Investment Research · 9402 名証プレミア · 2026.10.05 · 株価 1,264円(10/5終値)

中部日本放送 (9402)
統合投資分析レポート

金融資産548億円・賃貸不動産の鑑定時価263億円に対し、時価総額334億円。修正PBR0.36倍
有価証券報告書13期分で土地と株の取得時期を追い、公示価格で含み益を数えた。2026年5月の自社株買い50万株まで反映

B++当商会の採点
当商会の検証済み上値基準 1,492円 / 下値基準 774円
非対称比0.46(幅・小)×確度10点(中)=B++。
3年後:ベア728円/ベース1,298円/ブル1,767円。
1銘柄の上限は2.5%(約800株)。
株価(10/5終値)
1,264円
時価総額 334億円・名証プレミア
1株あたり純資産 3,103円
PBR 0.41倍
自社レンジ0.19〜0.51倍
修正後の1株純資産
3,552円
修正PBR 0.36倍(保守でも0.37倍)
上場株の含み益
247億円
取得原価62億円→309億円(3月末)
賃貸不動産の含み益
124.7億円
簿価138億円→鑑定時価263億円
3年後(確率で均した値)
1,221円
配当込み+2%。ベア▲42%/ブル+40%
01

結論 ── 資産は一級。値段は中途半端、出口は会社しだい

B++
結論 01 · 資産
🏦
資産は本物。金融資産548億円に対し時価総額334億円
6月末の現預金115億円、投資有価証券413億円。上場株は取得原価62億円のものが3月末で309億円になっていた。借入金はゼロ。金融資産を全部引いた企業価値はマイナス222億円。賃貸不動産は簿価138億円に対し鑑定時価263億円。修正PBRは0.36倍。
結論 02 · 稼ぎ
🏢
稼ぎの芯は不動産。9期続けて営業利益9〜11億円
不動産セグメントの営業利益は2018年3月期から8.7億〜11.5億円の幅でほぼ動かない。放送は同じ期間に16.4億円から▲5.4億円まで振れた。ストック収益は年11億円、放送はその上に乗る変動分という構造。ROEは2%台で、資産に利益が追いついていない。
結論 03 · 出口
🚪
買収は制度上ほぼ起きない。会社は動き始めたが、まだ小さい
放送法で1人の株主が持てる議決権は原則3分の1まで。完全買収が成り立たない。一方で会社は2025年5月に配当性向の目安を30%→40%へ上げ、2026年5月には資本効率の改善を理由に自社株50万株(5.84億円)を買った。ただし金融資産548億円に対しては1%の規模で、TBS株は買い増している。
📌 株価1,264円(2026年10月5日終値)での当商会の採点はB++。上値1,492円(+18%)・下値774円(▲39%)・非対称比0.46(幅・小)・確度10点(中)。3年後の3ケースはベア728円/ベース1,298円/ブル1,767円で、当商会の置いた確率で均すと1,221円(配当込み+2%)。中身は一級だが、この値段では上と下が釣り合わない。採点表のうえでは953円以下でA−、917円以下でAに切り替わる。
株価は2026年10月5日の終値(株探の確定値)、貸借対照表は2026年6月末(第1四半期決算短信)。賃貸不動産の時価や保有株の明細など年1回しか開示されないものは2026年3月末(有価証券報告書)。本資料は特定の売買を勧めるものではなく、投資判断は読む人自身のもの。
02

値札と貸借対照表 ── 時価総額334億円の中身

清原式0.93倍
項目数字中身
株価(2026年10月5日終値)1,264円名証プレミア。東証には上場していない
時価総額334億円発行済26,400,000株。自己株571,797株を除くと326億円
PBR0.41倍1株あたり純資産3,103円(2026年6月末・自己株控除後25,828,203株)
PER(会社予想)21.2倍2027年3月期 予想EPS59.6円
配当利回り1.98%年25円の予想(前期28円)
清原式ネットキャッシュ比率0.93倍流動資産224.1億+投資有価証券412.8億×0.7−負債209.1億=303.9億円(6月末)÷ 自己株を除く時価総額
1株あたりの金融資産(床)1,712円現預金+有価証券+投資有価証券×75%。借入金なし。株価より上にある
企業価値(EV)▲222億円自己株を除く時価総額−金融資産548億円(保有株は10/5終値で再評価・税引前)。前期の営業利益+減価償却は37.6億円
52週774〜1,314円安値2025年10月・高値2026年7月(週足)
貸借対照表の中身(2026年6月末・第1四半期決算短信)
科目6月末3月末備考
総資産1,024.3億円1,015.5億円1年前(2025年3月末)は887.8億円。増加の大半は保有株の値上がり
うち現金及び預金114.7億円141.5億円自社株買い5.84億円、配当、未払費用の支払いで減少。ほかに有価証券(社債)9億円
うち投資有価証券412.8億円370.5億円3月末の株式は取得原価62.0億円→計上額309.3億円
うち有形固定資産330.5億円332.2億円土地161.8億円
負債合計209.1億円217.2億円繰延税金負債101.4億円、長期預り保証金39.7億円。借入金・社債なし
純資産815.2億円798.3億円自己資本801.4億円(自己資本比率78.2%)。その他有価証券評価差額金203.3億円
📌 その他有価証券評価差額金203億円は、保有株の含み益を税引後で純資産に入れたもの。株の含み益はすでにPBRの分母に入っている。PBRにまだ入っていないのは不動産の含み益と、7月以降の保有株の値動きだけ。
03

