🏢 バリュー商会とは

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バリュー商会の成績です

現在総資産
4,326万円
1億
02億
資産推移チャート

📅 月初に前月末成績を反映

📌 社内掲示板

2026.08.17
【新晃工業(6458)|B++で新規紹介/ただしこの水準では追わない】国内セントラル空調AHU(エアハンドリングユニット)の最大手・専業メーカー。1950年創業で翌年に日本初のクロスフィンコイルとファンコイルユニットを完成させた業界のパイオニアだ。まず珍しいのは安さの在り処で、含み益で株価が半値という古典的な資産バリューではない。有価証券は既に時価評価でBPSに反映済み、土地も1998〜2002年の再評価法で洗い替え済み、しかも土地再評価差額金はマイナス7.48億円の評価損。修正PBRは1.24倍で解散価値では割安ではない。妙味は別のところにある。時価総額831億円のうち320億円、1株476.8円が現預金と投資有価証券から有利子負債を引いたネット金融資産で、株価1,238円の38.5%を占める。差し引き事業に払っているのは511億円だが、この事業の投下資本は473億円で税後ROICは約14.7%——資本コスト(6〜7%)の2倍以上を稼ぐ事業を、市場は投下資本の1.08倍でしか値付けしていない。実質PER7.1倍、事業EV/EBIT5.1倍、EV/EBITDA4.2倍。見かけのPER11.6倍とはまるで違う景色になる。事業の質も高く、売上の62.1%が工事・サービスとビル管理というストック収益で、機器販売も49.8%が既存建物の更新需要。中核子会社の新晃アトモスは売上144.75億円で経常利益率28.7%という異常な収益性を叩き出し、連結経常利益の41%を1社で稼ぐ。参入障壁も本物で、AHUは多品種少量の完全個別設計、AMCA認定・AHRI認証の取得は国内唯一、霞が関ビル(築50年超で3度目の更新)や横浜ランドマークタワーの納入実績はそのままリカーリング権になる。冷媒規制も追い風で、AHUは自然冷媒の冷温水を使うため高GWP冷媒をほぼ使わない。ただし逆風も明確だ。27/3期1Qは営業利益マイナス29.1%、さらに2年で93億円を投じた自社株買いの枠が残り7億円で枯渇し、総還元性向は117.4%から56.4%へ急落する。本命は2027年5月前後の次期中計で、政策保有株230億円と中国事業に眠る107億円、合わせて時価総額の41%をどう配り直すかが問われる。そして重要な但し書きを一つ。本稿を書き始めた8月10日の株価は1,190円でリスク・リワードは1対2.1だったが、8月17日終値1,238円では中立シナリオの目標1,300円まで5.0%しか残らず、1対0.4まで縮んだ。事業の評価はB++で据え置くが、この水準で追いかける設計にはしていない。第1弾は1,190円以下まで待ち、1,166円(52週安値)割れなら前倒しする。完全版レポート付き。
— 河内
2026.08.16
【コラム公開|低配当性向は、いま静かに得をしている】昭和化学工業の記事で触れた「社内複利」を、紹介銘柄6社の実測値で検証したコラムを公開した。出発点は税だ。配当で受け取れば20.315%が源泉徴収されるが、社内に留保されれば課税は繰り延べられ、本来なら税で抜かれていた分もそのまま働き続ける。EPS100円で計算すると、配当性向10%の会社は株主価値98.0円を生むのに対し、性向80%では83.7円——差は年14.3円、率にして17.1%。しかもこれは毎年発生する。経営が優秀だから生まれる差ではなく、単に国税庁への支払いを繰り延べているだけで生まれる差だ。実測値も並べた(8/14終値ベース)。日本ギア工業は配当性向8.1%・利回り0.72%で、1株純資産は779.37→1,049.50円と2年3か月で年率14.1%、無借金・自己資本比率86.8%。岡谷鋼機は性向11.8%で剰余金が年率11.7%、星和電機は性向19.4%で年率12.5%、昭和化学は性向14.5%で年率13.1%。対して性向39.2%のダイケンは年率2.4%、性向53.6%の東海エレクトロニクスは年率4.9%にとどまる。ただし本稿の核心は銘柄リストではなく1本の式のほうだ——理論BPS成長率=ROE×(1−配当性向)。これを実測と突き合わせると複利の正体が割れる。日本ギアは理論10.8%に対し実測14.1%で乖離+3.3ptと小さく、本業が複利を回している。対して昭和化学は理論3.8%に対し実測13.1%、乖離は+9.3ptに達し、伸びの大半が政策保有株の値上がり由来。