銘柄紹介|中部日本放送(9402)— 有報13年分で土地と株の取得時期を追った。含み益は株247億円・賃貸不動産125億円、修正PBR0.36倍【名証単独・自社株買い50万株】
🦦 「割安発掘担当の河内です。名古屋証券取引所にしか上場していない放送局を、有価証券報告書13年分で調べてきました」
沼田「13年分。なぜそんなにさかのぼった」
河内「土地と株を、いつ、いくらで手に入れたかを知りたかったからです。含み益は、取得した時期が分からないと推測になりません」
日向(見習い)「放送局って、資産の会社なんすか」
河内「中部日本放送(9402)は、利益で見ると半分以上が不動産、資産で見ると4割が株です。順番に見ていきます」
🧾 値札|時価総額334億円、借入金なし
夜見「財務分析担当の夜見です。2026年10月5日の終値と、2026年6月末の貸借対照表です」
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 株価(10/5終値) | 1,264円 |
| 時価総額 | 334億円(自己株を除くと326億円) |
| PBR/PER(会社予想) | 0.41倍/21.2倍 |
| 予想配当利回り | 1.98%(年25円) |
| 現預金+有価証券+投資有価証券 | 536億円 |
| 負債合計(借入金・社債はゼロ) | 209億円 |
| 純資産 | 815億円 |
夜見「金融資産536億円から負債を全部引くと327億円。自己株を除いた時価総額とほぼ同じ金額です」
守田「リスク管理担当の守田だ。先に言っておくが、株の含み益はもうPBRに入っている。保有株は毎期時価で計上されるからだ。PBR0.41倍の分母に、まだ入っていないのは不動産の含み益と、7月以降の株の値動きだけになる」
📈 株|取得原価62億円が309億円になっていた
夜見「有価証券の注記に、取得原価と貸借対照表の計上額が並んでいます。13年分を拾いました」
| 期末 | 取得原価 | 計上額 | 含み益 |
|---|---|---|---|
| 2013年3月 | 50.9億円 | 75.0億円 | 24.2億円 |
| 2017年3月 | 55.6億円 | 128.0億円 | 72.4億円 |
| 2020年3月 | 40.5億円 | 77.4億円 | 36.9億円 |
| 2024年3月 | 56.0億円 | 215.6億円 | 159.6億円 |
| 2026年3月 | 62.0億円 | 309.3億円 | 247.3億円 |
日向「取得原価、ほとんど動いてないっすね」
夜見「そこです。13年間、元手はほぼ50〜62億円のまま。含み益が10倍になったのは株価が上がったからで、会社が売り買いした結果ではありません」
河内「銘柄ごとの株数も追いました。三菱UFJは190.8万株のまま13年間1株も動いていません。三井住友トラストと名古屋銀行も、変わったのは併合と分割だけです」
日向「TBSは?」
河内「TBSホールディングスだけが増えています。2014年3月に130万株だったのが、2017年3月期に238.8万株へほぼ倍。2026年3月期にも10万株、5.78億円を買い増しました。いまは248.8万株、10/5の終値で147億円です」
守田「時価総額の45%がTBS株1銘柄。しかも減らすどころか増やしている。ここは後で効いてくる」

🪆 財布の財布|TBSの中に東京エレクトロンが入っている
日向「そのTBSって、中身は何を持ってるんすか」
夜見「TBSの有価証券報告書も開きました。いちばん大きいのは東京エレクトロンです。もともと1963年に、当時の東京放送の子会社として作られた会社で、TBSはいまも株を持ち続けています」
| 段 | 中身 | 金額(10/5終値) |
|---|---|---|
| TBSが持つ東京エレクトロン | 7,556万株 | 9,645億円 |
| TBS自身の時価総額 | 自己株を除く | 9,260億円 |
| 中部日本放送が持つTBS | TBSの1.59% | 147億円 |
| 中部日本放送が間接的に持つ東京エレクトロン | 上の1.59% | 153億円 |
日向「え。TBSって、東京エレクトロンの株だけで自分の時価総額を超えてるんすか」
夜見「税引前ならそうです。売却益の税金を3割引いても、時価総額の73%あります」
河内「中部日本放送の1株に直すと約593円。株価1,264円の47%は、孫にあたる東京エレクトロンで裏付けられています。財布の中にもう一つ財布があって、その中に半導体が入っている形です」
日向「じゃあ中部日本放送を買えば、東京エレクトロンを安く買えるってことっすか」