現金と証券 ── いつ買って、いくらになったか

含み益247億円
① 現金 ── 13年間、100〜157億円のあいだ
項目(2026年3月期)金額中身
現金及び預金141.5億円担保に入っているのは0.07億円だけ
現金及び現金同等物(CF計算書)153.4億円前期末から13.3億円増
満期保有の社債21.1億円1年内7億円(有価証券)+1年超14.1億円(投資有価証券の内数)
営業キャッシュフロー+36.0億円税引前利益29.7億円+減価償却17.2億円−法人税9.1億円ほか
設備投資(有形・無形)▲13.1億円放送設備の更新が中心。ほかに投資有価証券の取得12.7億円
配当金の支払い▲6.1億円自社株買い0.58億円
長期預り保証金(負債)40.0億円テナントからの預り金。現金の一部はこれの裏付け
2026年6月末の現金及び預金114.7億円4〜6月に26.8億円減。自社株買い5.84億円、期末配当約6億円、未払費用の支払いなど
現金及び預金の期末残高:2014年3月157.0億 → 2018年3月103.0億 → 2020年3月151.8億 → 2023年3月103.3億 → 2026年3月141.5億円。名駅(2017年3月期)と栄(2022年3月期)の土地を買ったあとに減り、数年で元に戻っている。営業CF−設備投資−配当で年15億円前後が残る体質で、借入れなしに30億円級の不動産を数年おきに買える。
② 上場株 ── 取得原価62億円が309億円になっている
期末取得原価貸借対照表の計上額含み益倍率
2013/350.9億円75.0億円24.2億円1.5倍
2015/353.6億円102.3億円48.7億円1.9倍
2017/355.6億円128.0億円72.4億円2.3倍
2019/355.3億円125.0億円69.7億円2.3倍
2020/340.5億円77.4億円36.9億円1.9倍
2022/355.5億円113.7億円58.1億円2.0倍
2023/355.9億円122.6億円66.7億円2.2倍
2024/356.0億円215.6億円159.6億円3.9倍
2025/356.0億円224.2億円168.2億円4.0倍
2026/362.0億円309.3億円247.3億円5.0倍
連結の「その他有価証券」注記のうち、計上額が取得原価を上回る株式。各年の有価証券報告書に載る当期・前期の表から。取得原価は13年間ほぼ50〜62億円で動いておらず、含み益の増減はほとんど株価によるもの。2020年3月はコロナ急落時。
③ いつ買った株か ── 特定投資株式の株数を13年分追う
銘柄株数の動き読み
TBSホールディングス2014年3月 130.0万株 → 2017年3月 238.8万株(+108.8万株)→ 2026年3月 248.8万株(+10万株・5.78億円)2017年3月期に持ち株をほぼ倍にした。同期末の株価は1,744円。当期の買い増しは1株5,780円。減らす方向ではない。6月末の株価は6,225円、10/5は5,801円
三菱UFJ FG190.8万株のまま13年間変わらず2014年3月の計上額10.6億円 → 2026年3月49.6億円 → 10/5で67.6億円
三井住友トラストG347.9万株 → 併合で34.8万株 → 分割で69.6万株 → 分割で278.3万株売買はなく、併合と分割だけ
名古屋銀行147.4万株 → 併合で14.7万株 → 分割で44.2万株同上
上位4銘柄株数2026年3月末10/5終値10/5時点3月末からの差
TBSホールディングス2,488,000株139.1億円5,906円146.9億円+7.8億円
三菱UFJ FG1,908,320株49.6億円3,615円69.0億円+19.4億円
三井住友トラストG2,783,320株34.1億円1,755円48.9億円+14.8億円
名古屋銀行442,200株24.9億円7,130円31.5億円+6.6億円
計247.7億円296.3億円+48.6億円
提出会社の上場株は20銘柄・291.4億円(2026年3月末)、非上場株は51銘柄・15.4億円。5位以下は中部電力3.5億円、電通グループ2.7億円、御園座2.5億円、RKB毎日HD2.3億円など。当期に減らした上場株は1銘柄・0.33億円(ワシントンホテル)。会社は「保有する投資株式はすべて純投資目的以外」と書いている。上位4銘柄の6月末から10/5までの値動きは合計+12億円(TBSが下げ、銀行3社が上げた)。
📌 TBS株だけで147億円、自己株を除く時価総額326億円の45%。中部日本放送の値札の4割強は、TBS株の値段で説明がつく。逆に言えば、TBSと銀行株が下がれば純資産がそのまま減る。2026年3月期の包括利益86.7億円のうち、本業の純利益は18.4億円だった。
④ 財布の財布 ── TBSの中に東京エレクトロンが入っている
TBSホールディングスの有価証券報告書(2026年3月期)によると、TBSは東京エレクトロン株を持ち続けている。東京エレクトロンは1963年に東京放送(現TBS)の子会社として設立された会社で、TBSはこの株を「成長戦略資本」と位置づけている。
段中身金額(10/5終値)
TBSが持つ東京エレクトロン7,556万株(3月末15,112,049株を、その後の株式分割後の株数に換算)× 12,765円9,645億円
TBS自身の時価総額自己株を除く約1億5,680万株 × 5,906円9,260億円
中部日本放送が持つTBS248.8万株(TBSの1.59%)147億円
中部日本放送が間接的に持つ東京エレクトロン9,645億円 × 1.59%(税引前)153億円
TBSが持つ東京エレクトロン株は、税引前でTBSの時価総額の104%、売却益への税を30%引いても73%に当たる。中部日本放送の1株あたりでは約593円で、株価1,264円の47%が、孫にあたる東京エレクトロンで裏付けられている計算になる。
2025年4月末 → 10/5東京エレクトロンTBS中部日本放送
株価の変化3.0倍+24%+88%
📌 中身は伸びているが、財布の値段にはあまり伝わっていない。この間にTBSの東京エレクトロン持ち分は6,438億円増えたのに、TBSの時価総額が増えたのは1,780億円で、伝わったのは28%。TBSは株数を減らしておらず、売れば3割の税がかかり、TBSも認定放送持株会社で買収の値段が付きにくい。中部日本放送は、その割り引かれたTBSをさらに割り引いて持っている。安さの源であり、同時に解消されにくさの源でもある。
東京エレクトロンの株数は、3月末の計上額5,626億円÷3月末の株価7,446円(分割調整後)が7,556万株になることからの換算。4月以降にTBSが売っていれば変わる。TBSの株数は3月末の自己資本÷1株純資産からの逆算。
04