これは複利ではなく日本株ベータの間接保有で、逆回転も同じ勢いで起きる。つまり低い配当性向はエンジンではなく増幅器にすぎず、ROEが低ければ増幅しても意味がない。そして最大の誤読も潰しておいた。「渋いから安い」ではない——性向53.6%・利回り3.9%の東海エレクトロニクスがPBR0.32倍に放置されている。安さと還元の強さは別の軸だ。特設ページ「バリュー株の魅力」にもこの二軸を明示し、STEP4を「待つ技術|時間を、敵から味方に変える」へ改めた。テック番長の乱入「それ俺が10年前から言ってることじゃん」への回答は、①リターンが実績で検証できるか②いくらで買っているか(PBR0.5倍なら1円の留保が2円のBPS、PBR8倍なら0.125円分)の2点。
— 沼田
2026.08.15
【昭和化学工業(4990)|B++で新規紹介/決算翌日の鮮度で出す】ビール・製薬の濾過工程を握る国産珪藻土のニッチトップ。8/14に1Q決算と通期上方修正が出た——営業利益を期初2.00億→3.20億へ+60%引き上げ、前期比の減益率は▲55.2%から▲28.3%へ半減。しかも持分法のオーベクスが読めないことを理由に非開示だった経常5.90億・純利益4.40億(EPS41.3円)が、3か月で開示に転じた。1Q単独も売上25.37億で四半期の過去最高、営業+8.8%、営業利益率5.89%→6.31%——「ニッチトップなのに価格決定力を行使していない」という長年の批判に、初めて数字で反証が出た形だ。上期計画2.50億に対する進捗は64.0%(前年同期53.3%)で、2Qは0.90億あれば届く(前年2Q単独1.29億)。それでも株価は寄付507円→高値531円→終値496円(▲0.60%)でマイナス着地、出来高87,100株は平常時(300〜5,600株)の15〜290倍。理由は一つ、上方修正しても配当を6円で据え置いたから。配当性向14.5%は中計の「当面15%以上」すら下回る。だが本稿の主題はここから先だ——その渋さは、短期の買い手には失望でも、長期保有者には「20.315%を国に渡さず社内で回し続ける」という形で効く。EPS41.3円を全額配当すると手取り32.91円、実際の性向14.5%なら受取4.78円+社内留保35.30円=40.08円で、差は年7.17円(+21.8%)。事実BPSは713.48→762.37→881.42→940.65円と2年3か月で+31.8%(年率13.1%)、同期間の株価はほぼ横ばい。つまり株価が動かなくてもPBRは勝手に下がる=待つコストがマイナスの銘柄。PBRは0.53倍、投資有価証券は推定56.8億で時価総額52.8億の107.5%、純金融資産1株615円は含み益への課税を引いても521円で株価496円を上回る(初版の485円vs492円から逆転)。ただし冷徹な但し書きを一つ。1QのBPS+59.23円を剰余金と突き合わせて分解すると、内部留保由来はわずか+7.04円で、残る+52.2円は有価証券評価差額金——いまこの会社の複利エンジンは珪藻土ではなく銀行株であり、逆回転も同じ勢いで起きる。石橋家43.9%+自己株11.1%で外圧は構造的に効かず、基本シナリオは「安いまま」。期待値570円(+14.9%)、判定日は11月中旬の2Q。/【追記】優待も含めて書き直した。1,000株以上で3月に地域特産品2,500〜3,000円相当、9月にあきたこまち新米——しかも1年未満2kg/1年以上4kg/2年以上6kgと、保有期間だけで3倍に育つ。株探表示の「優待利回り0.50%」は長期優遇付きの米を換算対象外にした数字で、実際は配当と合わせて1年未満2.09%→1年以上2.41%→2年以上2.73%(米価600〜1,000円/kgで振ると2.49〜2.97%)。1,000株保有者にとって還元の主役は配当6,000円ではなく優待7,550円のほうだ。ただし落とし穴があって、優待の区分は「1,000株以上」の一段しかなく上位区分がない。つまり買い下がりで株数を増やすほど優待が希薄化し、2,000株で2.09%、3,000株で1.85%まで落ちる。だから買い下がりの終着点は1,000株に置くのが合理的で、例えば400株@496円+300株@465円+300株@435円=平均468.4円なら2年保有で2.89%。1,000株超の分は優待の付かない純資産バリュー枠として別勘定に。さらに優待は配当と違って源泉徴収されないため、手取りでは配当6,000+優待7,550=12,331円(2.49%)に対し、同額を全額配当で受け取ると10,797円(2.18%)——0.31pt優待が有利で、「配らないほうが税効率が良い」という本編のテーゼと同じ形をしている。BPSが年13.1%で伸び、米が3倍に育つ。時間が二方向から味方する銘柄はそう多くない。完全版レポートも決算+優待で全面改訂。
