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🧑‍💼 筆者

沼田課長
沼田課長
課長・プレイングマネージャー
野村信用を活用したバリュー株×TOB待ち伏せ戦略。TOBヒット20件超。【目標】4,308万円 → 2億円(2030年)

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テレビ局は『オワコン』か?——将来を悲観されすぎた放送株という箱|TBS・日本BS放送・テレビ東京・Jストリームは、着実なストック収益と膨らむ含み資産が株価に織り込まれていない【バリュー投資コラム】


🧑‍💼 「SaaS、建設、医療、と箱を開けてきた。今日の箱は——放送局だ。世間の値札には『テレビはオワコン』と大書してある。だが箱を開けてみろ。斜陽なのは”地上波広告”だけで、その裏で現金・不動産・株式の含み益は、むしろ膨らみ続けている。値札と中身が、これほどズレている箱も珍しい」


テーゼ|『オワコン』の一言で、含み資産ごと投げ売られている

夜見「整理します。放送セクターが安いのは事実で、理由もはっきりしている——地上波の広告収入が、視聴の配信シフトで長期縮小しているから。だから市場は『テレビ局=構造不況』と一括りに売る。ここまでは正しい」

沼田「問題は、その”一括り”だ。放送局という会社の中身は、実は『縮む地上波広告』と『縮まない別のもの』の二層構造になっている。別のものとは——①解約されにくいストック収益(BS課金・アニメIP・番組ライブラリ・B2B動画)②都心の不動産③政策保有株の巨額な含み益だ。広告が縮んでも、②③はむしろ地価と株高で膨らんでいる。なのに株価は”広告オワコン”だけを見て、資産の膨張を織り込んでいない」

日向(見習い)「広告が減ってる一方で、持ってる土地と株が値上がりしてる……なのに”テレビ局”ってだけで全部安い、と」

「そういうことだ。爆発的な成長はない。だが着実にストックで稼ぎ、手元資産が積み上がり、下値は資産が守る。これはうちの大好物——地味だが、値札と中身がズレた箱だ」


箱の中身|悲観されすぎた放送株4銘柄

河内「では箱を開けます。性格の違う4銘柄です」

銘柄性格資産・含み益の妙味うちの評価
テレビ東京HD(9413)アニメIP+現金の塊時価総額の68%が現金・有価証券・EV/EBITDA1.9倍で放送+ポケモン・NARUTOのIPがタダ・PBR0.90倍B+
日本BS放送(9414)BS課金のストック+TOB候補神田駿河台の一等地に含み益・実態BPS比▲49%・ビックカメラ61%で完全子会社化候補・配当3.3%B+
TBS HD(9401)放送+“資産管理会社”保有する東京エレクトロン株1銘柄(約1.09兆円)だけで時価総額(約1.0兆円)に達する・赤坂不動産と現金がタダ・PBR0.85倍・3年還元1,050億へ増額注目(下落で妙味)
Jストリーム(4308)B2B動画配信のストック型時価総額99億の約8割が現金(純現金78億)・EV/営業利益2.6倍・PBR0.82倍・配当4.0%・親トランスコスモス50.3%の親子上場解消が触媒注目(あり寄りのあり)

堀田「一つずつ、“縮まない中身”を見よう」

「テレビ東京——紹介記事のとおり、時価総額の3分の2が現金で、ポケモン・NARUTOなどのアニメIPが配信・課金で伸びている。“放送オワコン”で叩き売られた箱の中で、“伸びるIP”までタダになっている」

待伏「日本BS放送は私の領分です。BSの視聴課金という安定ストックに、神田駿河台の本社ビル含み益。そして親会社ビックカメラが61%を握る完全子会社化の候補——配当3.3%を受け取りながらTOBを待てる、典型的な待ち伏せ案件です」

「TBSは、放送局というより”東京エレクトロン株を抱えた投資会社に、テレビ局と赤坂の一等地が付いている”と言ったほうが実態に近い。保有する東京エレクトロン株15,112千株は、それ1銘柄で約1.09兆円=時価総額(約1.0兆円)とほぼ同額。放送も、赤坂サカス・Bizタワーの不動産も、実質タダでついてくる。BPS7,192円に対し株価6,136円=PBR0.85倍。しかも東証改革を受けて政策保有株の売却枠を1,350億円に拡大、3年の株主還元を1,050億円へ増額——“塩漬け資産→還元原資”の転換が既に始動しています。ただし資産の柱がTEL(半導体株)ゆえ、NAVはTELの株価に大きく振られる”動く床”である点は正直に。買収は放送法で不可なので、触媒は自助努力(資産流動化・還元)です」

「Jストリームは毛色が違います。地上波でもBSでもなく、企業向けの動画配信(B2B動画マーケティング支援)というストック型ビジネス。株価356円・時価総額99億円で、そのうち約78億円が現金=時価総額の約8割。現金を引いた事業価値(EV)はたった約21億円で、営業利益8.3億の配信事業をEV/営業利益2.6倍で買える。PBR0.82倍・配当4.0%。親会社トランス・コスモスが50.3%を握る”親子上場”の解消(完全子会社化TOB)が触媒です。ただしROE4.5%・成長は踊り場で、動くかは親次第——塩漬けリスクは正直に覚悟の枠」


会議机を囲む沼田と日向のところへ、テック番長と全世界坊主が割り込んできている場面
🦍 テック番長 + 🧘 全世界坊主 ——今日も、茶々を入れに来た

ライバル乱入|「テレビなんて、誰も観てないだろ!」

テック番長「箱を開けるとか言ってるけど、中身も結局テレビだろ!? 若者はもう観てねえ、広告も配信に全部流れる、斜陽産業の詰め合わせじゃねえか!」

沼田「番長、その通りだ。斜陽なのは”地上波広告”だ。だが、赤坂の土地は斜陽か? 政策保有株は斜陽か? アニメIPの海外課金は斜陽か? BSの視聴料は? ——違うだろう。お前は”広告”を見て斜陽と言い、うちは”その裏の資産とストック”を見て割安と言う。同じ会社の、別の部屋を見ているんだ」