賃貸不動産 ── 有報が開示している含み益125億円

鑑定時価
有価証券報告書の「賃貸等不動産関係」の注記には、賃貸に出している不動産の簿価と期末の時価が並ぶ。中部日本放送は、主要物件の時価を社外の不動産鑑定士の鑑定評価で載せている。推測ではなく、会社が開示している数字である。
区分(2026年3月末)簿価時価含み益賃貸収益賃貸費用差額
① 賃貸等不動産134.2億円206.9億円72.8億円13.4億円4.7億円8.7億円
② 賃貸等不動産として使用される部分を含む不動産4.3億円56.2億円51.9億円6.5億円4.1億円2.3億円
合計138.4億円263.1億円124.7億円19.9億円8.9億円11.0億円
②は「賃貸オフィスビルの一部を子会社が使っている」物件。簿価4.3億円は、千代田会館の建物4.06億円と、当社が千代田区に持つ土地0.24億円(2014年3月期の有報に記載)の合計にほぼ一致するので、当商会は東京・九段南の千代田会館とみている(推定)。
13期分の推移(各年の有価証券報告書から・億円)
期末簿価①時価①簿価②時価②含み益計賃貸の差額その年に起きたこと
2014/382.9119.69.035.863.58.5
2015/381.6120.38.436.066.36.3
2016/380.3120.47.836.068.28.8
2017/3111.5149.57.235.966.89.8名駅賃貸ビル土地28億円を新規計上
2018/3109.9166.96.849.299.410.6②の時価が35.9億→49.2億円
2019/3109.4174.56.349.7108.510.6
2020/3108.0175.65.849.6111.410.5
2021/3105.6172.55.349.5111.010.5
2022/3137.2203.34.956.2117.59.9栄の賃貸ビル・土地を新規計上(土地29.9億円)
2023/3136.2203.54.857.1119.710.9
2024/3135.0204.74.556.5121.710.6
2025/3134.0206.54.357.0125.210.6
2026/3134.2206.94.356.2124.711.0
📌 含み益は2014年3月期の63.5億円から124.7億円へ。賃貸の差額も8.5億円から11.0億円へ増えた。時価263億円に対する利回りは4.2%、時価総額326億円(自己株を除く)に対しては3.4%。放送とは別に、毎年11億円が家賃で入ってくる。
05