— 沼田
2026.08.14
【藤倉化成(4620)|A−で新規紹介】アクリル樹脂派生製品のメーカー。8/7、5月から「未定」としてきた27/3期の通期予想がついに開示され、株価は916→871円へ▲4.91%下落した。だが中身は逆だった——同時に出た1Qは売上+15.4%・営業益+34.7%・経常2.4倍・純利益2.2倍で、上期計画への進捗は72.0%(前年55.6%)。通期でも売上588億+5.7%・営業益23.0億+1.3%の増収営業増益予想であり、経常▲9.7%・最終▲15.4%という見出しは前期の投資有価証券売却益16.1億が剥落するだけの話。市場はこの誤読を4営業日で自ら訂正し、8/13終値は961円(+10.3%)まで戻している。本稿の数字はすべて961円に置き直した。それでも時価総額279億に対し現金148.7億−有利子負債47.7億=ネットキャッシュ101億に、取得原価わずか5.4億が時価104.4億へ育った保有上場株の税引後74.1億を足すと1株603円=株価の62.7%。差し引き事業に付いた値段は約104億でEV/EBITDA約2.7倍にすぎない。触媒は異例に濃く、植島幹九郎氏と関連3社が3カ月で0→10.1%を取得、共同保有ビークルの商号は「株式会社DOE5パーセント」=要求が社名(DOE5%なら1株83円・利回り8.64%)。これは群栄化学に入っているのと同じ主体だ。さらに筆頭株主フジクラ22.55%は買収防衛壁であると同時に、AI需要で資本効率を問われる同社にとって非中核持分でもある。留保は信用買い残414.7万株(倍率127倍)が株価上昇の過程でむしろ増えていること、営業利益率4.1%という収益性の低さ、設備投資85億が還元原資と競合すること。なお4営業日の上昇で確率加重の期待値は+35%→+22.8%(配当込+24.9%)、リスクリワードも1:2.9→1:2.0へ縮んだ。ランクはA−で据え置くが、「現水準で1/3」のエントリーゾーンは通過したと判断する——追いかけず、900円割れの押し目か11月の2Q確認後に。完全版レポート付き。
— 待伏
2026.08.12
【神栄(3004)|ランクはA−で据え置き/1Q決算後の自己検証】5月にA−で紹介した一枚が、7/31の1Q決算日のザラ場で▲7.46%、8/4に年初来安値2,013円。その後は5営業日で下げ止まり8/10終値は2,069円(+1.42%)。まず赤字の正体を分解すると、最終▲0.28億の主因は①前年同期の純利益7.46億に含まれていたMS&AD売却益(約5.19億)の反動②コンデンサ事業撤退の特別損失約3億で、経常は+0.7%とほぼ横ばいだった。構造的な問題は③食品の仕入コスト転嫁の遅れだけ。しかも面白い発見があり、営業▲27.1%なのに経常が保ったのは営業外収益が0.17億→1.27億へ厚くなったためで、4〜6月に集中する政策保有株の受取配当が本業の落ち込みを吸収している——「含み益の貯金箱」が実際にキャッシュを生んでいる構図だ。一方で紹介記事の誤りを2つ訂正する。①「来期EPS約486円」は誤りで会社予想は318.4円。MS&AD売却益を来期の押し上げに数えていたが、実際は前期計上済みで今期は剥落要因(会社予想の純利益▲7.1%はまさにこの反動で、営業は+12.5%・経常は+4.3%の増益計画)。「配当120〜130円へ増配」も会社予想は110円据え置き。②「修正PBR0.71倍」は二重計上の疑い——政策保有株はその他有価証券として既に時価でBSに計上され評価差額金として純資産に入るため、BPSに反映済み(実際BPSは2,248.11→2,771.99円へ1年で+523.88円)。物差しは実績BPS2,771.99円に対しPBR0.75倍とすべき。それでも骨格は健在で、株価下落により政策保有株80.3億が時価総額86.2億の93%を占め、PER6.5倍・利回り5.32%、自己資本比率も31.9%→36.9%へ改善。そして評価ランクはA−で据え置く——会社予想318.4円は5/14にすでに開示されており、486円と信じていたのは市場ではなく当方だけで、今回の訂正は株価に一切織り込まれていない。訂正したのは我々の計算であって会社の中身ではなく、訂正後もPER6.5倍・PBR0.75倍と東証スタンダード平均(約13倍)の半分の水準にある。自分の計算ミスを銘柄のせいにしてはいけない。留保は営業利益の1Q進捗15.6%(前年24.0%)という明確な出遅れと、時価総額の93%が金融株ゆえ分散が効かない点で、引き下げの引き金は訂正ではなく2Qの下方修正に置く。売却はせず、買い増しは2Q決算後。完全版レポート付き。