守田「そこは値動きで確かめろ。2025年4月末から10/5までだ」
| 東京エレクトロン | TBS | 中部日本放送 | |
|---|---|---|---|
| 株価の変化 | 3.0倍 | +24% | +88% |
守田「この間にTBSの持ち分は6,438億円増えた。TBSの時価総額が増えたのは1,780億円だ。伝わったのは28%。TBSは株数を減らしていないし、売れば3割が税金で消える。中身が伸びても、財布を開けない限り、財布の値段は付いてこない」
河内「中部日本放送は、その割り引かれたTBSを、さらに割り引いて持っていることになります。安さの理由であり、安さが直りにくい理由でもあります」
🏢 賃貸不動産|会社が自分で書いている時価
河内「有価証券報告書には『賃貸等不動産関係』という注記があります。貸している不動産の簿価と時価を、会社が並べて開示する欄です。中部日本放送は、主要物件を社外の不動産鑑定士の評価額で載せています」
| 区分(2026年3月末) | 簿価 | 時価 | 含み益 |
|---|---|---|---|
| 賃貸等不動産 | 134.2億円 | 206.9億円 | 72.8億円 |
| 一部を子会社が使う賃貸ビル | 4.3億円 | 56.2億円 | 51.9億円 |
| 合計 | 138.4億円 | 263.1億円 | 124.7億円 |
日向「2行目、4億円が56億円になってますけど」
河内「簿価の4.3億円は、東京・九段南にある千代田会館の建物4.06億円と、当社が千代田区に持つ土地0.24億円を足した額にほぼ一致します。なので千代田会館だと見ていますが、これは私の推定です。ビルの竣工は1967年。古い取得ほど簿価は小さく残ります」

📚 有報を13年分めくる|土地はいつ帳簿に載ったか
河内「『主要な設備の状況』という表に、物件ごとの面積と簿価が出ています。2014年3月期から2026年3月期までの13本を並べると、新しく載った年が分かります」
| 物件 | 面積 | 土地簿価 | 帳簿に載った時期 |
|---|---|---|---|
| CBC会館(中区新栄) | 3,400㎡ | 4.4億円 | 1988年より前(下で説明) |
| 放送センター(同) | 3,600㎡ | 15.1億円 | 竣工は1998年4月 |
| グランパルク(長久手市) | 29,400㎡ | 46.8億円 | 2000年11月に賃貸開始 |
| 名駅賃貸ビル土地(中村区) | 500㎡ | 28.0億円 | 2017年3月期に初めて計上 |
| CBCアネックス栄(中区) | 500㎡ | 29.9億円 | 2022年3月期に初めて計上 |
| 千代田会館の敷地(千代田区) | 約1,000㎡ | 0.24億円 | 子会社の設立は1964年 |
日向「CBC会館の『1988年より前』って、どうやって分かるんすか。有報は2014年までしか見てないのに」
河内「簿価を面積で割ると、1㎡あたり12.9万円です。新栄の地価の平均は、記録のある1988年以降でいちばん安かった2005年でも24.9万円でした。どの年の値段よりも安いので、記録が始まる前に買った土地だと読めます」
夜見「テレビの本放送開始が1956年。おそらくその頃からの本社敷地です」
河内「現金の動きも同じ話をしています。期末の現預金は13年間100〜157億円の範囲で、名駅と栄の土地を買ったあとに100億円近くまで減り、数年で元に戻っています。借入れなしで、30億円級の不動産を数年おきに買える会社です」
📍 公示価格を当てる|新栄の本社7,300㎡
河内「賃貸していない土地は、時価の開示がありません。本社のある新栄の3物件は合わせて7,300㎡、簿価19.7億円。近くの公示地価を3通り当てました」
| 当てた公示地点(2026年) | 単価 | 推定時価 | 含み益 |
|---|---|---|---|
| 新栄1-13-30(前面8m) | 47.6万円/㎡ | 34.7億円 | 15.1億円 |
| 新栄1-28-23(前面50m) | 67.0万円/㎡ | 48.9億円 | 29.3億円 |
| 新栄1-6-15(1丁目の最高地点) | 90.2万円/㎡ | 65.8億円 | 46.2億円 |
守田「その推定がどのくらい当てになるのか、確かめようがあるか」
河内「あります。時価が開示されている賃貸物件のほうを、同じやり方で測り直しました。長久手は近くの基準地価21.0万円/㎡、名駅と栄は取得額にエリア平均の上昇率を掛け、九段南は基準地価338万円/㎡です」
- 私のやり方で出した合計 … 219億円
- 会社が開示している鑑定時価 … 263億円