土地を1件ずつ ── 簿価・取得時期・公示価格

当商会の推定
賃貸に出していない土地は、時価が開示されない。そこで「主要な設備の状況」に載っている面積と簿価を、近くの公示価格と見比べる。有報を2014年3月期までさかのぼると、どの土地がいつ帳簿に載ったかも分かる。
① 本社のある新栄の土地(時価の開示なし → 公示価格で推定)
物件(名古屋市中区新栄)面積土地簿価簿価/㎡低:47.6万円/㎡中:67.0万円/㎡高:90.2万円/㎡
放送センター3,600㎡15.05億円41.8万円17.1億円24.1億円32.5億円
CBC会館3,400㎡4.40億円12.9万円16.2億円22.8億円30.7億円
CBCアネックス300㎡0.20億円6.7万円1.4億円2.0億円2.7億円
合計7,300㎡19.65億円26.9万円34.7億円48.9億円65.8億円
含み益(税引前)15.1億円29.3億円46.2億円
公示地価(2026年)の3地点:低=新栄1-13-30(商業地域・容積率400%・前面8m市道)、中=新栄1-28-23(同500%・前面50m市道)、高=新栄1-6-15(新栄1丁目の最高価格地点・前年比+3.68%)。本社の住所は新栄1-2-8。面積は有報の千㎡単位(小数1桁)なので±50㎡の丸めがある。放送局の建物が建っている土地で、売る予定も示されていない。値段がつくとすればこの幅、という目安。
取得時期を簿価から読む
CBC会館の土地は1㎡あたり12.9万円で載っている。新栄の地価平均は、データのある1988年以降でいちばん安かった2005年でも24.9万円/㎡、1991年は205万円/㎡。どの年より安いので、1988年より前、おそらくテレビ本放送を始めた1956年前後からの本社敷地と読める。
放送センターは1998年4月の竣工。土地簿価は2014年3月期の10.73億円から2015年3月期に15.05億円へ4.32億円増えた(認定放送持株会社へ移行した年)。1㎡あたり41.8万円で、1998年の新栄平均50.3万円/㎡、2014年の30.3万円/㎡の間にある。
CBC会館の建物簿価は2021年3月期の4.7億円から2023年3月期の38.2億円へ増えており、30億円超をかけて改修したばかり。当面ここを売って出ていく会社ではない。
② 賃貸物件を同じ物差しで測り直す(鑑定時価との突き合わせ)
物件帳簿に載った時期土地簿価推定時価含み益推定の方法
グランパルク(長久手市)2000年11月に賃貸開始46.8億円61.7億円14.9億円基準地価 長久手市戸田谷1024番外(商業地)21.0万円/㎡ × 面積
名駅賃貸ビル土地(中村区)2017年3月期に初めて計上28.0億円56.4億円28.4億円取得額 × 名駅の地価平均の上昇率(2016年356.7万→2026年717.8万円/㎡=2.01倍)
CBCアネックス栄(中区)2022年3月期に初めて計上29.9億円35.4億円5.5億円取得額 × 栄の地価平均の上昇率(2021年419.9万→2026年497.2万円/㎡=1.18倍)
千代田会館(千代田区九段南)子会社設立1964年・ビル竣工1967年0.24億円33.8億円33.6億円基準地価 九段南3-2-15(商業地)338万円/㎡ × 所有地約1千㎡(2014年3月期有報の面積)
長島太陽光発電所(桑名市)旧ラジオ送信所の用地2.8億円2.8億円0.0億円簿価のまま
📌 この方法で出した土地の推定に建物簿価を足すと219億円。会社が開示している鑑定時価の合計は263億円で、当商会の公示価格ベースの推定はその83%にとどまった。公示価格で測ると鑑定より控えめに出るので、同じ物差しを当てた新栄の推定(中心48.9億円)も、甘い数字にはなっていないと考えている。
グランパルクの土地簿価は1㎡あたり15.9万円。長久手市戸田谷の地価平均は賃貸を始めた2000年が23.9万円/㎡、2026年が21.7万円/㎡で、簿価はそれより安い。名駅と栄は正確な所在地が有報に書かれていないため、地点の公示価格ではなく「取得額×エリア平均の上昇率」で出した。エリア平均は調査地点の入れ替わりで動くので、誤差は大きい。千代田会館は当社所有地(約1千㎡)のほかに外部からの借地約1千㎡がある。南山カントリークラブ(豊田市・115.6万㎡・土地簿価30.5億円)は含み益をゼロとして扱い、どの試算にも入れていない。
06

NAVの積み上げ ── 修正PBRは0.36倍

3通り
6月末の1株あたり純資産に、まだ入っていないものを税引後(税率30%)で足していく。株数は5月の自社株買い後の25,828,203株。
項目保守中心強気根拠
1株あたり純資産(開示)3,103円3,103円3,103円2026年6月末。保有株の含み益(6月末まで)は算入済み
+賃貸不動産の含み益+291円+338円+338円鑑定時価−簿価=124.7億円(3月末)。保守は千代田会館分に非支配持分33.4%を見る
+新栄の本社一帯+41円+79円+125円公示価格47.6万/67.0万/90.2万円/㎡
+保有株の7月以降の値動き—+32円+32円上位4銘柄、6月末→10/5で+12億円
修正後の1株あたり純資産3,435円3,552円3,598円
株価1,264円 ÷ 上の数字0.37倍0.36倍0.35倍修正PBR
📌 どの置き方でも修正PBRは0.35〜0.37倍に収まる。不動産の含み益125億円は大きく見えるが、自己資本801億円に対しては税引後で1割強。この会社の資産の主役は株(6月末413億円)で、不動産はそれに次ぐ。新栄の土地を公示最高値の2倍(180万円/㎡)で見ても、修正PBRは0.34倍までしか下がらない。
資産別に見た「時価総額326億円(自己株を除く)」の内訳
積み上げ金額備考
金融資産(現預金・社債・株。株は10/5再評価)548億円6月末の現預金114.7+有価証券9.0+投資有価証券412.8、7月以降の値動き+12億円
−負債合計ほか▲213億円負債209.1億円(繰延税金負債101.4億円を含む)と、7月以降の値上がりにかかる税
=正味の金融資産336億円時価総額の103%
+賃貸不動産(鑑定時価−含み益への税)226億円263.1億円−124.7億円×30%
合計561億円時価総額の1.72倍
放送事業・新栄の本社・ゴルフ場に付いている値段▲235億円時価総額−上の合計
土地・建物と有価証券を時価に直した1株あたり修正ネットキャッシュは約3,331円で、株価はその38%。当商会が「最優先で見る」とする30%以下になるのは999円以下。
07