レバナス小猿「ウキーッ! でも成長しねえんだろ? 地味に配当もらってるだけじゃん、退屈!」

花岡「小猿さん、“爆発的成長”は最初から狙ってません。狙うのは——配当をもらいながら、膨らんだ含み資産が株価に織り込まれる日を待つこと。日本BS放送なら配当3.3%、TBSも政策株を売れば特別還元の芽がある。“成長で取る”んじゃなく、“資産の再評価で取る”——退屈に見える横ばいの下で、含み益は静かに増えていくんです」

ドル建て鷹「フン……どれも円建ての内需メディアだ。為替の翼はない」

河内「鷹さん、放送は内需です。でもテレビ東京のアニメIPは海外課金で稼ぐ翼を持ってますし、TBSや各局が抱える政策保有株には、海外で稼ぐグローバル企業の株もたっぷり入ってます。“内需メディアの皮”の下に、海外の稼ぎが間接的に埋まっている——あなたの好きな翼、探せば箱の中にありますよ」

オルカン教祖「……斜陽産業をわざわざ拾うなど、逆張りの驕りです」

「教祖、“斜陽産業を拾う”のではありません。斜陽なのは事業の一部(地上波広告)で、うちが拾うのは”斜陽ではない資産と、それが安く付いてくる歪み”です。産業の看板ではなく、バランスシートを見る——それは逆張りじゃない、値札と中身の差を取るだけの話ですよ」

「……今日もライバルのツッコミが、全部そのまま論点になってるっすね。“テレビ観ない”=斜陽なのは広告だけ、“成長しない”=資産再評価で取る、“内需”=IPと政策株に海外の稼ぎ……」

「そう。『オワコン』という一言で思考を止めた瞬間に、この箱の妙味は見えなくなる。止めずに中を開けろ——それだけだ」


うちの持ち方|保有株数を公開する

「例によって、うちの手の内を晒す」

💡 沼底バリュー商会の放送株ポジション

・日本BS放送(9414):6,500株=この箱の主力。BS課金の安定+神田含み益+TOB候補+配当3.3%を、腰を据えて厚めに保有 ・テレビ東京HD(9413):200株=現金68%・アニメIPの資産バリューを打診サイズで保有中 ・TBS(9401):大きく下げれば買い=東京エレクトロン株1銘柄で時価総額に達する資産バリュー(PBR0.85倍)。還元増額は追い風だが、TEL株高の今はNAVも高め。TELが調整して割安度が増した局面で拾いにいく ・Jストリーム(4308):特に”あり寄りのあり”=時価総額の8割が現金・EV/営業利益2.6倍・配当4.0%、親子上場解消の触媒つき。小型ゆえ板は薄く、下落局面を指値で少しずつ集めたい

守田「リスク番として、正直な釘を刺す。この箱は”爆発しない”のが前提だ。地上波広告の縮小は本物で、資産の再評価がいつ来るかは読めない。だから——成長を当てにせず、下値を資産に守らせ、配当をもらって待てるサイズで持つ。日本BS放送を厚く、他は打診〜下落待ちにしているのは、そのメリハリだ。そして各社とも、政策保有株を抱える分株安局面ではNAVが目減りする点も忘れるな」

「その通り。下値が資産で堅く、待ち時間に配当が出て、含み資産が静かに膨らむ。爆発はしないが、負けにくい。——沼底バリュー商会は、この放送株の箱を、そういう距離感で持っていく」


会議机に集まって書類を見ている河内・夜見・守田・日向
沼底バリュー商会・全体会議 ——結論は、全員で出す

まとめ

「整理する」

論点結論
歪みの構造『テレビはオワコン』で箱ごと売り=斜陽なのは地上波広告だけ、資産・不動産・株式含み益は膨張
拾う基準着実なストック収益+手元資産・含み益が株価に未織り込み
4銘柄テレビ東京(現金68%・IPタダ)/日本BS放送(含み益+TOB候補・配当3.3%)/TBS(TEL株1銘柄で時価総額・PBR0.85・還元増額)/Jストリーム(現金8割・EV/営業利益2.6倍・配当4%・親子上場解消)
持ち方日本BS放送6,500株を主力・テレ東200株・TBS/Jストリームは下落で買い(Jストは特にあり寄り)
心構え爆発は狙わない。資産の再評価を、配当をもらって気長に待つ

💬 沼田課長より 「『オワコン』ほど、バリュー投資家にとって美味しい言葉はない。世間がその一言で思考を止め、含み資産ごと投げ売ってくれるからだ。放送株の箱を開ければ——縮むのは地上波広告だけで、赤坂の土地も、政策保有株も、アニメIPの海外課金も、BSの視聴料も、Jストリームの動画配信も、斜陽ではない。むしろ資産は膨らんでいる。それが株価に織り込まれていないなら、やることは一つだ。日本BS放送を主力に厚く、テレ東を打診で、TBSとJストリームは大きく下げたところを——配当をもらいながら、静かに集める。爆発はしない。だが、下値は資産が守り、時間は含み益の味方だ。斜陽の看板の裏で膨らむバランスシートを、うちは黙って拾っていく」


関連:テレビ東京HD(9413)紹介記事/日本BS放送(9414)紹介記事/SaaSは本当に死んだのか?(同型の箱売りの先例)/建設の箱売りコラム