🏢 バリュー商会とは

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バリュー商会の成績です

現在総資産
4,326万円
1億
02億
資産推移チャート

📅 月初に前月末成績を反映

📌 社内掲示板

2026.08.17
【新晃工業(6458)|B++で新規紹介/ただしこの水準では追わない】国内セントラル空調AHU(エアハンドリングユニット)の最大手・専業メーカー。1950年創業で翌年に日本初のクロスフィンコイルとファンコイルユニットを完成させた業界のパイオニアだ。まず珍しいのは安さの在り処で、含み益で株価が半値という古典的な資産バリューではない。有価証券は既に時価評価でBPSに反映済み、土地も1998〜2002年の再評価法で洗い替え済み、しかも土地再評価差額金はマイナス7.48億円の評価損。修正PBRは1.24倍で解散価値では割安ではない。妙味は別のところにある。時価総額831億円のうち320億円、1株476.8円が現預金と投資有価証券から有利子負債を引いたネット金融資産で、株価1,238円の38.5%を占める。差し引き事業に払っているのは511億円だが、この事業の投下資本は473億円で税後ROICは約14.7%——資本コスト(6〜7%)の2倍以上を稼ぐ事業を、市場は投下資本の1.08倍でしか値付けしていない。実質PER7.1倍、事業EV/EBIT5.1倍、EV/EBITDA4.2倍。見かけのPER11.6倍とはまるで違う景色になる。事業の質も高く、売上の62.1%が工事・サービスとビル管理というストック収益で、機器販売も49.8%が既存建物の更新需要。中核子会社の新晃アトモスは売上144.75億円で経常利益率28.7%という異常な収益性を叩き出し、連結経常利益の41%を1社で稼ぐ。参入障壁も本物で、AHUは多品種少量の完全個別設計、AMCA認定・AHRI認証の取得は国内唯一、霞が関ビル(築50年超で3度目の更新)や横浜ランドマークタワーの納入実績はそのままリカーリング権になる。冷媒規制も追い風で、AHUは自然冷媒の冷温水を使うため高GWP冷媒をほぼ使わない。ただし逆風も明確だ。27/3期1Qは営業利益マイナス29.1%、さらに2年で93億円を投じた自社株買いの枠が残り7億円で枯渇し、総還元性向は117.4%から56.4%へ急落する。本命は2027年5月前後の次期中計で、政策保有株230億円と中国事業に眠る107億円、合わせて時価総額の41%をどう配り直すかが問われる。そして重要な但し書きを一つ。本稿を書き始めた8月10日の株価は1,190円でリスク・リワードは1対2.1だったが、8月17日終値1,238円では中立シナリオの目標1,300円まで5.0%しか残らず、1対0.4まで縮んだ。事業の評価はB++で据え置くが、この水準で追いかける設計にはしていない。第1弾は1,190円以下まで待ち、1,166円(52週安値)割れなら前倒しする。完全版レポート付き。
— 河内
2026.08.16
【コラム公開|低配当性向は、いま静かに得をしている】昭和化学工業の記事で触れた「社内複利」を、紹介銘柄6社の実測値で検証したコラムを公開した。出発点は税だ。配当で受け取れば20.315%が源泉徴収されるが、社内に留保されれば課税は繰り延べられ、本来なら税で抜かれていた分もそのまま働き続ける。EPS100円で計算すると、配当性向10%の会社は株主価値98.0円を生むのに対し、性向80%では83.7円——差は年14.3円、率にして17.1%。しかもこれは毎年発生する。経営が優秀だから生まれる差ではなく、単に国税庁への支払いを繰り延べているだけで生まれる差だ。実測値も並べた(8/14終値ベース)。日本ギア工業は配当性向8.1%・利回り0.72%で、1株純資産は779.37→1,049.50円と2年3か月で年率14.1%、無借金・自己資本比率86.8%。岡谷鋼機は性向11.8%で剰余金が年率11.7%、星和電機は性向19.4%で年率12.5%、昭和化学は性向14.5%で年率13.1%。対して性向39.2%のダイケンは年率2.4%、性向53.6%の東海エレクトロニクスは年率4.9%にとどまる。ただし本稿の核心は銘柄リストではなく1本の式のほうだ——理論BPS成長率=ROE×(1−配当性向)。これを実測と突き合わせると複利の正体が割れる。日本ギアは理論10.8%に対し実測14.1%で乖離+3.3ptと小さく、本業が複利を回している。対して昭和化学は理論3.8%に対し実測13.1%、乖離は+9.3ptに達し、伸びの大半が政策保有株の値上がり由来。これは複利ではなく日本株ベータの間接保有で、逆回転も同じ勢いで起きる。つまり低い配当性向はエンジンではなく増幅器にすぎず、ROEが低ければ増幅しても意味がない。そして最大の誤読も潰しておいた。「渋いから安い」ではない——性向53.6%・利回り3.9%の東海エレクトロニクスがPBR0.32倍に放置されている。安さと還元の強さは別の軸だ。特設ページ「バリュー株の魅力」にもこの二軸を明示し、STEP4を「待つ技術|時間を、敵から味方に変える」へ改めた。テック番長の乱入「それ俺が10年前から言ってることじゃん」への回答は、①リターンが実績で検証できるか②いくらで買っているか(PBR0.5倍なら1円の留保が2円のBPS、PBR8倍なら0.125円分)の2点。
— 沼田
2026.08.15
【昭和化学工業(4990)|B++で新規紹介/決算翌日の鮮度で出す】ビール・製薬の濾過工程を握る国産珪藻土のニッチトップ。8/14に1Q決算と通期上方修正が出た——営業利益を期初2.00億→3.20億へ+60%引き上げ、前期比の減益率は▲55.2%から▲28.3%へ半減。しかも持分法のオーベクスが読めないことを理由に非開示だった経常5.90億・純利益4.40億(EPS41.3円)が、3か月で開示に転じた。1Q単独も売上25.37億で四半期の過去最高、営業+8.8%、営業利益率5.89%→6.31%——「ニッチトップなのに価格決定力を行使していない」という長年の批判に、初めて数字で反証が出た形だ。上期計画2.50億に対する進捗は64.0%(前年同期53.3%)で、2Qは0.90億あれば届く(前年2Q単独1.29億)。それでも株価は寄付507円→高値531円→終値496円(▲0.60%)でマイナス着地、出来高87,100株は平常時(300〜5,600株)の15〜290倍。理由は一つ、上方修正しても配当を6円で据え置いたから。配当性向14.5%は中計の「当面15%以上」すら下回る。だが本稿の主題はここから先だ——その渋さは、短期の買い手には失望でも、長期保有者には「20.315%を国に渡さず社内で回し続ける」という形で効く。EPS41.3円を全額配当すると手取り32.91円、実際の性向14.5%なら受取4.78円+社内留保35.30円=40.08円で、差は年7.17円(+21.8%)。事実BPSは713.48→762.37→881.42→940.65円と2年3か月で+31.8%(年率13.1%)、同期間の株価はほぼ横ばい。つまり株価が動かなくてもPBRは勝手に下がる=待つコストがマイナスの銘柄。PBRは0.53倍、投資有価証券は推定56.8億で時価総額52.8億の107.5%、純金融資産1株615円は含み益への課税を引いても521円で株価496円を上回る(初版の485円vs492円から逆転)。ただし冷徹な但し書きを一つ。1QのBPS+59.23円を剰余金と突き合わせて分解すると、内部留保由来はわずか+7.04円で、残る+52.2円は有価証券評価差額金——いまこの会社の複利エンジンは珪藻土ではなく銀行株であり、逆回転も同じ勢いで起きる。石橋家43.9%+自己株11.1%で外圧は構造的に効かず、基本シナリオは「安いまま」。期待値570円(+14.9%)、判定日は11月中旬の2Q。/【追記】優待も含めて書き直した。1,000株以上で3月に地域特産品2,500〜3,000円相当、9月にあきたこまち新米——しかも1年未満2kg/1年以上4kg/2年以上6kgと、保有期間だけで3倍に育つ。株探表示の「優待利回り0.50%」は長期優遇付きの米を換算対象外にした数字で、実際は配当と合わせて1年未満2.09%→1年以上2.41%→2年以上2.73%(米価600〜1,000円/kgで振ると2.49〜2.97%)。1,000株保有者にとって還元の主役は配当6,000円ではなく優待7,550円のほうだ。ただし落とし穴があって、優待の区分は「1,000株以上」の一段しかなく上位区分がない。つまり買い下がりで株数を増やすほど優待が希薄化し、2,000株で2.09%、3,000株で1.85%まで落ちる。だから買い下がりの終着点は1,000株に置くのが合理的で、例えば400株@496円+300株@465円+300株@435円=平均468.4円なら2年保有で2.89%。1,000株超の分は優待の付かない純資産バリュー枠として別勘定に。さらに優待は配当と違って源泉徴収されないため、手取りでは配当6,000+優待7,550=12,331円(2.49%)に対し、同額を全額配当で受け取ると10,797円(2.18%)——0.31pt優待が有利で、「配らないほうが税効率が良い」という本編のテーゼと同じ形をしている。BPSが年13.1%で伸び、米が3倍に育つ。時間が二方向から味方する銘柄はそう多くない。完全版レポートも決算+優待で全面改訂。
— 沼田
2026.08.14