事業とストック性 ── 利益の芯は不動産

ROE2%台
セグメント別の営業利益・9期分(億円)
決算期メディアコンテンツ不動産その他3セグメント計
2018/316.410.70.928.0
2019/312.310.81.124.2
2020/34.310.51.015.8
2021/3▲5.410.6▲0.84.3
2022/38.98.70.518.1
2023/30.911.10.812.9
2024/32.010.81.114.0
2025/33.610.81.115.4
2026/37.611.51.420.4
📌 9期の振れ幅は、メディアが▲5.4億〜16.4億円、不動産が8.7億〜11.5億円。不動産の利益は、コロナの年も広告不況の年も10億円前後から動かなかった。この会社のストック性は放送ではなく不動産にある。
不動産(ストック)
売上19.1億円・営業利益11.5億円(利益率60%)。アピタ長久手店(ユニーへ賃貸)、名駅と栄の賃貸ビル・底地、九段南の千代田会館、長島の太陽光発電。会社は「高度利用を見据えた再開発を積極的に検討」と書いている(有報・対処すべき課題)。テナントが少数に偏る点は弱み。
放送(フロー)
売上320.6億円・営業利益7.6億円(利益率2.4%)。CBCテレビはTBS系列で、ゴールデン・プライム帯の多くはTBSテレビの制作・編成。自分で動かせるのは自社制作の時間帯だけで、視聴率と広告市況に利益が振られる。固定費が重く、売上が落ちた2021年3月期は赤字になった。
ニッチトップと言えるもの
1951年に日本で最初に放送を始めた民間放送局。自社制作の『ゴゴスマ』は全国25局・40都道府県で放送され、名古屋地区の個人視聴率で3期連続・同時間帯1位、関東でも2期連続1位。『花咲かタイムズ』は18年連続で同時間帯1位(いずれも有報)。地方局が全国へ番組を出す側に回っている例は多くない。
言えないもの
局全体の年間視聴率は個人全体・全日帯で2.7%(有報)。東海地区での局別順位は有報に書かれておらず、「地域首位」とは確認できない。番組単位の強さが、局全体の利益率(2%台)にはまだ表れていない。モートの軸を1点にとどめた理由。
連結業績
決算期売上高営業利益経常利益純利益EPS配当
2023年3月期327.1億円12.3億円17.7億円10.7億円40.4円15円
2024年3月期326.3億円13.8億円20.6億円11.9億円45.0円15円
2025年3月期333.0億円15.5億円21.2億円13.3億円50.4円23円
2026年3月期349.4億円20.4億円28.3億円18.4億円69.6円28円
2027年3月期(予)358.1億円17.9億円26.5億円15.4億円59.6円25円
2027年3月期の第1四半期(4〜6月)は売上高85.8億円(前年同期比▲3.6%)、営業利益2.3億円(同▲41.9%)、純利益5.4億円(同▲13.9%)。経常利益が営業利益より8億円ほど多いのは、主に保有株からの受取配当による。純利益18.4億円÷自己資本783億円でROEは2%台。
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市場と中計 ── テレビ広告は横ばい、資本政策の目標は未公表

中計は今期まで
市場 ── 広告費は過去最高、テレビは横ばい
2025年 日本の広告費(電通)金額前年比備考
総広告費8兆623億円105.1%4年連続で過去最高
インターネット広告費4兆459億円110.8%構成比50.2%。初めて過半
地上波テレビ広告費1兆6,333億円99.9%構成比20.3%
マスコミ四媒体計2兆2,980億円98.4%
📌 広告の市場は伸びているが、伸びた分はネットが取っている。地上波テレビは急に縮んではいないが、成長市場ではない。会社自身も有報に「放送は絶対的に優位なメディアではなくなっている」「テレビの総個人視聴率(PUT)は減少傾向が続いている」と書いている。そのなかで中部日本放送のメディア売上は2025年3月期304.9億→2026年3月期320.6億円(+5.2%)と、市場より良かった。
中期経営計画2024-2026(今期が最終年度)
項目内容(有価証券報告書の記載)
標語フェアな姿勢でデジタル化社会に「信頼」を。キーワードは「地域」「コンテンツ」「人財」
放送「従来の放送ビジネス」の再価値化で視聴率の向上と広告価格の適正化を目指す。アニメ・ドラマ・配信など「新たな収益の柱」をつくる
不動産保有資産の「選択と集中」で新たなポートフォリオを構築済み。高度利用を見据えた再開発を積極的に検討
進み具合2期目の2026年3月期は2期連続の増収、連結営業利益は3期連続の増益(13.8億→15.5億→20.4億円)。最終年度の会社予想は17.9億円で減益
今期の大型案件愛知・名古屋で開かれるアジア・アジアパラ競技大会への取り組み
政策保有株(ガバナンス報告書 2026年6月)毎年、取締役会で保有株式ごとに資本コストに見合うかを検証し、「保有の必要性が認められないものについては縮減の方向で検討」。買収への対応方針(買収防衛策)は導入していない
書かれていないことROEやPBRの数値目標、政策保有株の縮減の金額目標、純資産を基準にした還元方針(DOEなど)は、有報・ガバナンス報告書・決算説明資料のどれにも見当たらない
中計の数値目標そのもの(売上・利益の計画値)は有報本文に載っていない。ガバナンス報告書には「中期経営計画をホームページおよびTDnetに掲載」とあるが、その資料は今回確認できていない。現中計が2027年3月期で終わるので、次の中計が出るときに資本政策へ触れるかどうかが最大の確認点になる(公表時期は未確認)。
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カタリスト ── 会社が動いた2件と、放送法の壁