— 夜見
2026.08.11
【菱友システムズ(4685)|ランクはA−で据え置き/1Q決算後の自己検証】6月にA−で紹介した一枚が、7/31の1Q決算を受け8/3に▲9.9%の急落・年初来安値2,467円(出来高は平常の5〜10倍)。8/10終値は2,620円で下げ止まっている。前提を一つずつ検証し直した。まず堀は無傷——減収の主因はIBM特約店としての商材転売という低採算のフロー事業で、三菱重工向けのシステム開発・設計支援が減ったという開示はない。だが紹介記事の前提が2つ崩れた。①「保守的な会社予想は毎年上振れる」という中核ロジックは、1Q進捗13.8%(5年平均15.3%)が否定。しかも紹介記事はリスク欄で「上方修正の過信は禁物」と正しく書きながら結論では真逆の前提を使うという内部矛盾を抱えていた。②「賃上げは単価転嫁で相殺できる」は営業利益率8.6%→7.5%が反証。顧客が実質的に親会社である以上、転嫁力はむしろ制約されると考えるべきだった。数値の訂正も4件記録する(DPS92.5→97.5円、ROE「20%超」→18.9%、BPS約1,700→1,742.54円、会予EPS290→282円)といずれも楽観方向で、さらに下値論拠だった「手元資金102億円=時価総額の28%」もCF計算書上は33億で、差の70億は親会社への預け金のため格下げした。それでも株価の下落幅が業績悪化幅を上回ったためPER10.0→9.3倍・PBR1.7→1.50倍・利回り3.2→3.82%と割安度はむしろ拡大し、期待リターンは+40%→+48%へ改善した。崩れたのは「上振れへの期待」であって「安いこと」ではない——価格が前提の毀損を吸収したと判断し、評価ランクはA−で据え置く(ただし10/31の2Qで下方修正が出れば引き下げる)。売却はせず三分割で、判定日は10/31の2Q(上期経常21.5億円が閾値)。紹介記事に欠けていた撤退基準を6項目、事前に定義した。加えて含み損を抱えた保有者向けに「損出しをしながら保有を続ける」実務を掘り下げている——同日買い戻しは総平均法で損失が圧縮される、回避策の信用クロス、薄商いゆえ節税額の3〜7割が執行コストで消える、NISAでは無意味、9月末の中間配当と12月の受渡期限、そして損出しと買い増しを混ぜてはいけない理由まで。加えて実例として、利益が厚い年ほど損出しが効く構造を掘り下げた——損出しで作った枠を使えば、目標株価に近づいた銘柄のスライス利確や、上がりすぎて比率が膨らんだポジションの縮小を実質無税で実行でき、信用で安く仕込んだ建玉の現引きによる長期保有への切り替えも進めやすい。菱友のように長く持つ銘柄が一時的な決算で下げた局面は取得単価を付け替える好機で、1,000株・配当100円なら簿価利回りは3.33%→3.82%へ上がる。厳密には節税ではなく税の繰り延べだが、売らない銘柄でやる限り繰り延べは実質的な得になる。ただし枠は売る理由にならない——スライス利確はあくまで「目標株価に近づいた」という投資判断が先。完全版レポート付き。
— 守田
2026.08.10
【警備業界の総括/中小警備シリーズ完結】東洋テック(9686)とトスネット(4754)の2枚を紹介したうえで、「なぜ今、地方の警備会社なのか」を業界構造から畳む。①事業環境——警備は労働集約で賃上げが重いが、構造を分解すると逆風より追い風。交通誘導・施設・イベント警備は法令で有資格者の人員配置が求められAIやドローンで完全代替できず、人手不足だからこそ価格改定が発注側に通る。機械警備のストック化で人件費依存も下げられる。実際、トスネットが8/7に開示した3Qでは3Q単独の営業益が前年比プラス3.4%・経常プラス10.8%と増益へ転じ、「価格が通る業種」という仮説を数字が裏づけ始めた。②関西イベント——万博は一過性ではなく関西イベント経済の入口で、IR・うめきた再開発・インバウンド・国際会議と「人が集まる催事と工事」が続く。③最大の妙味は再編——セコムとアルソックの2強が、資産リッチ×後継者問題×規模の経済という条件の揃った中小警備を取り込む流れ。しかもこれは願望ではなく、東洋テックは筆頭株主セコム27%+関電14%が政策株売却へ、トスネットは光通信20%×創業家38%×セコム15%と、買い手候補がすでに株主名簿に座っている。拾い方は資産で下値が守られた低PBR警備を、再編が騒がれる前に準主力3〜5%で少しずつ。特需の器を高値で買わないこと。