河内「私の数字は鑑定の83%でした。公示価格で測ると、鑑定より控えめに出ます。新栄の48.9億円も、甘い見積もりにはなっていないと考えています」
守田「ただし新栄には放送局が建っている。CBC会館は2021年から2023年にかけて、建物の簿価が4.7億円から38億円に増えた。30億円超かけて直したばかりの本社を、売って出ていく会社ではない」

🧮 積み上げ|修正PBRは0.36倍
夜見「税金を30%引いて、1株あたりに直します。株数は5月の自社株買いのあとの2,583万株です」
| 項目 | 保守 | 中心 |
|---|---|---|
| 1株あたり純資産(6月末・開示) | 3,103円 | 3,103円 |
| +賃貸不動産の含み益 | +291円 | +338円 |
| +新栄の本社一帯 | +41円 | +79円 |
| +保有株の7月以降の値動き | — | +32円 |
| 修正後 | 3,435円 | 3,552円 |
| 株価1,264円との比 | 0.37倍 | 0.36倍 |
日向「あれ。不動産に125億円も含み益があるのに、PBRは0.41から0.36にしか下がらないんすね」
夜見「自己資本が801億円あるので、税引後87億円を足しても1割強にしかなりません。この会社の資産の主役は株で、不動産は2番手です。新栄を公示最高値の2倍で見ても、修正PBRは0.34倍までです」
河内「金融資産だけで時価総額に並ぶので、賃貸不動産263億円と放送事業と本社は、タダで付いてくる計算になります」
🏗️ 稼ぎ|9期続けて10億円前後を出しているのは不動産
堀田「モート担当の堀田だ。資産が厚いのは分かった。稼ぎのほうを見る」
| 決算期 | 放送ほかメディア | 不動産 |
|---|---|---|
| 2018年3月期 | 16.4億円 | 10.7億円 |
| 2020年3月期 | 4.3億円 | 10.5億円 |
| 2021年3月期 | ▲5.4億円 | 10.6億円 |
| 2023年3月期 | 0.9億円 | 11.1億円 |
| 2026年3月期 | 7.6億円 | 11.5億円 |
堀田「放送は16億円の黒字から5億円の赤字まで振れた。不動産は9期のあいだ8.7億〜11.5億円から出ていない。この会社のストック収益は、放送ではなく家賃だ」
日向「放送のほうに強みはないんすか」
堀田「番組単位ならある。自社制作の『ゴゴスマ』は全国25局で放送されていて、名古屋地区の個人視聴率で3期連続・同時間帯1位、関東でも2期連続1位と有報に書いてある。日本で最初に放送を始めた民間放送局でもある」
堀田「だが局全体が東海で何位かは有報に書かれていないし、放送の営業利益率は2.4%だ。免許という参入障壁はあるのに、それが利益の数字になっていない。モートは1点にとどめる」
夜見「市場も追い風ではありません。電通の『2025年 日本の広告費』では、総広告費は過去最高の8兆623億円ですが、地上波テレビは1兆6,333億円で前年比99.9%。足元の4〜6月は、名古屋地区のスポット広告の出稿が前年より2.3%減り、CBCテレビのスポット収入は9.1%減りました」
🦅 乱入|ドル建て鷹「名古屋の取引所を、海外の誰が見るんだ」
ドル建て鷹「失礼。ナゴヤ・ストック・エクスチェンジ? 私のブルームバーグ端末でも滅多に開かない市場ですよ。誰も見ていない市場で安いのは、割安ではなく放置です」
日向「うわ、言い方」
守田「鷹、前半は外れている。直近40営業日の売買代金は1日平均で約1,150万円ある。当商会が資産バリューの筆頭に置く東部ネットワーク(9036・東証スタンダード)は約440万円だ」
| 2026年10月5日 | 中部日本放送 | 東部ネットワーク |
|---|---|---|
| 市場 | 名証プレミア | 東証スタンダード |
| 時価総額 | 334億円 | 68.8億円 |
| PBR | 0.41倍 | 0.31倍 |
| 1日の売買代金(40日平均) | 約1,150万円 | 約440万円 |
| 当商会ランク | B++ | A++ |
鷹「……東証の銘柄より商いがあるのですか」
守田「時価総額が5倍近いからな。名証だから売り買いできない、という話ではない」
待伏「イベント担当の待伏です。ただ、鷹さんの後半は当たっています。しかも理由は取引所ではなく、法律のほうにあります」
待伏「ここは認定放送持株会社です。放送法で、1人の株主が持てる議決権は原則3分の1まで。同じ地域で地上波放送にかかわる株主は10分の1までです。筆頭株主の中日新聞社が9.88%で止まっているのは、この上限と辻褄が合います」
鷹「過半数を買っても、支配できない?」
待伏「はい。丸ごと買って資産を取り出すTOBやMBOが、制度上ほぼ成り立ちません。外国法人等の保有は3.5%、大量保有報告を出しているのは取引銀行だけです」