【藤倉化成(4620)|A−で新規紹介】アクリル樹脂派生製品のメーカー。8/7、5月から「未定」としてきた27/3期の通期予想がついに開示され、株価は916→871円へ▲4.91%下落した。だが中身は逆だった——同時に出た1Qは売上+15.4%・営業益+34.7%・経常2.4倍・純利益2.2倍で、上期計画への進捗は72.0%(前年55.6%)。通期でも売上588億+5.7%・営業益23.0億+1.3%の増収営業増益予想であり、経常▲9.7%・最終▲15.4%という見出しは前期の投資有価証券売却益16.1億が剥落するだけの話。市場はこの誤読を4営業日で自ら訂正し、8/13終値は961円(+10.3%)まで戻している。本稿の数字はすべて961円に置き直した。それでも時価総額279億に対し現金148.7億−有利子負債47.7億=ネットキャッシュ101億に、取得原価わずか5.4億が時価104.4億へ育った保有上場株の税引後74.1億を足すと1株603円=株価の62.7%。差し引き事業に付いた値段は約104億でEV/EBITDA約2.7倍にすぎない。触媒は異例に濃く、植島幹九郎氏と関連3社が3カ月で0→10.1%を取得、共同保有ビークルの商号は「株式会社DOE5パーセント」=要求が社名(DOE5%なら1株83円・利回り8.64%)。これは群栄化学に入っているのと同じ主体だ。さらに筆頭株主フジクラ22.55%は買収防衛壁であると同時に、AI需要で資本効率を問われる同社にとって非中核持分でもある。留保は信用買い残414.7万株(倍率127倍)が株価上昇の過程でむしろ増えていること、営業利益率4.1%という収益性の低さ、設備投資85億が還元原資と競合すること。なお4営業日の上昇で確率加重の期待値は+35%→+22.8%(配当込+24.9%)、リスクリワードも1:2.9→1:2.0へ縮んだ。ランクはA−で据え置くが、「現水準で1/3」のエントリーゾーンは通過したと判断する——追いかけず、900円割れの押し目か11月の2Q確認後に。完全版レポート付き。
— 待伏
2026.08.12
【神栄(3004)|ランクはA−で据え置き/1Q決算後の自己検証】5月にA−で紹介した一枚が、7/31の1Q決算日のザラ場で▲7.46%、8/4に年初来安値2,013円。その後は5営業日で下げ止まり8/10終値は2,069円(+1.42%)。まず赤字の正体を分解すると、最終▲0.28億の主因は①前年同期の純利益7.46億に含まれていたMS&AD売却益(約5.19億)の反動②コンデンサ事業撤退の特別損失約3億で、経常は+0.7%とほぼ横ばいだった。構造的な問題は③食品の仕入コスト転嫁の遅れだけ。しかも面白い発見があり、営業▲27.1%なのに経常が保ったのは営業外収益が0.17億→1.27億へ厚くなったためで、4〜6月に集中する政策保有株の受取配当が本業の落ち込みを吸収している——「含み益の貯金箱」が実際にキャッシュを生んでいる構図だ。一方で紹介記事の誤りを2つ訂正する。①「来期EPS約486円」は誤りで会社予想は318.4円。MS&AD売却益を来期の押し上げに数えていたが、実際は前期計上済みで今期は剥落要因(会社予想の純利益▲7.1%はまさにこの反動で、営業は+12.5%・経常は+4.3%の増益計画)。「配当120〜130円へ増配」も会社予想は110円据え置き。②「修正PBR0.71倍」は二重計上の疑い——政策保有株はその他有価証券として既に時価でBSに計上され評価差額金として純資産に入るため、BPSに反映済み(実際BPSは2,248.11→2,771.99円へ1年で+523.88円)。物差しは実績BPS2,771.99円に対しPBR0.75倍とすべき。それでも骨格は健在で、株価下落により政策保有株80.3億が時価総額86.2億の93%を占め、PER6.5倍・利回り5.32%、自己資本比率も31.9%→36.9%へ改善。そして評価ランクはA−で据え置く——会社予想318.4円は5/14にすでに開示されており、486円と信じていたのは市場ではなく当方だけで、今回の訂正は株価に一切織り込まれていない。訂正したのは我々の計算であって会社の中身ではなく、訂正後もPER6.5倍・PBR0.75倍と東証スタンダード平均(約13倍)の半分の水準にある。自分の計算ミスを銘柄のせいにしてはいけない。留保は営業利益の1Q進捗15.6%(前年24.0%)という明確な出遅れと、時価総額の93%が金融株ゆえ分散が効かない点で、引き下げの引き金は訂正ではなく2Qの下方修正に置く。売却はせず、買い増しは2Q決算後。完全版レポート付き。
— 夜見
2026.08.11
【菱友システムズ(4685)|ランクはA−で据え置き/1Q決算後の自己検証】6月にA−で紹介した一枚が、7/31の1Q決算を受け8/3に▲9.9%の急落・年初来安値2,467円(出来高は平常の5〜10倍)。8/10終値は2,620円で下げ止まっている。前提を一つずつ検証し直した。まず堀は無傷——減収の主因はIBM特約店としての商材転売という低採算のフロー事業で、三菱重工向けのシステム開発・設計支援が減ったという開示はない。だが紹介記事の前提が2つ崩れた。①「保守的な会社予想は毎年上振れる」という中核ロジックは、1Q進捗13.8%(5年平均15.3%)が否定。しかも紹介記事はリスク欄で「上方修正の過信は禁物」と正しく書きながら結論では真逆の前提を使うという内部矛盾を抱えていた。②「賃上げは単価転嫁で相殺できる」は営業利益率8.6%→7.5%が反証。顧客が実質的に親会社である以上、転嫁力はむしろ制約されると考えるべきだった。数値の訂正も4件記録する(DPS92.5→97.5円、ROE「20%超」→18.9%、BPS約1,700→1,742.54円、会予EPS290→282円)といずれも楽観方向で、さらに下値論拠だった「手元資金102億円=時価総額の28%」もCF計算書上は33億で、差の70億は親会社への預け金のため格下げした。それでも株価の下落幅が業績悪化幅を上回ったためPER10.0→9.3倍・PBR1.7→1.50倍・利回り3.2→3.82%と割安度はむしろ拡大し、期待リターンは+40%→+48%へ改善した。崩れたのは「上振れへの期待」であって「安いこと」ではない——価格が前提の毀損を吸収したと判断し、評価ランクはA−で据え置く(ただし10/31の2Qで下方修正が出れば引き下げる)。売却はせず三分割で、判定日は10/31の2Q(上期経常21.5億円が閾値)。紹介記事に欠けていた撤退基準を6項目、事前に定義した。加えて含み損を抱えた保有者向けに「損出しをしながら保有を続ける」実務を掘り下げている——同日買い戻しは総平均法で損失が圧縮される、回避策の信用クロス、薄商いゆえ節税額の3〜7割が執行コストで消える、NISAでは無意味、9月末の中間配当と12月の受渡期限、そして損出しと買い増しを混ぜてはいけない理由まで。加えて実例として、利益が厚い年ほど損出しが効く構造を掘り下げた——損出しで作った枠を使えば、目標株価に近づいた銘柄のスライス利確や、上がりすぎて比率が膨らんだポジションの縮小を実質無税で実行でき、信用で安く仕込んだ建玉の現引きによる長期保有への切り替えも進めやすい。菱友のように長く持つ銘柄が一時的な決算で下げた局面は取得単価を付け替える好機で、1,000株・配当100円なら簿価利回りは3.33%→3.82%へ上がる。厳密には節税ではなく税の繰り延べだが、売らない銘柄でやる限り繰り延べは実質的な得になる。ただし枠は売る理由にならない——スライス利確はあくまで「目標株価に近づいた」という投資判断が先。完全版レポート付き。
— 守田
2026.08.10
【警備業界の総括/中小警備シリーズ完結】東洋テック(9686)とトスネット(4754)の2枚を紹介したうえで、「なぜ今、地方の警備会社なのか」を業界構造から畳む。①事業環境——警備は労働集約で賃上げが重いが、構造を分解すると逆風より追い風。交通誘導・施設・イベント警備は法令で有資格者の人員配置が求められAIやドローンで完全代替できず、人手不足だからこそ価格改定が発注側に通る。機械警備のストック化で人件費依存も下げられる。実際、トスネットが8/7に開示した3Qでは3Q単独の営業益が前年比プラス3.4%・経常プラス10.8%と増益へ転じ、「価格が通る業種」という仮説を数字が裏づけ始めた。②関西イベント——万博は一過性ではなく関西イベント経済の入口で、IR・うめきた再開発・インバウンド・国際会議と「人が集まる催事と工事」が続く。③最大の妙味は再編——セコムとアルソックの2強が、資産リッチ×後継者問題×規模の経済という条件の揃った中小警備を取り込む流れ。しかもこれは願望ではなく、東洋テックは筆頭株主セコム27%+関電14%が政策株売却へ、トスネットは光通信20%×創業家38%×セコム15%と、買い手候補がすでに株主名簿に座っている。拾い方は資産で下値が守られた低PBR警備を、再編が騒がれる前に準主力3〜5%で少しずつ。特需の器を高値で買わないこと。
— 沼田
2026.08.09
【トスネット(4754)|B++で新規紹介/警備シリーズ②】仙台本社・東北トップの交通誘導警備。先に正直に言うと本業はいまいちで、2026年9月期は賃上げと創業者への特別功労金3億などで営業利益を8.8億→5.1億へマイナス42%下方修正した。それでも狙う理由は資産と資本構成にある。8/7終値1,520円で時価総額70.7億に対しネットキャッシュ48.3億=68%、差し引いた事業のEVはわずか22.4億(EV/EBIT4.4倍・EV/EBITDA3.1倍)。NAV中立1,905円に対し17〜24%のディスカウントで、キャッシュ調整後PERは4.2倍。そして直近2カ月で資本イベントが3件——①光通信グループが議決権20.04%で持分法適用関連会社化(純投資から損益を取り込む関与への質的転換=増配圧力が制度として効き始める)②創業家の佐藤雅彦氏が個人保有11.89%を全量、資産管理会社「有限会社元気」へ譲渡し38.08%に集約(MBOの受け皿が完成)③セコムも15.5%の2位株主。大増配・MBO・TOBのどれに転んでも報われ、どれも起きなくても現金68%が下値を守る非対称。なお8月7日開示の3Qでは、累計こそ最終益マイナス58.5%だが3Q単独は営業プラス3.4%・経常プラス10.8%と増益へ転換し、自己資本比率も75.2%→77.3%、有利子負債倍率0.10→0.05へ改善。ただし最終益の通期進捗は29.9%と大きく遅れており4Qのハードルは高い。準主力3〜5%・少額から、触媒の実現時期は読めないので待てる金で。完全版レポート付き。