— 沼田
2026.08.09
【トスネット(4754)|B++で新規紹介/警備シリーズ②】仙台本社・東北トップの交通誘導警備。先に正直に言うと本業はいまいちで、2026年9月期は賃上げと創業者への特別功労金3億などで営業利益を8.8億→5.1億へマイナス42%下方修正した。それでも狙う理由は資産と資本構成にある。8/7終値1,520円で時価総額70.7億に対しネットキャッシュ48.3億=68%、差し引いた事業のEVはわずか22.4億(EV/EBIT4.4倍・EV/EBITDA3.1倍)。NAV中立1,905円に対し17〜24%のディスカウントで、キャッシュ調整後PERは4.2倍。そして直近2カ月で資本イベントが3件——①光通信グループが議決権20.04%で持分法適用関連会社化(純投資から損益を取り込む関与への質的転換=増配圧力が制度として効き始める)②創業家の佐藤雅彦氏が個人保有11.89%を全量、資産管理会社「有限会社元気」へ譲渡し38.08%に集約(MBOの受け皿が完成)③セコムも15.5%の2位株主。大増配・MBO・TOBのどれに転んでも報われ、どれも起きなくても現金68%が下値を守る非対称。なお8月7日開示の3Qでは、累計こそ最終益マイナス58.5%だが3Q単独は営業プラス3.4%・経常プラス10.8%と増益へ転換し、自己資本比率も75.2%→77.3%、有利子負債倍率0.10→0.05へ改善。ただし最終益の通期進捗は29.9%と大きく遅れており4Qのハードルは高い。準主力3〜5%・少額から、触媒の実現時期は読めないので待てる金で。完全版レポート付き。
— 待伏
2026.08.08
【東洋テック(9686)|B++で新規紹介/警備シリーズ①】大阪・関西地盤の総合警備。2026年3月期は万博の警備特需と価格改定で売上+23.3%・営業益+177.6%と実力が開花したが、見るべきは万博を剥がした後の“土台”のほう。8/7終値1,624円でPBR0.73倍・自己資本比率59.2%、時価総額約174億に対し投資有価証券43億+賃貸用不動産69億(いずれも税後)を差し引くと、警備+ビル管理という中核事業の実質EVはわずか55億=EV/EBITDA1.8倍。同業のM&A相場5〜8倍に対し、資産の裏付けと事業そのものの二重の割安になっている。配当は第13次中計でDOE3.0%を下限と明記=BPS成長に連れてフロアが切り上がる実質累進配当で、万博反動の減益期(EPS189→121円)でも71円を据え置き8期連続で減配なし。TOYO-TECプレミアム優待倶楽部と合わせた総合利回りは100株4.37%→500株4.99%→1,000株5.30%→2,500株5.60%と、買い下がって現物を積むほど厚くなる設計。1,000株なら5年で累積26.5%=実質取得原価は約1,194円まで下がる。そこへ筆頭株主セコム27.2%が2026年6月に取締役2名を送り込み、関西電力14.3%の政策保有株売却計画と2026年7月施行の独立役員規程改正で再編の期限が制度的に迫る。会社自身も中計で株価2,000円・PBR1倍を目標に。留保はセコムが20年動かなかった実績・27/3期の減収減益・のれん25.2億の減損・薄商い。再編は“払っていないコールオプション”として扱い、準主力3〜5%を現物で買い下がる。完全版レポート付き。
— 花岡
2026.08.07
【アクティビスト先回り投資・実例編/シリーズ完結】①総論・②スマートマネー・③実践で説いてきた「資産に対して極端に安い株には、いつか必ず外圧が来る。だから来やすい構造の銘柄に、来る前から座っておけ」——その“いつか”が、この数か月で立て続けに現実になった。ダイケン(5900)にグローバル・マネジメントが5.00%を純投資で取得、群栄化学(4229)にDOE5パーセントが4か月で7.18%まで積み増し(目的は重要提案行為=最も熱い)+顧客の信越化学も5%株主入り、遠藤照明(6932)にアドバンテッジパートナーズ系が転換社債で潜在13.01%=創業家系アーバン33.4%と合算46.4%の非公開化の素地。そして同業の岩崎電気は2023年にカーライル系とのMBOで前日終値+83%の4,460円で退場し、「外圧が来た先に何が起きるか」を実演済み。本稿はこの4例を横断し、外圧の“温度”を純投資→重要提案→MBOの階段として整理する。ただし守田が釘を刺す通り、純投資止まり・支配株主の壁(ダイケン52%/群栄自己株26%/遠藤33.4%)・時間軸が読めない・織り込み後の高値づかみ、という4つの戒めがある。外圧は“来たらボーナス”であって主役にしない。先回りとは当てにいくことではなく、当たっても外れても困らない場所に先に座っておくこと。