自社株50万株
会社がすでに動いたこと(適時開示で確認)
日付開示中身
2025/3/12創立75周年記念配当期末に記念配当3円
2025/5/12利益配分に関する基本方針の変更配当性向の目安を30%→40%へ引き上げ(2025年3月期から適用)。年間配当は15円→23円(うち記念3円)→28円
2025/11/13自己株式の取得(N-NET3)7万株・5,768万円。役員向け譲渡制限付株式報酬に充てるためで、還元目的ではない
2026/5/15自己株式の取得(N-NET3)50万株・5億8,400万円(1株1,168円)。発行済の1.9%。理由は「資本効率の改善を通じた企業価値の向上及び株主還元の充実」
2026/6/26コーポレート・ガバナンス報告書政策保有株は「必要性が認められないものは縮減の方向で検討」。買収防衛策は導入していない
📌 配当方針の引き上げと、資本効率を理由にした自社株買い。会社は1年半のあいだに2回、資本政策で動いている。当商会が触媒の軸を2点(動く条件が揃っている)にした根拠。3点(すでに動いている)にしなかったのは、買い入れた5.84億円が金融資産548億円の1%にとどまり、政策保有株は逆にTBS株を5.78億円買い増しているため。立会外取引なので、誰かがまとめて売った株を会社が引き取った形だが、売り手は開示されていない。
TOB・MBOは起きるか ── 放送法の壁
規制中身この会社への意味
議決権の保有上限認定放送持株会社の議決権を一の者が持てるのは原則3分の1まで(放送法164条・総務省令)株を過半数集めても支配できない。完全買収を前提にしたTOB・MBOは成り立ちにくい
放送対象地域が重なる場合同じ地域で地上波放送にかかわる者は10分の1まで筆頭株主の中日新聞社は9.88%。10%の手前で止まっているのは、この上限と整合する(当商会の読み)
外資規制外国人等の議決権は5分の1未満海外ファンドがまとまって買う余地も限られる。現状の外国法人等は3.5%
資産バリュー株の出口でいちばん大きい「買われて終わる」筋書きは、認定放送持株会社である限りほぼ使えない。安さを直す力は、会社自身の資本政策からしか出てこない。会社が買収防衛策を置いていないのは、法律がその役目を果たしているからとも読める。
大株主(2026年3月末・上位10名で44.13%)
株主比率性格
中日新聞社9.88%地元紙。10%上限の手前
竹田本社6.45%地元の法人株主
三菱UFJ銀行4.94%取引銀行。大量保有報告の提出者
三井住友信託銀行4.43%取引銀行
ナゴヤドーム/中部電力/名古屋銀行/名古屋鉄道3.95〜3.12%地元企業
岐阜県/日本電気2.47%/2.38%自治体・取引先
所有者別:その他の法人42.3%、個人25.9%、金融機関21.5%、政府・地方公共団体5.5%、外国法人等3.5%。シュローダーは2019年に5.4%→2.2%へ減らして以降、報告がない。物言う株主は見当たらない。
この先のきっかけ(当商会の見立て)
きっかけ根拠になる事実起きやすさ
自社株買いの継続・増額2026年5月に資本効率を理由として初めて実施。銀行2行で9.4%を持ち、引き取る相手はいる中〜高
次の中計で資本政策が出る現中計は今期が最終年度。ROE・PBR・縮減額の目標はまだ出ていない中
配当の引き上げ配当性向40%目安の業績連動。今期予想は減益に合わせて28円→25円利益しだい
不動産の再開発・入れ替え「高度利用を見据えた再開発を積極的に検討」。過去10年で名駅と栄の土地に計58億円を投じた実績中(時間はかかる)
政策保有株の売却と大型還元方針は「必要性がなければ縮減」。実際は当期にTBS株を5.78億円買い増し、売却は0.33億円低
TOB・MBO・完全子会社化放送法の3分の1上限。親会社もいないほぼなし
「起きやすさ」は当商会の主観。株価が1年半で2.2倍になった理由は特定できていない(配当方針の変更や保有株の値上がりと時期は重なるが、因果は確認していない)。
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3年後の3ケース ── ベア・ベース・ブル

2029年
3年後(2029年秋ごろ)の株価を、1株あたり純資産 × PBRで3通り置く。起点は6月末の3,103円に保有株の7月以降の値動きを足した3,135円。動かすのは「保有株の値段」「毎年の利益」「市場が付けるPBR」の3つ。不動産の含み益は帳簿の純資産には入らないので、PBRの水準を支える材料として扱う。
項目ベアベースブル
保有株(TBS・銀行ほか345億円)▲30%横ばい+20%
純利益(年)10億円16億円20億円
配当(年)20円25円30円
1株純資産への影響:保有株▲281円0円+187円
1株純資産への影響:3年分の内部留保+56円+111円+142円
3年後の1株あたり純資産2,910円3,246円3,464円
PBR0.25倍0.40倍0.51倍
3年後の株価728円1,298円1,767円
1,264円からの騰落▲42%+3%+40%
3年分の配当を足した場合▲38%+9%+47%
当商会が置いた確率30%50%20%
ベア ── 元の放置に戻る
株式市場が崩れてTBSと銀行株が3割下がり、広告不況で利益が10億円に落ちる。PBRは2021〜2025年の期末水準(0.24〜0.28倍)へ。2025年3月末は実際に0.25倍だったので、絵空事ではない。株価は52週安値774円も割る。
ベース ── 何も起きない
保有株は横ばい、利益は今期予想並みの16億円、PBRは今の0.40倍。自社株買いは織り込んでいない。純資産が内部留保で年1%強ずつ増える分だけ株価が上がる。配当を足して3年で1割前後。
ブル ── 株高が続き、レンジ上限まで買われる
保有株がさらに2割上がり、利益20億円、PBRは2010年以降の上限0.51倍。次の中計で還元や縮減の方針が出て、同業中央値の0.6倍まで評価されれば2,078円だが、これは触媒が実際に出た場合の話で、確率の表には入れていない。
📌 確率で均した3年後の株価は1,221円(▲3%)、配当込みで+2%。上(ブル+40%)より下(ベア▲42%)のほうがやや大きく、ベースは小幅なプラス。この値段では、3年待つ見返りが資産の厚さほどには大きくないというのが試算の示すところ。確率は当商会の主観で、置き方を変えれば結果も変わる。
税率30%。ベアでも不動産の含み益125億円と賃貸利益11億円は残るので、純資産そのものが大きく壊れる筋書きは置いていない。壊れるのは「市場が付ける倍率」のほう。
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検証済みレンジとランク