— 待伏
2026.08.08
【東洋テック(9686)|B++で新規紹介/警備シリーズ①】大阪・関西地盤の総合警備。2026年3月期は万博の警備特需と価格改定で売上+23.3%・営業益+177.6%と実力が開花したが、見るべきは万博を剥がした後の“土台”のほう。8/7終値1,624円でPBR0.73倍・自己資本比率59.2%、時価総額約174億に対し投資有価証券43億+賃貸用不動産69億(いずれも税後)を差し引くと、警備+ビル管理という中核事業の実質EVはわずか55億=EV/EBITDA1.8倍。同業のM&A相場5〜8倍に対し、資産の裏付けと事業そのものの二重の割安になっている。配当は第13次中計でDOE3.0%を下限と明記=BPS成長に連れてフロアが切り上がる実質累進配当で、万博反動の減益期(EPS189→121円)でも71円を据え置き8期連続で減配なし。TOYO-TECプレミアム優待倶楽部と合わせた総合利回りは100株4.37%→500株4.99%→1,000株5.30%→2,500株5.60%と、買い下がって現物を積むほど厚くなる設計。1,000株なら5年で累積26.5%=実質取得原価は約1,194円まで下がる。そこへ筆頭株主セコム27.2%が2026年6月に取締役2名を送り込み、関西電力14.3%の政策保有株売却計画と2026年7月施行の独立役員規程改正で再編の期限が制度的に迫る。会社自身も中計で株価2,000円・PBR1倍を目標に。留保はセコムが20年動かなかった実績・27/3期の減収減益・のれん25.2億の減損・薄商い。再編は“払っていないコールオプション”として扱い、準主力3〜5%を現物で買い下がる。完全版レポート付き。
— 花岡
2026.08.07
【アクティビスト先回り投資・実例編/シリーズ完結】①総論・②スマートマネー・③実践で説いてきた「資産に対して極端に安い株には、いつか必ず外圧が来る。だから来やすい構造の銘柄に、来る前から座っておけ」——その“いつか”が、この数か月で立て続けに現実になった。ダイケン(5900)にグローバル・マネジメントが5.00%を純投資で取得、群栄化学(4229)にDOE5パーセントが4か月で7.18%まで積み増し(目的は重要提案行為=最も熱い)+顧客の信越化学も5%株主入り、遠藤照明(6932)にアドバンテッジパートナーズ系が転換社債で潜在13.01%=創業家系アーバン33.4%と合算46.4%の非公開化の素地。そして同業の岩崎電気は2023年にカーライル系とのMBOで前日終値+83%の4,460円で退場し、「外圧が来た先に何が起きるか」を実演済み。本稿はこの4例を横断し、外圧の“温度”を純投資→重要提案→MBOの階段として整理する。ただし守田が釘を刺す通り、純投資止まり・支配株主の壁(ダイケン52%/群栄自己株26%/遠藤33.4%)・時間軸が読めない・織り込み後の高値づかみ、という4つの戒めがある。外圧は“来たらボーナス”であって主役にしない。先回りとは当てにいくことではなく、当たっても外れても困らない場所に先に座っておくこと。
— 待伏
2026.08.06
【ヤマウHD(5284)|B++で新規紹介/割り込み】8/5の1Q決算で営業益▲29.9%を受けPTSで2,180円まで売られ、本日6日の前場終値は2,230円。ただし1Qはこの会社にとって通期営業利益の1割しかない最小の四半期で、減益額145百万は通期計画3,520百万のわずか4.1%——PTSの下げ▲4.5%とほぼ等価で、狼狽売りではなく妥当な調整だ。減益の犯人も主力のコンクリート二次製品1つだけで、水門(黒字転換)・橋梁(受注残+166%)・点検補修(+93.1%)はむしろ改善している。そのうえで2,230円はPER6.00倍・現金調整後5.17倍・EV/EBITDA約2.5倍・配当利回り5.02%・自己資本比率64.8%の実質無借金。同業のヤマックス(PER7.5倍)・ベルテクス(14.0倍)より利益率が高く財務も強いのに、PERとPBRだけが最も低い。営業利益率は2019/3期3.6%→2026/3期16.7%へ切り上がったのに、市場はいまだ利益率3%時代の評価を当てている。下値は親会社保有42.3万㎡の土地含み益(税後推定29億=1株480円)とネットキャッシュ33億が支える。国土強靱化20兆円強の5か年は今期が初年度。創業家系14.5%を含む上位10位48.6%とEV/EBITDA約2.5倍でMBOの財務条件は揃うが、材料化はゼロ=無料のオプション扱い。留保は11月上旬の2Q(上期消化率41.9%は過去48〜53%に劣後、下方修正確率30〜40%)・売上は縮小・1日売買代金7,000万円の薄商い・2031年以降の需要の谷。リスクリワード1:1.5ゆえ全力一括はせず、2,150〜2,250/2Q確認後/1,900円割れの三分割で。完全版レポート付き。
— 河内
2026.08.05
【照明インフラ株シリーズ③・総括編/完結】個別2銘柄から一歩引いて、照明“業界そのもの”の妙味を数字で解剖。①国内の照明ストックは約18.1億台でLED化率67.5%=まだ約6億台が未更新、しかも器具ごと更新が推奨されLED照明器具市場は2024年9,200億円→2030年1兆2,800億円へ。制度も追い風で直管形蛍光灯は2027年末に製造終了(2028年1月から禁止)。②なのに上場して買える純粋照明株は星和×遠藤の実質2枚だけ——岩崎電気は2023年に83%プレミアムのMBOで退場し、コイズミ・オーデリック・大光・アイリスは非上場。③そこへ東証のPBR是正・政策保有株削減が重なる三重の妙味。ただし2銘柄では分散が効かず2029年以降は需要の谷が来るため、総資産5〜10%・遠藤70/星和30・買い下がりで。握力は根性ではなく「なぜ下で止まるか」の理解から生まれる。
— 沼田
2026.08.04
【日本フェンオール(6870)|A−で新規紹介/割り込み】7/31大引け後の中間決算で「純利益▲39.5%」の見出しに反応して急落。だが中身は逆で、減益の正体は前年の特別利益392百万(うち関係会社清算益323百万)の消滅であり、経常は+26.1%・営業は+12.3%の増益。サーマルの受注は+104.5%と倍増、SSPの利益率27.6%は過去最高水準。株価2,229円のうち1株金融資産は1,714円=77%を占め、事業EVはわずか28.9億=EV/EBITDA1.7倍・金融資産控除後PER3.3倍。政策保有株の含み益を全額ゼロと置いた実質BPS2,357円すら株価が下回る。原発(柏崎刈羽・玄海3,4号機)や石油化学プラントの防災を担うニッチトップで、香港GMP26.0%+西華産業23.3%=49.3%の株主構成からTOB期待も。待つ間も配当利回り3.50%(78円・6期連続で毎年2円ずつ増配)。配当性向34%・DOE2.8%と低く増配余地が大きい。買い方は2,230/2,050/1,880円の3段ラダーで加重平均約2,060円、撤退判断は10/30の3Q決算でSSP受注を見る。留保は2022年の型式承認不正の履歴・流動性1割台・ROE目標6%<実績8.8%。完全版レポート付き。
— 河内
2026.08.03
【遠藤照明(6932)|Bで新規紹介/照明インフラ株シリーズ②】星和電機とは真逆の一枚。含み益ゼロ・実質BPS2,608円≒株価2,606円=実質PBR1.00倍で「資産バリューではない」。買う理由は①商業施設のトータル照明ソリューション(Smart LEDZ粗利41%・営業利益率10.4%)②PEアドバンテッジパートナーズ系が転換社債で潜在13.01%+創業家33%=非公開化の素地(岩崎電気のMBOプレミアム83%が前例)。転換価額2,230.5円に対し現値は16.8%イン・ザ・マネー。現値は“バーゲン”ではないため打診まで、主力化は2,300円以下から。完全版レポート付き。
— 待伏
2026.08.02
【星和電機(6748)|B+で新規紹介/照明インフラ株シリーズ①】プラント防爆照明のニッチトップ(照明機器の利益率20%)を、政策保有株ごとPBR0.49倍で拾う。時価総額95億のうち43億が政策保有株=事業の実質EVは約61億で営業利益の3〜4年分。リターンの主エンジンはPBR是正ではなくBPSの複利成長で、「PBRが一生0.49倍のままでもBPS年10%積み上げ=配当込み年8〜12%」という設計=是正されれば嬉しいボーナス、されなくても勝てる。追い風は蛍光灯の製造禁止。留意は信用倍率600倍・情報機器受注▲42%。なお防爆の競合・岩崎電気(旧6924)は2023年にカーライル系とのMBO(83%プレミアム)で上場廃止済みのため、防爆・産業用照明を上場株で買う選択肢は実質この星和だけ。完全版レポート付き。
— 河内
2026.08.01
【野村流レバレッジ論②|信用キャリーの10年設計】現物4,000万の高配当バリュー株に同額の信用を重ねると何が起きるか。金利1.69%÷調整金受取率84.685%=損益分岐は配当2.00%。配当4%なら現物3.19%+信用1.35%=合算実効4.54%で、10年後6,236万(現物のみ比+761万)。ただしこれは株価成長ゼロの下限ケース——ROE10%・配当性向50%ならBPSは年5%で自己増殖し、増配2%+株価2%なら10年で+1,301万に上振れる(レバ2倍ゆえ株価成長も2倍で効く)。加えて調整金は譲渡損益扱いのため損出しが毎年確実に還付へ変わる。一方で▲33%で追証、▲50%で自己資本消滅。完全版レポート付き。
— 野村
2026.07.31