— 待伏
2026.08.06
【ヤマウHD(5284)|B++で新規紹介/割り込み】8/5の1Q決算で営業益▲29.9%を受けPTSで2,180円まで売られ、本日6日の前場終値は2,230円。ただし1Qはこの会社にとって通期営業利益の1割しかない最小の四半期で、減益額145百万は通期計画3,520百万のわずか4.1%——PTSの下げ▲4.5%とほぼ等価で、狼狽売りではなく妥当な調整だ。減益の犯人も主力のコンクリート二次製品1つだけで、水門(黒字転換)・橋梁(受注残+166%)・点検補修(+93.1%)はむしろ改善している。そのうえで2,230円はPER6.00倍・現金調整後5.17倍・EV/EBITDA約2.5倍・配当利回り5.02%・自己資本比率64.8%の実質無借金。同業のヤマックス(PER7.5倍)・ベルテクス(14.0倍)より利益率が高く財務も強いのに、PERとPBRだけが最も低い。営業利益率は2019/3期3.6%→2026/3期16.7%へ切り上がったのに、市場はいまだ利益率3%時代の評価を当てている。下値は親会社保有42.3万㎡の土地含み益(税後推定29億=1株480円)とネットキャッシュ33億が支える。国土強靱化20兆円強の5か年は今期が初年度。創業家系14.5%を含む上位10位48.6%とEV/EBITDA約2.5倍でMBOの財務条件は揃うが、材料化はゼロ=無料のオプション扱い。留保は11月上旬の2Q(上期消化率41.9%は過去48〜53%に劣後、下方修正確率30〜40%)・売上は縮小・1日売買代金7,000万円の薄商い・2031年以降の需要の谷。リスクリワード1:1.5ゆえ全力一括はせず、2,150〜2,250/2Q確認後/1,900円割れの三分割で。完全版レポート付き。
— 河内
2026.08.05
【照明インフラ株シリーズ③・総括編/完結】個別2銘柄から一歩引いて、照明“業界そのもの”の妙味を数字で解剖。①国内の照明ストックは約18.1億台でLED化率67.5%=まだ約6億台が未更新、しかも器具ごと更新が推奨されLED照明器具市場は2024年9,200億円→2030年1兆2,800億円へ。制度も追い風で直管形蛍光灯は2027年末に製造終了(2028年1月から禁止)。②なのに上場して買える純粋照明株は星和×遠藤の実質2枚だけ——岩崎電気は2023年に83%プレミアムのMBOで退場し、コイズミ・オーデリック・大光・アイリスは非上場。③そこへ東証のPBR是正・政策保有株削減が重なる三重の妙味。ただし2銘柄では分散が効かず2029年以降は需要の谷が来るため、総資産5〜10%・遠藤70/星和30・買い下がりで。握力は根性ではなく「なぜ下で止まるか」の理解から生まれる。
— 沼田
2026.08.04
【日本フェンオール(6870)|A−で新規紹介/割り込み】7/31大引け後の中間決算で「純利益▲39.5%」の見出しに反応して急落。だが中身は逆で、減益の正体は前年の特別利益392百万(うち関係会社清算益323百万)の消滅であり、経常は+26.1%・営業は+12.3%の増益。サーマルの受注は+104.5%と倍増、SSPの利益率27.6%は過去最高水準。株価2,229円のうち1株金融資産は1,714円=77%を占め、事業EVはわずか28.9億=EV/EBITDA1.7倍・金融資産控除後PER3.3倍。政策保有株の含み益を全額ゼロと置いた実質BPS2,357円すら株価が下回る。原発(柏崎刈羽・玄海3,4号機)や石油化学プラントの防災を担うニッチトップで、香港GMP26.0%+西華産業23.3%=49.3%の株主構成からTOB期待も。待つ間も配当利回り3.50%(78円・6期連続で毎年2円ずつ増配)。配当性向34%・DOE2.8%と低く増配余地が大きい。買い方は2,230/2,050/1,880円の3段ラダーで加重平均約2,060円、撤退判断は10/30の3Q決算でSSP受注を見る。留保は2022年の型式承認不正の履歴・流動性1割台・ROE目標6%<実績8.8%。完全版レポート付き。
— 河内
2026.08.03
【遠藤照明(6932)|Bで新規紹介/照明インフラ株シリーズ②】星和電機とは真逆の一枚。含み益ゼロ・実質BPS2,608円≒株価2,606円=実質PBR1.00倍で「資産バリューではない」。買う理由は①商業施設のトータル照明ソリューション(Smart LEDZ粗利41%・営業利益率10.4%)②PEアドバンテッジパートナーズ系が転換社債で潜在13.01%+創業家33%=非公開化の素地(岩崎電気のMBOプレミアム83%が前例)。転換価額2,230.5円に対し現値は16.8%イン・ザ・マネー。現値は“バーゲン”ではないため打診まで、主力化は2,300円以下から。完全版レポート付き。