沼田「鷹の言う『放置』は、流動性の話ではなく、直す力が外から働かないという話だったわけだ。そこは認める」
名証単独の資産株を見るとき、鷹の指摘から残ったのは次の3つ。
- 売買代金は実数で確かめたか(市場名の印象で決めない)
- 大量保有報告に、取引先以外の名前があるか
- 買収に法律上の上限がある業種かどうか
🧯 では会社は動いているか|配当性向40%と、自社株50万株
守田「外から直せないなら、会社が自分で動くしかない。適時開示を全部めくった」
| 日付 | 会社が出した開示 |
|---|---|
| 2025年5月12日 | 配当性向の目安を30%→40%へ引き上げ |
| 2025年11月13日 | 自社株7万株を取得(役員の株式報酬に充てるため) |
| 2026年5月15日 | 自社株50万株・5億8,400万円を取得(発行済の1.9%) |
花岡「配当担当の花岡です。年間配当は15円、23円、28円と増えてきました。今期の予想は減益に合わせて25円です」
待伏「5月の自社株買いは、理由の欄が大事です。『資本効率の改善を通じた企業価値の向上及び株主還元の充実』。11月の7万株は役員報酬用でしたが、こちらは還元として買っています。名証の立会外取引で、1株1,168円でした」
日向「動いてるじゃないですか」
守田「動いてはいる。ただし5.84億円は、金融資産548億円の1%だ。そして同じ1年のあいだに、TBS株を5.78億円買い増している。株主に返した額と、持ち合いに足した額がほぼ同じ」
夜見「ガバナンス報告書には、政策保有株は『必要性が認められないものは縮減の方向で検討』とあります。金額の目標はありません。いまの中期経営計画は今期が最終年度で、ROEやPBRの数値目標も出ていません。次の中計が、資本政策の本気度を確かめる場になります」
守田「もう一つ。株価は2025年4月の566円から1年半で2.2倍になった。PBR0.41倍は、直近5年の上限0.42倍にほぼ届いている」
🔭 3年後を3通りで
夜見「1株あたり純資産にPBRを掛ける形で、3年後を3通り作りました。起点は3,135円。動かすのは保有株の値段、毎年の利益、市場が付けるPBRの3つです」
| ベア | ベース | ブル | |
|---|---|---|---|
| 保有株 | ▲30% | 横ばい | +20% |
| 純利益(年) | 10億円 | 16億円 | 20億円 |
| 3年後の1株純資産 | 2,910円 | 3,246円 | 3,464円 |
| PBR | 0.25倍 | 0.40倍 | 0.51倍 |
| 3年後の株価 | 728円 | 1,298円 | 1,767円 |
| 1,264円から(配当込み) | ▲38% | +9% | +47% |
日向「ベアのPBR0.25倍って、厳しすぎないっすか」
夜見「2025年3月末のPBRが0.25倍でした。1年半前に実際に付いていた値段です。2021年から2025年まで、期末はずっと0.24〜0.28倍でした」
河内「ベースは『何も起きない』場合で、自社株買いの継続は入れていません。純資産が内部留保で年1%強ずつ増える分だけ上がります」
沼田「確率を付けるとどうなる」
夜見「ベア30%・ベース50%・ブル20%なら、均した株価は1,221円、配当込みで+2%です。確率は当商会の主観なので、付け方しだいで変わります」
🎯 採点|B++。安いのに、なぜそこまでか
| 軸 | 点 | 根拠 |
|---|---|---|
| 🦦安さ | 2 | 修正PBR0.36倍。ただし中身は株と土地で、預金ではない |
| 🦉財務 | 3 | 借入金なし。自己資本比率78%。金融資産が時価総額に並ぶ |
| 🦫モート | 1 | 免許は堅いが放送の利益率は2%台。稼ぎの柱は賃貸 |
| 🐊触媒 | 2 | 配当性向の引き上げと自社株50万株。規模は小さく、買収の外圧は効かない |
| 🐝インカム | 1 | 利回り1.98%。今期は減配予想 |
| 🦞リスク | 1 | 名証単独。売買代金は1日約1,150万円 |
夜見「合計10点で確度は『中』。上値は、含み益込みの実質純資産3,552円に直近5年のPBR上限0.42倍を掛けた1,492円(+18%)。下値は52週安値の774円(▲39%)。上が下より小さいので幅は『小』。マトリクスではB++です」
日向「でも、修正PBR0.36倍っすよ。こんなに安いのにB++って、厳しすぎないっすか」
河内「私も同じことを思ったので、上値を甘いほうへ順に動かして確かめました」
| 上値の決め方 | 上値 | ランク |