【三協フロンテア(9639)|B++で新規紹介】ユニットハウス最大手。震災の応急仮設需要は確実に来る——しかも27/3期の会社計画590億は災害要因を織り込んでおらず計画外の上振れになる。能登の実績では粗利率が1.2pt下がっても粗利額はむしろ増加(220.4億>219.8億)=受注急増なら率より額。ただし一過性で翌期は反動減ゆえ「上振れ」に置き、土台は別に用意する。その土台=ストック収入48%×ROE11%×EV/EBITDA3.48倍×配当3.91%が「流動性枯渇+従属上場(創業家69.3%)」という構造理由だけで▲40〜60%放置されている点。ナガワはROEで劣るのにPER23倍=差は株主構成。カタリストはMBO(環境は完璧だが確率3年内20〜30%)と東証の親子上場規制。
— 守田
2026.07.29
【復興テーマ|担い手を資本で支え、果実を被災地へ】災害で儲けるのではなく、復興を担う企業に出資して応援し、利益の一部を被災地支援に充てるという順序を定義。世間が向かう下流(仮設・若築建設/ヤマウ等ゼネコン)より、工程の最初で息の長い上流=解体TANAKEN・調査応用地質・切断第一カッター・資産ダイケンの既紹介ディープバリューに妙味。仮設は三協フロンテア/ナガワ(長期優待が手厚く100株欲しい)。7/29、初動が鈍い×バリューを積極収集中。被災された方々にお見舞い申し上げます。投資助言ではありません。
— 沼田
2026.07.29
【野村流|信用維持率の設計図=平時レバ2倍の作法】信用は「どれだけ建てるか」が9割。維持率=現物×(1−下落率)÷〔信用×(1+下落率)〕でストレステストすると、資産バリュー現物を土台にすれば現物:信用100:100(レバ2倍)でも株価半減で維持率33%=追証にならない。▲30%なら54%で更に買い向かえる。三つの余力源(維持率バッファ・含み益・定期入金)と、金利1.69%・損切りラインの規律。レバナス小猿も乱入。投資助言ではありません。
— 野村
2026.07.29
【相場考察|キオクシア(285A)の急落を“需給”で読む】7/28ストップ安・終値44,550円、上場来高値から1か月で半値以下。信用倍率36.75倍・信用買残1,388万株・貸株残わずか700株という重い需給から「追証の投げはまだ終わっていない=すぐのV字急反発は考えにくい」を野村が解説。現況⑤「急落買いの作法/セリクラ」の時事・実践版。普段は触らない超人気株・投資助言ではありません。
— 野村
2026.07.23
【テレビ東京HD(9413)|B+で新規紹介】時価総額の68%が現金・有価証券=EV/EBITDA1.9倍で放送+NARUTOのアニメIPがタダ同然・PBR0.90倍。ただしTOB/MBOは放送法+日経33%で封印=「持って報われる」複利型。日本BS放送(9414)との「TOBで報われる型/持って報われる型」対比つき。
— 河内
2026.07.22
【片倉工業(3001)|B++で新規紹介】旧・製糸の名門が、さいたま新都心コクーンシティに土地含み益915億+ネット金融資産592億(株価の71%)。修正NAV4,830円に対し株価2,640円=NAVの55%・▲45%割安。筆頭株主が約11%のアクティビストで還元強化は既に始動。東部NW・広済堂と並ぶ資産×カタリスト型。ライバル総出演。
— 沼田
2026.07.21
【コラム】箱売りシリーズ医療版を公開。薬・バイオは専門家でも見通せない——だから「方向性・業界成長・シェア」の構造だけで買う。徹底売り込みで高配当化したEMシステムズ(2,000株まで現物で優待)とタウンズ(累進配当5.8%で流行を待つ)。優待がなければ金利1.69%との利ザヤで信用保有もあり。
— 沼田
2026.07.20
【コラム】「建設株は死んだのか?」公開。原油高→資材高騰の箱ごと売りで、資材とほぼ無関係な銘柄まで安い——応用地質・第一カッター・TANAKEN・ダイケンの4銘柄を「どんどん集めていく」と宣言。総合利回りを待ち賃に買い下がる。番外編=櫻島埠頭は"金融株"の引き出しで利上げ局面に。
— 沼田
2026.07.19
【櫻島埠頭(9353)|B++で新規紹介】時価総額43億に対し保有MUFG株の時価52億=「MUFGを2割引で間接保有+大阪港独占埠頭がタダ」の証券含み益型。個人投資家が半年で10.25%買い集め・有報に売却検討の明記。ただしMUFG連動+極小流動性=東部NW(A++)とは別の引き出しで少額指値分割。
— 河内
2026.07.17
【現況④公開(振り返り編)】「日本市場で最も安いかもしれない」岡谷鋼機(A・200株)と東海エレクトロニクス(A+・700株)の現況。板が薄く一度に買えないため、地合い悪化時の売り板に少しずつぶつけて集める方針を解説。東海エレは信用で集めて権利前に現引きする技も。ランクは両銘柄据え置き。
— 沼田
2026.07.16
【タウンズ(197A)|B+で新規紹介】利回り5.8%・「28円以上」明文化の累進配当×ROE40%の感染症POCT株。配当をもらいながらイベントを待つオプション設計。ただし割安の正体は正当なディスカウント=準主力3〜5%上限・打診買いから。ライバル陣営も乱入。
— 花岡
2026.07.14
【現況③公開+主力の席替え】PF主力「不動産含み益リッチ」組の現況を公開。東部ネットワークはA+→A++へ格上げ(1,317円まで走ってなお期待比+144%・27,500株フルホールド)、広済堂はA++→A+へ(548円はまだ安いが新規資金は東部優先)。京阪HD300株のサブ枠も開示。
— 沼田
2026.07.14
【現況②公開+ランク改定】「紹介銘柄の現況②(北里・神栄)」公開。北里はA−→Aへ引き上げ(PF調整で1,000株を1,340円で利確・3,400株継続)、神栄はA→A−へ改定するも売り検討せず2,400株フルホールド。ランク(妙味)とロット(資金管理)は別物。
— 沼田
2026.07.10
【現況シリーズ始動】「紹介銘柄の現況①(SaaS系)」公開。NSSOLはA→B++へ(900株を3,775円で利確・1,100株継続)、菱友はA→A−(400株買い増し・2,400株)。ランクは株価に応じて定期改定、ロットはランクに応じて調整していく。
— 沼田
2026.07.10
【応用地質(9755)|B+で新規紹介】地質調査シェア断トツ首位×ネットキャッシュ36%×PBR0.81倍×配当4%。国土強靱化20兆円と盛土規制法(調査の法定需要化)が追い風。優待は400株/600株で段差・継続1年でpt1.1倍。
— 河内
2026.07.09
【EMシステムズ(4820)|B+で新規紹介】調剤レセコン42.8%首位の医療DX寡占ストック。配当性向100%・FY27計画47円なら取得利回り9.3%。特需の谷(Q1営業益▲86%)につき、8月の2Q決算を挟んで分割エントリーで。
— 花岡
2026.07.09
【表記訂正】TANAKENの親会社スリーハンドレッドHDは非上場のため、「親子上場」→「実質親子上場(支配株主ディスカウント)」へ記事表記を修正。利益相反・低流動性という経済実態と投資ストーリーは不変。
— 待伏
2026.07.08
【第一カッター興業(1716)|B+で新規紹介】時価総額の53%が現金・PBR0.79倍・EV/経常3.9倍。国土強靱化の維持補修需要の受け皿で、資材高はむしろ相対優位。TANAKENと真逆の「守り」枠。
— 夜見
2026.07.07
【TANAKEN(1450)|A−で新規紹介】解体専業で国内唯一の上場。資材を積まず鉄を売る側なのに「建設株」一括売りで、ROE16%×PER8倍×配当4%に放置されている。
— 堀田
2026.07.05
【隠れ国策シリーズ】「少子化マネーの関所」北里(368A)編を公開、翌7/6に双子の日本ホスピス(7061)編も公開。国が構造的に金を出し続ける市場の独占者を、安いうちに拾う。
— 沼田
2026.07.02
【ダイケン(5900)|B++で新規紹介】PBR0.34倍・昭和取得の土地含み益42億・NCAV>株価。流動性が薄いので少しずつ拾う長期枠(長期ならA+級)。
— 河内
2026.07.02
【シリーズ完結】「アクティビスト先回り投資」全3話を7/2〜7/4で連続公開。大量保有報告書の追い方(スマートマネー編)から実践チェックリストまで。
— 待伏
2026.07.01
【コラム】野村の錬金術:買い方金利1.69%時代の税込み損益分岐は配当約2%。損出し+3年繰越の節税まで。信用を使うなら必読。
— 野村
2026.06.28
【コラム】「SaaSは死んだのか」公開。AIで死ぬのは浅いSaaSだけ——一括売りは歪み。ERP・SI・規制ITの構造優位を確認。後のNSSOL・菱友・EMシステムズ仕込みの土台。
— 沼田
2026.06.24
【コラム】野村のニッチ投資論①「東京の火葬場独占ディスカウント」公開。広済堂HD(7868)の資産の源泉を制度面から深掘り。
— 野村
2026.06.19
【教科書シリーズ】「バリュー投資の教科書」を6/19〜22で4連投。①日本市場の歪み→②ネットネット→③バフェット商社→実践編(日本のネットネット株の探し方)。
— 沼田
2026.06.17
【日本ギア工業(6356)|Aで新規紹介】最高益率なのに最低PER——市場のセクター一括処理が生んだ歪みの典型。
— 堀田
2026.06.13
【集中連載】守田「投資家の意思決定論」全4話+花岡「配当シリーズ」全4話を6/13〜16で公開。NISA vs 信用の期待リターン比較も。資金管理と出口の土台はこの一群。
— 守田
2026.06.11
【広済堂HD(7868)|A+→A++に格上げ】株価が更に下落し、NAV1,021円との乖離が一段拡大。ダウンサイドはBPS床のみ・アップサイドは据え置きで非対称性が改善。「下げが投資妙味を高めた」格好。売却検討は継続中、ポジション積み増し検討。
— 待伏
2026.06.09
【NSSOL(2327)】アクティビスト3D の動向を注視中。6/19総会後の防衛策消滅で買い増し解禁へ。変更報告書に即反応できる体制を維持。
— 待伏
2026.05.29
TOB件数が加速中。日本の割安ニッチトップが今熱い!
— 沼田

