配当込み)
+97%
株価+85%+配当75円
年率換算:約25%
Bull シナリオ(確率25%)
2,200円
3年後株価目標(現在比+269%)
2026年12月期業績大幅達成+上方修正
診療報酬改定で競合淘汰→需要独占が加速
スギHD連携で施設開発・顧客紹介が急加速
東証プライム市場への昇格・機関投資家参入
施設80棟超・稼働率85%超・EPS200〜250円圏
EPS200円×12倍=2,400円水準
3年総リターン(配当込み)
+281%
株価+269%+配当75円
年率換算:約60%
加重平均期待価格(3年後)
BEAR(25%)
500円×25%
= 125円
BASE(50%)
1,100円×50%
= 550円
BULL(25%)
2,200円×25%
= 550円
加重平均期待株価(3年後)
1,225円
(125+550+550円)
配当込み期待リターン
+118%
3年累計(年率換算約30%)
596円に対する期待倍率
2.1倍
(配当除く株価ベース)
期待価値の結論:加重平均ベースで3年後の期待株価は1,225円(現在比+106%)。配当込みで+118%(年率換算約30%)のリターンが期待できる計算。ただしベアシナリオ25%の確率で元本割れとなる点に注意。確率加重後の期待値はポジティブだが、リスク許容度の低い投資家には不向き。
08

最終投資判断

3年保有・中長期投資向け
期待株価(3年後)
1,225円
加重平均・配当除く
来期PER(会社予想)
8.4倍
EPS71.2円(2026年12月期)
配当利回り(予想)
4.2%
25円(2026年12月期も継続)
元本割れ確率
〜25%
ベアシナリオ(診療報酬ショック)
評価軸スコアコメント
市場成長性・セクター追い風95点多死社会・在宅シフト・2040年需要は構造不変。政府政策と完全一致
事業独自性・参入障壁88点国内唯一の専業上場・看護師24時間・質特化。競合再現困難
ビジネスモデルの優位性82点ストック収益+アセットライト。稼働85%以降の利益構造は優秀
バリュエーション80点来期PER8.4倍・配当4.2%はグロース株として異例の低水準。割安圏
財務健全性52点自己資本比率19.4%・高レバレッジは継続課題。金利上昇リスクあり
短期業績安定性30点利益3期連続悪化。2026年の改定影響が完全に読めない段階
規制リスク35点診療報酬改定(2026年6月)が最大リスク。影響額が未確定
経営・ガバナンス65点創業者系経営で方向性明確。ただし東証グロースで機関投資家の参入限定的
最終投資判断 — 2026.06.02 中計・適時開示精査版
株価596円の本質
2021年〜2024年の高成長期に株価2,100円超をつけた同社は、診療報酬包括払い決定(2026年6月)という最大の悪材料を織り込んで▲72%下落。EPS33円に対してPER18倍は割高だが、来期EPS71.2円(会社予想)が達成されればPER8.4倍という超割安状態。問題は「この予想が信頼できるか」という一点に集約される。
3年保有での投資仮説
投資仮説の核心:「診療報酬改定は過剰請求業者への打撃であり、質の高い日本ホスピスへの影響は相対的に小さい。2026年下期から安定稼働施設が増え、2027年には業績が正常化し株価が800〜1,200円に収束する」。加重平均期待価格1,225円は現在比+106%。配当込みリターン+118%(年率30%)は中長期投資として魅力的な水準。
投資前に確認すべき最重要項目
2026年8月の第2四半期決算が最初の重要確認ポイント。6月から診療報酬改定が適用されるため、7〜9月の損益で実際の影響が初めて数値化される。ここで影響軽微が確認できれば株価が大きく回復し、逆に悪化が確認されれば追加下落リスクがある。現時点では「最悪シナリオのリスクを取る覚悟」が購入の条件
誰に向いた投資か
◎ 適する投資家:3年以上の保有が可能・在宅ホスピスの社会的意義を確信・リスク許容度が高い・分散ポートフォリオの一部として組み入れる場合。
× 向かない投資家:短期(1年未満)保有・元本割れ許容ゼロ・業績安定重視・財務健全性を重視(自己資本比率20%以下が許容できない)。
加重平均期待株価
1,225円
3年後・配当除く
来期PER(会社予想)
8.4倍
EPS71.2円達成前提
元本割れシナリオ確率
25%
診療報酬改定の影響大
配当込み期待リターン
+118%
3年累計・年率約30%