|---|---|---|
| 実質純資産 × 直近5年の上限0.42倍(採用) | 1,492円 | B++ |
| 開示の純資産 × 2010年以降の上限0.51倍 | 1,582円 | B++ |
| 開示の純資産 × 放送8社の中央値0.60倍 | 1,877円 | B++ |
| 実質純資産 × 放送8社の中央値0.60倍 | 2,149円 | B++ |
河内「どう動かしてもB++のままでした。幅が『大』になるには上値が2,734円、実質純資産の77%まで評価される前提が要ります。放送8社のPBRは0.31〜1.04倍で、中央値は0.60倍です」
守田「同じ採点を1年半前の株価でやってみろ」
夜見「2025年3月末は株価が約666円。上値+104%に下値▲18%で、ランクはAになります」
守田「この1年半で1株純資産は16%増えた。株価は90%上がった。会社はほとんど変わっていない。変わったのは値段だ。安さの一部は、もう株価に取り込まれている」
夜見「逆向きにも計算してあります。上値と下値を固定すると、953円以下でA−、917円以下でAに切り替わります」
守田「それは採点表の計算であって、そこまで下がるという予想ではない。下げた理由がTBSや銀行株の値下がりなら、純資産も上値も一緒に下がる。そのときは引き直しだ」
沼田「B++の上限は純資産の2.5%。当商会の口座なら約110万円、800株ほどだ」
📋 まとめ
| 見るところ | 数字 |
|---|---|
| 値札 | 株価1,264円・時価総額334億円・PBR0.41倍・PER21.2倍 |
| 株 | 取得原価62億円 → 309億円(3月末)。TBS株は10/5時点で147億円 |
| 財布の財布 | TBSが持つ東京エレクトロン9,645億円のうち、間接的に153億円分。株価の47% |
| 賃貸不動産 | 簿価138億円 → 鑑定時価263億円。家賃の差額は年11億円 |
| 新栄の本社一帯 | 7,300㎡・簿価19.7億円 → 公示価格で35〜66億円(当商会の推定) |
| 修正PBR | 0.36倍(保守で0.37倍) |
| 稼ぎ | 不動産の営業利益は9期続けて8.7億〜11.5億円。放送は▲5.4億〜16.4億円 |
| 会社の動き | 配当性向の目安30%→40%(2025年5月)、自社株50万株・5.84億円(2026年5月) |
| 出口の制約 | 放送法で議決権は原則3分の1まで。TBS株は買い増し。今期は減益・減配予想 |
| 3年後 | ベア728円/ベース1,298円/ブル1,767円 |
| 当商会のランク | B++(上値1,492円・下値774円・確度10点)。953円以下でA− |
沼田より 「有報を13年分めくれば、土地と株の履歴は誰でも追える。分かったのは、この会社の資産が本物だということと、それを株主に返す動きがようやく始まったばかりだということだ。買収で値段が付かない会社の資産バリューは、いくらで買うかと会社がどこまで返すかで決まる。今日の値段ではB++。次の中計を見る」
📊 詳細分析レポート(完全版)
中部日本放送(9402)完全版レポート——現金と保有株の13年分の推移、賃貸不動産13期分の鑑定時価、物件ごとの簿価と公示価格の突き合わせ、NAVの3通りの積み上げ、セグメント利益9期分、会社の資本政策の年表、放送法の規制と大株主、3年後の3ケースの前提、6軸の採点と検算メモまで。
関連:東部ネットワーク(9036)/テレビ局は『オワコン』か?/テレビ東京HD(9413)/テーオーシー(8841)
免責事項:本記事は投資助言ではありません。特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株価・指標は2026年10月5日終値時点(株探の確定値)、貸借対照表と株数は2026年6月末(2027年3月期第1四半期決算短信)、有価証券・賃貸等不動産・設備・セグメントは有価証券報告書(2014年3月期〜2026年3月期の13期分)、配当方針と自己株式の取得は会社の適時開示、PBRレンジと大量保有はIRBANK、地価は2026年の地価公示・都道府県地価調査、広告費は電通「2025年 日本の広告費」、放送法の議決権保有上限は総務省の公表資料による。TBSの保有株はTBSホールディングスの有価証券報告書(2026年3月期)による。賃貸等不動産の注記以外の土地の時価、取得時期の読み、物件の対応づけ、東京エレクトロンの分割後株数への換算、3年後の3ケースとその確率は当商会の推定・試算で、将来の株価を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。