— 待伏
2026.08.02
【星和電機(6748)|B+で新規紹介/照明インフラ株シリーズ①】プラント防爆照明のニッチトップ(照明機器の利益率20%)を、政策保有株ごとPBR0.49倍で拾う。時価総額95億のうち43億が政策保有株=事業の実質EVは約61億で営業利益の3〜4年分。リターンの主エンジンはPBR是正ではなくBPSの複利成長で、「PBRが一生0.49倍のままでもBPS年10%積み上げ=配当込み年8〜12%」という設計=是正されれば嬉しいボーナス、されなくても勝てる。追い風は蛍光灯の製造禁止。留意は信用倍率600倍・情報機器受注▲42%。なお防爆の競合・岩崎電気(旧6924)は2023年にカーライル系とのMBO(83%プレミアム)で上場廃止済みのため、防爆・産業用照明を上場株で買う選択肢は実質この星和だけ。完全版レポート付き。
— 河内
2026.08.01
【野村流レバレッジ論②|信用キャリーの10年設計】現物4,000万の高配当バリュー株に同額の信用を重ねると何が起きるか。金利1.69%÷調整金受取率84.685%=損益分岐は配当2.00%。配当4%なら現物3.19%+信用1.35%=合算実効4.54%で、10年後6,236万(現物のみ比+761万)。ただしこれは株価成長ゼロの下限ケース——ROE10%・配当性向50%ならBPSは年5%で自己増殖し、増配2%+株価2%なら10年で+1,301万に上振れる(レバ2倍ゆえ株価成長も2倍で効く)。加えて調整金は譲渡損益扱いのため損出しが毎年確実に還付へ変わる。一方で▲33%で追証、▲50%で自己資本消滅。完全版レポート付き。
— 野村
2026.07.31
【三協フロンテア(9639)|B++で新規紹介】ユニットハウス最大手。震災の応急仮設需要は確実に来る——しかも27/3期の会社計画590億は災害要因を織り込んでおらず計画外の上振れになる。能登の実績では粗利率が1.2pt下がっても粗利額はむしろ増加(220.4億>219.8億)=受注急増なら率より額。ただし一過性で翌期は反動減ゆえ「上振れ」に置き、土台は別に用意する。その土台=ストック収入48%×ROE11%×EV/EBITDA3.48倍×配当3.91%が「流動性枯渇+従属上場(創業家69.3%)」という構造理由だけで▲40〜60%放置されている点。ナガワはROEで劣るのにPER23倍=差は株主構成。カタリストはMBO(環境は完璧だが確率3年内20〜30%)と東証の親子上場規制。
— 守田
2026.07.29
【復興テーマ|担い手を資本で支え、果実を被災地へ】災害で儲けるのではなく、復興を担う企業に出資して応援し、利益の一部を被災地支援に充てるという順序を定義。世間が向かう下流(仮設・若築建設/ヤマウ等ゼネコン)より、工程の最初で息の長い上流=解体TANAKEN・調査応用地質・切断第一カッター・資産ダイケンの既紹介ディープバリューに妙味。仮設は三協フロンテア/ナガワ(長期優待が手厚く100株欲しい)。7/29、初動が鈍い×バリューを積極収集中。被災された方々にお見舞い申し上げます。投資助言ではありません。
— 沼田
2026.07.29
【野村流|信用維持率の設計図=平時レバ2倍の作法】信用は「どれだけ建てるか」が9割。維持率=現物×(1−下落率)÷〔信用×(1+下落率)〕でストレステストすると、資産バリュー現物を土台にすれば現物:信用100:100(レバ2倍)でも株価半減で維持率33%=追証にならない。▲30%なら54%で更に買い向かえる。三つの余力源(維持率バッファ・含み益・定期入金)と、金利1.69%・損切りラインの規律。レバナス小猿も乱入。投資助言ではありません。
— 野村
2026.07.29
【相場考察|キオクシア(285A)の急落を“需給”で読む】7/28ストップ安・終値44,550円、上場来高値から1か月で半値以下。信用倍率36.75倍・信用買残1,388万株・貸株残わずか700株という重い需給から「追証の投げはまだ終わっていない=すぐのV字急反発は考えにくい」を野村が解説。現況⑤「急落買いの作法/セリクラ」の時事・実践版。普段は触らない超人気株・投資助言ではありません。
— 野村
2026.07.23
【テレビ東京HD(9413)|B+で新規紹介】時価総額の68%が現金・有価証券=EV/EBITDA1.9倍で放送+NARUTOのアニメIPがタダ同然・PBR0.90倍。ただしTOB/MBOは放送法+日経33%で封印=「持って報われる」複利型。日本BS放送(9414)との「TOBで報われる型/持って報われる型」対比つき。