B++
当商会の採点(6軸×非対称比)── 総合 B++

ランクは幅(上値÷下値)×確度(6軸・18点)のマトリクスで決まる。ランクは下がりにくさの指標であって、上がりやすさの順位ではない。

軸点根拠
🦦安さ2修正PBR0.36倍。ただし資産の中身が有価証券と土地で、預金型ではない(基準で3点は預金型のみ)。清原式は0.93倍
🦉財務3借入金・社債なし。自己資本比率78%。金融資産が時価総額を上回る
🦫モート1放送免許は参入障壁に当たるが、放送の営業利益率は2%台でROEも2%台。数字に出ていない堀は数えない
🐊触媒22025年5月に配当性向の目安を30%→40%へ引き上げ、2026年5月に資本効率の改善を理由に自社株50万株(5.84億円・発行済の1.9%)を取得。動き出してはいるが規模は小さく、政策保有株は買い増し、買収の外圧は放送法で効かない
🐝インカム1利回り2%弱。配当性向40%目安の業績連動で、今期は28円→25円の減配予想
🦞リスク1名証の単独上場。直近40営業日の売買代金は1日平均約1,150万円(出来高の中央値6,800株)

上値:資産基準。含み益込みの実質純資産3,552円 × 直近5年のPBR上限0.42倍=1,492円・+18%(同業8社の中央値0.60倍より低いので、規則どおり低いほうを採る)。開示の純資産×2010年以降の上限0.51倍なら1,582円・+25%。採点には下限を使う。
下値:52週安値774円・▲39%。1株あたり金融資産1,712円は株価より上にあるので下値の候補にならない。
非対称比 0.46(幅・小)× 確度 10点(中)→ マトリクスはB++。1銘柄の上限は2.5%。

「これだけ安いのに、なぜB++どまりか」を点検する
割安なのは事実で、修正PBR0.36倍は当商会の紹介銘柄のなかでも安い側に入る。それでもランクが上がらないのは、ランクが安さではなく「上値÷下値」で決まるため。上値の置き方を甘いほうへ順に変え、確度も辛め(8点)から甘め(13点)まで動かして確かめた。
上値の置き方上値率幅ランク確度を8〜13点に動かすと
採用:実質純資産×直近5年の上限0.42倍1,492円+18%小B++B+〜A−
開示の純資産×2010年以降の上限0.51倍1,582円+25%小B++B+〜A−
開示の純資産×同業8社の中央値0.60倍1,877円+49%小B++B+〜A−
実質純資産×同業8社の中央値0.60倍2,149円+70%中B++B++〜A−
同業8社のPBR(10/5終値):RKB毎日HD0.31、朝日放送グループHD0.41、TBS HD0.56、BSNメディアHD0.58、テレビ朝日HD0.63、日本テレビHD0.65、テレビ東京HD0.82、フジ・メディアHD1.04。中部日本放送の0.41倍は、地方局の並び(0.31〜0.58倍)のなかでは特別に安いわけではない。確度を甘く付ければA−まではあり得るが、幅が「大」になってA以上に入るには上値が2,734円(実質純資産の77%)まで要る。放送株でそこまで評価されている会社は同業に少ない。当商会は「迷ったら下に付ける」のでB++。
同じ採点を別の時点で株価上値下値比ランク
2025年3月末(1年半前。配当方針の変更と自社株買いの前なので確度8点で計算)約666円+104%▲18%5.7A
2026年10月5日1,264円+18%▲39%0.46B++
📌 この1年半で1株あたり純資産は+16%、株価は+90%。上昇の大半は、PBRが0.25倍から0.4倍へ切り上がった分。同じ会社が666円ならA、1,264円だからB++。ランクが低いのは資産が弱いからではなく、安さの一部がすでに株価に取り込まれ、上に残った距離より下に空いた距離のほうが長くなったから。
2025年3月末の株価は期末PBR0.25倍(IRBANK)×1株純資産2,664円からの逆算、上値は開示の純資産×0.51倍、下値は当時の52週安値544円。
株価が下がると、採点はどこで変わるか
上値1,492円と下値774円を固定して、幅(上値÷下値)が切り替わる株価を逆算した。確度10点(中)はそのまま。
株価上値下値幅ランク
1,264円(2026年10月5日)+18%▲39%小B++
953円以下+56%以上▲19%以内大A−
917円以下+63%以上▲16%以内大(比4倍超)A
これは採点表の機械的な計算で、その株価まで下がるという予想ではない。下げた理由が業績の悪化や保有株(TBS・銀行)の値下がりなら、純資産も上値も一緒に下がるので、表は引き直しになる。下値をPBR下限0.19倍(590円。2025年4月に実際に566円)で置くと幅はさらに小さくなるが、ランクは変わらない。
東部ネットワーク(9036)と並べる
項目(10/5終値)中部日本放送(9402)東部ネットワーク(9036)
市場名証プレミア(単独)東証スタンダード
時価総額334億円68.8億円
PBR/PER/利回り0.41倍/21.2倍/1.98%0.31倍/25.2倍/1.67%
1日の売買代金(直近40営業日の平均)約1,150万円約440万円
含み益の出どころ鑑定時価(有報で開示)+上場株当商会の推定が中心
買収の可能性放送法で3分の1上限放送法のような上限はない
当商会ランクB++A++
📌 名証の単独上場という先入観に反して、売買代金は中部日本放送のほうが約2.6倍ある。差が付くのは安さと、出口の有無。1銘柄の上限はB++の2.5%で、口座内純資産4,402万円に対し約110万円・800株。平均出来高9,250株の2割を取れるとして約0.5日で売り切れる量。
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リスクと検算メモ