🧑‍💼 筆者

沼田 堅一
課長・プレイングマネージャー
野村信用を活用したバリュー株×TOB待ち伏せ戦略。TOBヒット20件超。【目標】4,326万円 → 2億円(2030年)

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続報|菱友システムズ(4685)1Q決算で▲9.9%急落、その後2,620円で下げ止まり——堀は無傷、でも『会社予想は毎年上振れる』という自分の前提が崩れた。それでもランクはA−で据え置く。損出しで税金を取り戻しながら保有を続ける方法まで【自己検証・Ver.2.0】


🦞 「リスク番の守田だ。今日は、うちが紹介した銘柄が決算で急落した話をする菱友システムズ(4685)——2026年6月に『銘柄紹介⑩』として、A−で取り上げた一枚だ8月3日、前日比マイナス9.9%で年初来安値をつけた

🧑‍💼沼田「こういう回こそ、きちんと書く。今日やるのは値動きの解説ではない。あのとき自分が置いた前提が、いま生きているか死んでいるかを、一つずつ確認する作業結論を先に言えば、堀は無傷。だが我々の前提のうち2つは、はっきり崩れた


何が起きたか|7月31日の1Q決算、8月3日に▲9.9%

🦉夜見「財務分析担当の夜見です。まず経緯を、値動きで押さえます」

日付終値前日比
7/302,883円+1.2%
7/31(大引け後に1Q発表)2,881円▲0.1%
8/32,597円▲9.9%
8/3 安値2,467円年初来安値
8/42,543円▲2.1%
8/52,632円+3.5%
8/72,623円▲0.9%
8/102,620円▲0.1%

🦉夜見8月3日の出来高は203,400株。平常時の1.5〜4万株に対して5〜10倍です年初来高値4,035円からはマイナス35%、52週高値4,415円からはマイナス41%その後は8月5日から10日まで4営業日連続で2,620〜2,646円のレンジに収まっており、値動きとしては落ち着きましたただし出来高は4.4万〜5.5万株と平常時(1.5〜4万株)を上回ったままで、需給の整理が終わったとは言い切れません

🦞守田「決算の中身はこうだ」

2026年4〜6月(1Q)実績前年同期比
売上高98.5億円▲3.0%
営業利益7.35億円▲16.3%
経常利益7.81億円▲13.5%
純利益4.67億円▲24.8%
営業利益率7.5%前年同期 8.6%

🦞 崩れた前提①|「会社予想は毎年上振れる」——これが中核だった

🦞守田ここが今日いちばん重い話だ紹介記事で我々が置いた前提の中核は、『この会社の予想は保守的で、毎年上振れる』というものだった実際、2026年3月期は会社予想34億に対し実績39.1億で着地している

🦉夜見「その前提を、1Qの進捗率が否定しました」

📊 通期経常に対する1Q進捗 ・今回(781百万/通期計画5,650百万)= 13.8% ・過去5年平均 = 15.3% ・前年1Q(903百万/5,619百万)= 16.1%

🦉夜見『5年平均とほぼ同水準』と評する向きもありますが、1.5ポイントの下振れは小さくありません1Q実績781百万円を過去5年平均の進捗率15.3%で割り戻すと、通期経常は約5,105百万円会社予想5,650百万円を、約545百万円(マイナス9.6%)下回る計算になります

🦞守田そして会社は、それでも通期予想を据え置いたつまり2Q以降で例年以上の巻き返しを前提にしている上方修正どころか、下方修正リスク側に振れた——これが今回の最大の毀損だ