6つのリスク
① 資産が株主に渡る道筋がまだ細い
配当性向の引き上げと自社株買い50万株で会社は動き始めたが、買い入れ額5.84億円は金融資産の1%。政策保有株は減らしておらず、当期はTBS株を買い増した。物言う株主はいない。外からの圧力がかからない以上、還元の速さは会社の裁量で決まる。
② 買収で値段が付かない制度
認定放送持株会社の議決権は、一の者が原則3分の1までしか持てない(放送法164条)。完全買収を前提にしたTOB・MBOが成り立ちにくい。資産が厚くても「買われて終わる」筋書きは描きにくい。
③ 保有株と一緒に動く
投資有価証券413億円(6月末)は時価総額を超える。TBSと銀行3社が下がれば純資産がそのまま減る。2026年3月期の純資産の増加80億円のうち、55億円は保有株の値上がりだった。TBS株は6月末の6,225円から10/5の5,801円へ下げている。逆も同じ大きさで起きる。2019年3月から2020年3月の1年で、含み益は70億円から37億円へ減っている。
④ 本業の利益が薄く、振れる
メディア事業の営業利益は9期で▲5.4億〜16.4億円。今期は営業利益▲12%・純利益▲16%の予想で、第1四半期の営業利益は前年同期比▲42%。地上波テレビ広告は市場として伸びていない。
⑤ すでに上がっている
2025年4月の566円から1年半で2.2倍。期末PBRは0.25倍(2025年3月)→0.39倍(2026年3月)。安いのは確かだが、この会社の歴史のなかでは高いところにいる。
⑥ 推定と予想の粗さ
新栄の土地は面積が千㎡単位、単価は近くの公示地点。名駅と栄は所在地が分からず、エリア平均の上昇率を掛けただけ。3年後の3ケースと確率は当商会の主観。確かなのは有報の数字までで、その先は目安。
検算メモ(沼底バリュー商会・2026年10月)
  • 株価1,264円は2026年10月5日の終値(株探の確定値)。PBR0.41倍・PER21.2倍・配当利回り1.98%・時価総額334億円(発行済株式ベース)
  • 6月末の貸借対照表・株数(発行済26,400,000株−自己株571,797株)・自己資本801.41億円は2027年3月期第1四半期決算短信。1株あたり純資産3,103円はここから計算
  • 配当性向の目安の引き上げ(2025年5月12日)、自己株式の取得2件(2025年11月13日・2026年5月15日、いずれも名証の立会外買付N-NET3)、ガバナンス報告書(2026年6月26日)は会社の開示原文で確認
  • 貸借対照表、キャッシュフロー、賃貸等不動産の注記、主要な設備の状況、有価証券関係の注記、特定投資株式、大株主、所有者別状況、配当政策、自己株式の取得、経営方針は、有価証券報告書(2026年3月期・書類管理番号S100YJ8A・金融庁EDINET)の本文から
  • 賃貸等不動産の13期分、土地簿価の推移、名駅(2017年3月期)・栄(2022年3月期)の新規計上、保有株の取得原価と株数の推移、セグメント利益は、2014年3月期〜2026年3月期の有報13本を並べて確認。有価証券の注記は各有報に前期・当期の2表が載るため、期のずれがないよう突き合わせた
  • 公示地価(2026年):新栄1-6-15 90.2万円、新栄1-28-23 67.0万円、新栄1-13-30 47.6万円(いずれも商業地・円/㎡)。基準地価:長久手市戸田谷1024番外 21.0万円、千代田区九段南3-2-15 338万円
  • エリア平均の推移(新栄・名駅・栄・九段南・戸田谷)は土地代データ(tochidai.info)の集計値。地点の入れ替わりを含むため、上昇率は参考
  • 保有株の再評価:上位4銘柄の10/5終値×株数。3月末の株価×株数が有報の計上額と一致することを月足で確認。6月末の評価額は6月末の月足終値×株数で、4銘柄の合計は3月末比+36.8億円(連結の投資有価証券の増加は42.3億円)
  • 放送法の議決権保有上限(原則3分の1、放送対象地域が重なる場合は10分の1)は総務省の公表資料で確認。外資規制の5分の1は一般的な理解による
  • 広告費は電通「2025年 日本の広告費」。PBRレンジ0.19〜0.51倍・期末PBR・大量保有はIRBANK。出来高は株探の時系列(直近40営業日)。業績・予想・四半期は株探の決算ページ
  • 推定扱い:「②の賃貸不動産=千代田会館」という対応づけ、新栄・名駅・栄・九段南の土地の時価、取得時期の読み、中日新聞社の比率と10%上限の関係、きっかけの起きやすさ、3年後の3ケースと確率、6軸の点数
  • 未確認:名駅賃貸ビルとCBCアネックス栄の正確な所在地、TBS株108.8万株(2017年3月期)の取得単価、放送センター土地の2015年3月期の増加理由、中計の数値目標と次期中計の時期、2026年5月の自社株買いの売り手、非上場株51銘柄(簿価15億円)の含み益、同業各社の含み益、東海地区での局別視聴率順位
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