🧑‍💼沼田「ここは自分たちの落ち度も書いておく。紹介記事のリスク欄には『会社自身が今期を横ばい〜減益と見通している。上方修正のパターン継続を過信するのは禁物』と、正しく書いてあったそれなのに同じ記事の結論では『上方修正が期待される』という真逆の前提でシナリオを組んでいた同一記事の中で矛盾していたわけだ1Qは、その矛盾を悲観の方向で解消した


🦞 崩れた前提②|「賃上げは単価転嫁で相殺できる」——反証された

🦞守田「もう一つ崩れた。紹介記事では『IT人月単価のインフレは売上増に直結し、賃上げコストも転嫁でほぼ相殺できる』と書いた1Qの営業利益率は8.6%から7.5%へ、1.1ポイント悪化している

🦫堀田「モート担当として、ここは自己批判が要る。人月単価の引き上げには顧客との交渉が必要だが、この会社の顧客は実質的に親会社の三菱重工グループだ親子関係にある以上、転嫁力はむしろ制約されると考えるべきだった紹介記事で最も検証が甘かった主張だ


🦫 だが、堀は無傷だった|減収の主因は「商材転売」

🦫堀田「悪い話ばかりではない。いちばん大事な部分——防衛・宇宙ITの準独占という堀は、毀損していない

🦫堀田1Qの減収の主因は、会社の説明によれば『商材販売案件の減少』これはIBM特約店としてのハード・ソフトの転売であって、三菱重工向けのシステム開発・設計支援が減ったという開示はないF-15改修、P-1哨戒機、H3ロケットの基幹システムを担う地位そのものは動いていない

🦦河内「ただし、副作用として一つ見えてしまったものがあります。紹介記事では、このIBM特約店機能を『ワンストップ体制が乗り換えを困難にしている』として堀の一部にカウントしていました1Qで分かったのは、これが堀ではなく『低採算で振れ幅の大きい付随事業』だということです

🔍 商材転売の再評価 ・案件の有無で四半期売上が数億円単位で振れる。今回はこれが減収の主因 ・粗利率が低いため利益インパクトは限定的。実際、減収はマイナス3.0%にとどまる ・つまり本当の悪材料は減収ではなく、販管費(人件費・AI投資)によるマージン圧縮のほう市場が9.9%売ったのは、この2つを区別せず「減収減益」という見出しに反応した面がある

🦞守田そこに歪みがある可能性は認める。だが『市場が間違えた』と即断するなマージン圧縮のほうは本物だ


🦉 訂正します|紹介記事の数値に、楽観方向の誤りがありました

🦉夜見記録として残すべき訂正が4つありますいずれも投資判断を覆す規模ではありませんが、方向がすべて同じでした

項目紹介記事の記載正しい数値
26/3期 DPS92.5円97.5円
ROE(26/3期)「20%超」18.9%
BPS約1,700円1,742.54円
27/3期 会社予想EPS約290円(推定)282.0円

🦉夜見個々の丸め誤差は小さいのですが、4つとも楽観方向に振れていました強気の資料を書くと、丸め誤差が同じ方向に積み上がりやすい——これは今後の自戒として書き残します

🦞守田「もう一つ、下値論拠に使っていた数字を格下げする

⚠️ 「手元資金102億円=時価総額の28%」の訂正 ・紹介記事は「現金21.7億+預け金80.4億=102億円」を下値の論拠にした ・だがキャッシュフロー計算書上の現金及び現金同等物の残高は33億円(現金比率10.25%) ・差の約70億円は親会社等への預け金。CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)預け金なら実質現金だが、保証金的な性格なら自由に使えない「株価の28%がキャッシュ」という下値論拠は、根拠として弱い——格下げする ・ただし自己資本比率68.9%・実質無借金という財務の健全性そのものは事実

🧑‍💼沼田間違えたときに、間違えた場所を具体的に書くそれをやらない記録は、後で自分の役に立たない


🦉 それでも数字は|期待リターンは、むしろ改善している

🦉夜見「ここが今回の逆説です。前提は悪化したのに、期待リターンは改善しました

指標紹介時(26年6月)現在(8/10終値)
株価2,896円2,620円
PER(会社予想)10.0倍9.3倍
PBR1.7倍1.50倍
配当利回り3.2%3.82%
27/3期DPS100円(減益予想下でも増配)

🦉夜見「理屈は単純です。株価の下落幅(マイナス9.5%)が、業績見通しの悪化幅(会社予想EPS 290円想定→282円、マイナス3%)を上回っただから割安度は拡大しています加えて減益予想下での増配(97.5円→100円)で、利回りは3.2%から3.82%へ改善しました

🐝花岡「高配当担当から一言。配当性向は31.8%から35.5%へ上がっていますこれは二通りに読めます前向きに読めば『今期の減益は投資による一時的なもの』という経営の内部見通しの表れ慎重に読めば、利益成長が止まった会社が性向を上げて増配を続けるという典型的な行動28/3期にさらに性向が切り上がるなら、そのときは警戒すべきです


🧑‍💼 それでもランクはA−で据え置く|「前提の毀損」と「価格の下落」を秤にかける

🧑‍💼沼田「ここで判定を出す。前提は2つ崩れた。それでも、評価ランクはA−で据え置く

🦎日向「え、下げないんですか? さっきまで散々『崩れた』『訂正する』と言っていたのに……」

🧑‍💼沼田いい質問だ。ここを混同する人が多いうちのランクは『会社の良し悪し』ではなく、『いまの価格で買ったときの期待値』に付けているだから判定には、事業の評価と価格の両方が入る

⚖️ 秤の両側に乗っているもの左の皿(マイナス)「会社予想は毎年上振れる」という上振れ期待の消滅マージン防衛力の想定が反証されたこと下値論拠だった手元資金102億円の格下げ右の皿(プラス)株価が9.5%下がり、PERは10.0倍→9.3倍、PBRは1.7倍→1.50倍、利回りは3.2%→3.82%へ配当込み期待リターンはプラス40%→プラス48%へ改善そして秤の土台:防衛・宇宙ITの準独占という堀は無傷

🧑‍💼沼田崩れたのは『上振れへの期待』であって、『安いこと』ではないむしろ安さは拡大した価格が価値より速く下がったのだから、期待値で測るランクが下がる理屈がない

🦞守田「リスク番として、そこには条件を付ける。この据え置きは『会社予想が達成される』という前提の上に立っている1Q進捗13.8%は、その前提に黄信号を灯した10月31日の2Qで下方修正が出れば、期待値の計算そのものが無効になる——そのときは迷わず下げる

🧑‍💼沼田「その通りだ。つまり今回のA−は『安泰だから据え置き』ではなく、『価格が前提の毀損を吸収したから据え置き』意味がまるで違うだから買い方は一括ではなく三分割にするし、撤退基準を先に紙へ書いておく

🦫堀田「モート担当からも一言。ランクの土台になっているのは、F-15改修・P-1哨戒機・H3ロケットの基幹システムという地位そのものだ1Qで減ったのはIBM商材の転売で、ここは動いていない土台が無事なら、四半期の数字で格付けをいじる必要はない


🐒 乱入|「下がったから買い増すって、それナンピンでしょ」

🐒レバナス小猿「ちょっと待った。紹介した銘柄が下がって、それで『期待リターンは改善しました』って……それただのナンピンの言い訳じゃん下がったから買い増すって、いちばんやっちゃいけないやつでしょ

🦞守田「小猿、今日もお前が正しい。だから先に線を引いておく

🚧 ナンピンの罠を避ける唯一の線引き ・買い増しが正当化されるのは「安くなったから」ではなく「当初の想定より期待リターンが高くなったから」だけ ・平均取得単価が下がること自体には、何の価値もない ・判断すべきは「今、新規に2,620円で買うか」既存ポジションの含み損は判断に無関係

🦦河内「そのうえで正直に言うと、この計算はすべて『27/3期の会社予想が達成される』という前提の上に乗っています1Q進捗13.8%は、その前提に黄信号を灯しました下方修正が出た瞬間、この記事の数字は全部無効になります

🦎日向「あっ、小猿さんのツッコミ、いちばん大事な確認事項ですね。整理するとこうです」

小猿の茶々→買い増し前のチェックリストなぜ買い増すのか?安くなったからではなく、期待リターンが改善したから。理由が言えないなら見送る ・含み損は考慮する?しない。「今この値段で新規に買うか」だけで判断する前提は生きているか?会社予想の達成が全計算の前提。1Q進捗13.8%は黄信号いつ判定するのか?10月31日の2Q決算。上期経常21.5億円が閾値

🐒小猿「……“含み損は判断に無関係”ね。それだけは、ちょっとカッコいいと思っちゃった(悔しい)」


🦞 掘り下げ|「損出し」をしながら、保有は続けられるか

🦞守田「ここから、含み損を抱えている人向けの実務の話をする。売りたくはない。でも含み損は出ている。このとき使えるのが損出しだ

💡 損出しの仕組み ・含み損の銘柄を売却して損失を確定させる ・同じ年の譲渡益・配当金(申告分離課税)と損益通算できる ・すでに源泉徴収された税金(20.315%)が戻ってくる ・買い戻せば、保有は続けられる ・相殺しきれない損失は、確定申告すれば3年間繰り越せる

🦞守田つまり『含み損を、その年の税金を減らす道具に変える』作業だポジションを手放したくないなら、買い戻せばいい。——ただし、ここに初心者が必ず踏む地雷がある

🚨 最大の落とし穴|同じ日に「現物で」買い戻すと、損が消える

🦉夜見特定口座の取得単価は『総平均法に準ずる方法』で計算されます同じ日に売却と買付があると、その日の買付を含めた平均単価で譲渡原価が計算し直されます

⚠️ 同日に現物を売って、現物で買い戻した場合(1,000株・取得3,000円・現値2,620円の例) ・期待:売却で38万円の損失を確定 → 約7.7万円の還付 ・実際:同日買付が取得単価の計算に混ざり、確定する損失が大きく圧縮される手数料だけ払って、狙った損失が出ないという結果になりうる

🦞守田対策は単純だ。売却の翌営業日以降に買い戻すただし、その1日が空くことで別のリスクを抱える——翌日に上がってしまえば、節税額より買い直しのコストのほうが大きくなる

🧓 野村の本命|信用を使えば、その1日を消せる

🧓野村「レバレッジ担当の野村じゃ。いま守田が言った『翌営業日まで待つ』——実は、待たずに済む方法がある信用取引を使えばよい

🦎日向「え、信用でも同じ日に買い戻したら平均単価に混ざるんじゃ……」

🧓野村そこが肝じゃ。混ざらん総平均法で平均されるのは『現物どうし』だけで、信用の買建玉は現物の取得価額の計算に入らんだから同じ日に現物を売って、同じ日に信用で買い建てても、確定した損失は圧縮されん

🔁 信用クロスの手順① 同日:現物を売却——損失が満額で確定する② 同日:同株数を信用で買い建てる——ポジションは維持され、価格変動リスクを負わない③ 翌営業日以降:現引きする——建値がそのまま新しい取得価額になる

🦞守田ただし、ここに一つだけ絶対の禁止事項がある③の現引きを、売却と同じ日にやってはいけない現引きで取得した株式は『現引きした日に取得したもの』として扱われるため、同日にやれば結局その日の平均単価に混ざる翌営業日以降——ここだけは動かせない

🧓野村「そういうことじゃ。『信用で買い建てるのは同日でよい。現引きだけは翌日以降』——覚えるのはこの一行だけでよい

🦉 コストを計算し直す|信用クロスなら、滑り分が消える

🦉夜見この違いは、損得計算をかなり変えます取得単価3,000円で1,000株を保有し、2,620円で損出しする場合で並べます

① 翌営業日に買い戻す② 信用クロス(現引きは翌日)
確定する損失38万円38万円
節税額(20.315%)約7.7万円約7.7万円
1日分の価格変動リスク負う負わない
想定コスト滑り1〜2%=2.6〜5.2万円買方金利1〜2日分+手数料
手残り2.5〜5万円7万円前後

🦉夜見②の買方金利を具体的に置くと、建玉262万円に年3%を仮定して1泊2日なら約430円ネット証券では信用の売買手数料も現引き手数料も無料のところが多く、実務上のコストは1,000円に届きません節税額7.7万円に対して、ほぼ丸ごと残る計算になります

🦞守田ここは私の見立てを訂正しておく『節税額の3〜7割が執行コストで消える』というのは、①翌日買い戻し方式の話だ②の信用クロスを使えば、その最大のコストである『1日の価格変動リスク』そのものが消える

🦞 それでも残る、菱友固有の壁

🦞守田ただし、信用クロスにしても消えないコストがある板の薄さだ

📉 薄商いが生む「見えないコスト」 ・平常時の出来高は1.5〜4万株。急落後の8月10日でも51,800株で、売買代金は1.4億円程度 ・8月10日の値幅は始値2,606円・高値2,623円・安値2,588円の35円(約1.3%)同時執行でも、まとまった株数なら自分の売りで下げたところを自分で買うことになる——往復のスプレッドとマーケットインパクトは避けられないただしこれは「往復で1回」のコスト。翌日に持ち越す2%の値動きリスクとは、質も大きさも違う菱友は制度信用の対象なので買建自体は可能。ただし一般信用の取扱いは証券会社ごとに異なる

🧓野村「もう一つ選択肢を置いておこう。現引きせず、信用の買建玉のまま持ち続ける手もあるこの場合は現物の平均単価問題とは完全に無縁じゃただし制度信用は6か月の期限があり、買方金利は持つ限りかかり続ける。議決権もない配当は配当落調整金として受け取る形になり、税務上は譲渡損益の扱いになる——これはこれで損益通算に使える性質じゃがな

🦞 損出しが「やる価値あり」になる条件

🦞守田条件を明確にしておく。この4つが全部そろって初めて、実行に値する

損出しの実行条件① 今年、相殺できる利益が実際にある——譲渡益も配当もゼロなら、その年の還付はない(繰越目的なら別) ・② 節税額が執行コストを明確に上回る——信用クロスなら金利数百円で済むが薄商い銘柄では往復のスプレッドが残る③ 特定口座(源泉徴収あり)で保有している——NISA口座の損失は損益通算できない。損出しは無意味④ 買い戻せなくても困らない量に限る——全量でやらず、一部だけにする

🦩優田「もう一つ、カレンダーの注意を。菱友は3月期決算で、中間配当の権利確定は9月末です損出しでこの日を跨いで手放すと、中間配当を取り逃します

🦞守田年末の期限も間違えるな。年内の損益に算入するには受渡日ベースで考える必要があり、実務上の締切は12月最終営業日の2営業日前だそして12月に入ると、同じことを考える投資家の『損出し売り』が需給を悪化させる薄商いの銘柄ほど、11月〜12月上旬に前倒しするほうが有利になりやすい

🧑‍💼 実例|損出しは「守り」ではなく、攻めの道具になる

🧑‍💼沼田「ここからが、今年のうちの実感だ。損出しは、利益が厚い年ほど効くそして今年は、まさにその年だ

🦉夜見「整理しますと、損出しの相殺先は2つあります。①その年に実現した譲渡益 ②配当金(申告分離課税)特定口座(源泉徴収あり)で配当を受け入れる設定にしていれば、損失を確定した時点で、すでに徴収済みの税金が自動的に口座へ戻ってきます確定申告は不要です

🧑‍💼沼田「そこで発想を逆にする。『損が出たから仕方なく損出しする』のではない『損出しで枠を作ったから、利益のほうを動かせる』——こちらが本題だ

🎯 損出しで作った枠の、3つの使い道① 目標株価に近づいた銘柄のスライス利確——本来なら20.315%引かれる利益を、損失と相殺して実質無税で確定できる② 上がりすぎて比率が膨らんだ銘柄の縮小——「税金がもったいない」という理由でリバランスを先送りしていたポジションを、コストなしで整理できる③ 信用で安く仕込めた銘柄の現引き——建玉を現物へ移して長期保有に切り替える。金利負担が消え、配当も配当所得として受け取れるようになる

🐝花岡「高配当担当から②を補足します。上がりすぎた銘柄を持ち続けるのは、実は『税金を払いたくないから』という理由であることが多い損出しの枠があれば、その心理的な足かせが外れます含み益が厚い年ほど、この効果は大きくなる

🧓野村「③についてはわしから。現引きそのものは譲渡ではないから、課税は発生せんだが信用のまま持っていると配当は『配当落調整金』として入り、これは税務上の譲渡損益扱いになる——つまり損出しの損失と、そのまま相殺できる信用を使って長く持つ人にとって、損出しは毎年の恒例行事になりうるということじゃ

🐝 そして菱友のような一枚こそ、取得単価を下げる好機

🐝花岡「今回の菱友のように、長く持つつもりの銘柄が一時的な決算で下げたとき——ここが取得単価を付け替える絶好の場面です

📈 取得単価を下げると、簿価利回りが上がる(1,000株・配当100円の例) ・損出し前:取得3,000円 → 簿価ベースの配当利回りは 3.33% ・損出し後:取得2,620円へ付け替え → 簿価ベースの配当利回りは 3.82%受け取る配当は同じ100円。それでも「自分の簿価に対する利回り」は0.49ポイント上がる将来この会社が増配すれば、下がった簿価に対して効きはさらに大きくなる

🦞守田ここは正確に言っておく取得単価を下げても、受け取る現金は1円も増えない増えるのは『今年戻ってくる税金』であって、代わりに将来売却したときの譲渡益は取得単価が下がったぶんだけ増える厳密には節税というより、税の繰り延べに近い

🧑‍💼沼田「その通りだ。だが『長く持つ銘柄』でやる場合、その繰り延べは実質的にかなり有利になる

⚖️ 繰り延べが「実質的な得」になる理由還付された税金は、今すぐ再投資できる——その分だけ複利が早く回る売らなければ、繰り延べた税は永久に払わずに済む——「長く持てる銘柄」でやる意味はここにある損失の繰越控除は3年で切れる。利益が厚い年に使い切るほうが、確実に価値になる逆に「いずれ売る予定の銘柄」でやると、繰り延べ効果は小さい

🦞守田「最後にもう一度、順序の話に戻す。①のスライス利確は、『目標株価に近づいた』という投資判断が先にあって初めて成立する『損出しの枠が余っているから、まだ上がる株を売る』——これは本末転倒だ枠は理由にならない。理由はいつも、価格と価値の関係のほうにある

🧑‍💼 最後に、順序を間違えないこと

🧑‍💼沼田「ここは強調しておく。損出しと買い増しは、まったく別の軸の話だ

🧭 混ぜてはいけない2つの判断損出し税務上のテクニック。「この銘柄を持ち続けるか」とは無関係に、今年の税金の話 ・買い増し投資判断。「今、新規にこの値段で買うか」だけで決める ・『損出しのついでに買い増そう』は、税務の都合で投資判断を歪めている正しい順序は「持ち続ける価値があると判断した。ならば損出しで税金を取り戻しておく」

🧑‍💼沼田今日の結論に照らせば、菱友は『堀は無傷、前提は2つ崩れたが価格がそれを吸収した、ランクはA−据え置き、売却はしない』だその判断が先にあるから、損出しという手段が意味を持つ。順序が逆になった瞬間、税金のために不本意なポジションを持たされることになる


買い方|三分割、判定日は10月31日

🧑‍💼沼田「以上を踏まえて、行動を決める」

🧱 三分割の設計第1弾:現水準 2,600〜2,700円で1/38月10日終値2,620円はこのレンジ内。PER9.3倍・利回り3.82%) ・第2弾:10月31日の2Q決算後に1/3——ただし上期経常が21.5億円以上(通期進捗38%以上)で着地し、通期予想が据え置かれた場合のみ。下回れば見送り ・第3弾:2,400円以下の押し目で1/3——下方修正を伴わない需給要因の下落であれば実行。下方修正が原因なら実行せず、撤退基準の判定へ日次出来高1.5〜7万株の薄商い。指値・複数日に分けた執行が必須

🦞守田なぜ分割か。1四半期の数字だけでは『投資フェーズの一時的コスト』か『構造的なマージン低下』かを判別できないからだ判別材料が出るのは10月31日一方で『完全に確認してから買う』と、確認できた頃には株価は戻っているこの不確実性を分割で引き受ける

📅 10月31日の2Q決算で確認する5項目

  1. 上期経常が21.5億円を超えたか最重要。前年上期は22.6億/進捗40.3%)
  2. 2Q単独の営業利益率が12%以上に戻ったか最重要。前年2Q単独は13.5%。戻らなければ構造的マージン低下の証拠)
  3. 通期予想が据え置かれたか、下方修正されたか
  4. 実効税率が正常化したか(1Qは40.2%。法定実効税率は約30〜31%で、大部分は期ズレか一過性の可能性が高い)
  5. 商材販売以外(SI・設計支援)の売上動向——コアが減っていれば堀の毀損を疑う

🚪 撤退基準|紹介記事に欠けていたもの

🦞守田紹介記事には、リスクの一覧はあったが『何が起きたら降りるか』という行動基準がなかった今日、それを埋める

撤退トリガー重み理由
① 通期業績予想の下方修正即時見直し会社予想の達成が全計算の前提。崩れたらゼロベースで再計算
② 通期営業利益率が10%を下回る26/3期12.7%→27/3期会予12.1%。10%割れは「高収益SIer」の根拠が消える
③ 商材以外(コアSI)の売上減少三菱重工の発注そのものの減少=堀の毀損。テーゼが完全に崩壊する
④ 減配または増配の停止連続増配が途切れる=経営が自ら「回復の目処が立たない」と認めたに等しい
⑤ 上場維持基準への「適合」表明中(逆説的)流通株式比率が基準を満たせばTOB期待の論拠が消滅する
⑥ 三菱重工の防衛部門の失速低(現状)売上の大半を1社に依存する構造上の最大リスク

🦞守田含み損を抱えた状態では、どんな悪材料も『もう織り込み済み』『一時的』と解釈したくなる判断が歪む前に、基準を書いておく。それが唯一の対策だ


まとめ|ランクはA−据え置き。堀は無傷、前提は要修正、価格がそれを吸収した

🧑‍💼沼田「今日の再検証を、一枚に畳む」

論点結論
堀(防衛・宇宙IT準独占)無傷。減収の主因はIBM商材の転売で、三菱重工向けの開発・設計支援が減ったという開示はない
崩れた前提①「会社予想は毎年上振れる」——1Q進捗13.8%(5年平均15.3%)が否定。紹介記事の中核ロジックだった
崩れた前提②「賃上げは単価転嫁で相殺できる」——営業利益率8.6%→7.5%が反証。親子関係ゆえ転嫁力はむしろ制約される
訂正DPS 92.5→97.5円、ROE「20%超」→18.9%、BPS約1,700→1,742.54円、会予EPS 290→282円。すべて楽観方向の誤りだった
下値論拠の格下げ「手元資金102億=時価総額の28%」はCF計算書上33億。預け金の性格が不明で、下値論拠としては弱い
バリュエーションPER9.3倍・PBR1.50倍・利回り3.82%。株価の下落幅が業績悪化幅を上回り、期待リターンはプラス40%→プラス48%へ改善
ランク判定A− 据え置き——前提の毀損を、株価9.5%の下落が吸収したためただし10/31で下方修正が出れば引き下げる
行動三分割。第2弾は10/31の2Qで上期経常21.5億円を確認できたら。撤退基準を6項目、事前に定義済み
損出し保有継続と両立できる。信用の買建玉は現物の平均単価に混ざらないため、同日に現物売り+信用買建でクロスすれば1日分の価格変動リスクを負わずに損失を確定できるただし現引きは必ず翌営業日以降。NISAでは無意味
損出しの使い道利益が厚い年ほど効く。作った枠でスライス利確・比率縮小・信用建玉の現引きを実質無税で進められる長く持つ銘柄なら取得単価の付け替えで簿価利回りが3.33%→3.82%へただし枠は売る理由にならない

💬 守田より 「紹介した銘柄が下がったとき、書き手には二つの誘惑がある。一つは黙ってやり過ごすこと。もう一つは『市場が間違えている』と言い切ってしまうことだ。——今日はどちらもやらなかった。堀は無傷だと確認できた。同時に、我々が置いた6つの前提のうち2つが明確に崩れたことも認めた。数値の丸め方が楽観に偏っていたことも、下値論拠の一つが弱かったことも書いた。そのうえで、ランクはA−で据え置いた。前提が崩れたのに格下げしないのは矛盾に見えるかもしれないが、これは矛盾ではない。我々のランクは会社の良し悪しではなく、いまの価格で買ったときの期待値に付いている。価格が価値より速く下がれば、悪いニュースの後でも妙味は増す。ただし——それは会社予想が達成されるという前提の上にある。だから一括では買わず、10月31日を判定日に置いた。そして『何が起きたら降りるか』を、含み損で目が曇る前に書いておいた。投資記録というのは、当たった話より、こういう回のほうが後で効いてくる」


関連:菱友システムズ(4685)銘柄紹介⑩(Ver.1.0)紹介銘柄の現況①(SaaS系)含み損とどう向き合うかNSSOL(2327)

※本稿は投資助言ではありません。株価および株価から導いた指標は2026年8月10日終値2,620円を基準に算出しています。損出しに関する記述は一般的な制度の説明であり、税務上の取扱いは口座区分や個別事情によって異なります。実行にあたっては必ずご自身で証券会社・税務署等にご確認ください。業績数値は2026年7月31日開示の第1四半期決算短信および2026年4月28日開示の決算短信によります。1Qの実効税率40.2%の要因、および親会社等への預け金の性格については本稿で確定できておらず、推定を含みます。シナリオ確率および期待値は一定の仮定に基づく主観的な推定であり、実現を保証するものではありません。投資はご自身の判断と責任でお願いします。

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