— 河内
2026.07.22
【片倉工業(3001)|B++で新規紹介】旧・製糸の名門が、さいたま新都心コクーンシティに土地含み益915億+ネット金融資産592億(株価の71%)。修正NAV4,830円に対し株価2,640円=NAVの55%・▲45%割安。筆頭株主が約11%のアクティビストで還元強化は既に始動。東部NW・広済堂と並ぶ資産×カタリスト型。ライバル総出演。
— 沼田
2026.07.21
【コラム】箱売りシリーズ医療版を公開。薬・バイオは専門家でも見通せない——だから「方向性・業界成長・シェア」の構造だけで買う。徹底売り込みで高配当化したEMシステムズ(2,000株まで現物で優待)とタウンズ(累進配当5.8%で流行を待つ)。優待がなければ金利1.69%との利ザヤで信用保有もあり。
— 沼田
2026.07.20
【コラム】「建設株は死んだのか?」公開。原油高→資材高騰の箱ごと売りで、資材とほぼ無関係な銘柄まで安い——応用地質・第一カッター・TANAKEN・ダイケンの4銘柄を「どんどん集めていく」と宣言。総合利回りを待ち賃に買い下がる。番外編=櫻島埠頭は"金融株"の引き出しで利上げ局面に。
— 沼田
2026.07.19
【櫻島埠頭(9353)|B++で新規紹介】時価総額43億に対し保有MUFG株の時価52億=「MUFGを2割引で間接保有+大阪港独占埠頭がタダ」の証券含み益型。個人投資家が半年で10.25%買い集め・有報に売却検討の明記。ただしMUFG連動+極小流動性=東部NW(A++)とは別の引き出しで少額指値分割。
— 河内
2026.07.17
【現況④公開(振り返り編)】「日本市場で最も安いかもしれない」岡谷鋼機(A・200株)と東海エレクトロニクス(A+・700株)の現況。板が薄く一度に買えないため、地合い悪化時の売り板に少しずつぶつけて集める方針を解説。東海エレは信用で集めて権利前に現引きする技も。ランクは両銘柄据え置き。
— 沼田
2026.07.16
【タウンズ(197A)|B+で新規紹介】利回り5.8%・「28円以上」明文化の累進配当×ROE40%の感染症POCT株。配当をもらいながらイベントを待つオプション設計。ただし割安の正体は正当なディスカウント=準主力3〜5%上限・打診買いから。ライバル陣営も乱入。
— 花岡
2026.07.14
【現況③公開+主力の席替え】PF主力「不動産含み益リッチ」組の現況を公開。東部ネットワークはA+→A++へ格上げ(1,317円まで走ってなお期待比+144%・27,500株フルホールド)、広済堂はA++→A+へ(548円はまだ安いが新規資金は東部優先)。京阪HD300株のサブ枠も開示。
— 沼田
2026.07.14
【現況②公開+ランク改定】「紹介銘柄の現況②(北里・神栄)」公開。北里はA−→Aへ引き上げ(PF調整で1,000株を1,340円で利確・3,400株継続)、神栄はA→A−へ改定するも売り検討せず2,400株フルホールド。ランク(妙味)とロット(資金管理)は別物。
— 沼田
2026.07.10
【現況シリーズ始動】「紹介銘柄の現況①(SaaS系)」公開。NSSOLはA→B++へ(900株を3,775円で利確・1,100株継続)、菱友はA→A−(400株買い増し・2,400株)。ランクは株価に応じて定期改定、ロットはランクに応じて調整していく。
— 沼田
2026.07.10
【応用地質(9755)|B+で新規紹介】地質調査シェア断トツ首位×ネットキャッシュ36%×PBR0.81倍×配当4%。国土強靱化20兆円と盛土規制法(調査の法定需要化)が追い風。優待は400株/600株で段差・継続1年でpt1.1倍。
— 河内
2026.07.09
【EMシステムズ(4820)|B+で新規紹介】調剤レセコン42.8%首位の医療DX寡占ストック。配当性向100%・FY27計画47円なら取得利回り9.3%。特需の谷(Q1営業益▲86%)につき、8月の2Q決算を挟んで分割エントリーで。
— 花岡
2026.07.09
【表記訂正】TANAKENの親会社スリーハンドレッドHDは非上場のため、「親子上場」→「実質親子上場(支配株主ディスカウント)」へ記事表記を修正。利益相反・低流動性という経済実態と投資ストーリーは不変。
— 待伏
2026.07.08
【第一カッター興業(1716)|B+で新規紹介】時価総額の53%が現金・PBR0.79倍・EV/経常3.9倍。国土強靱化の維持補修需要の受け皿で、資材高はむしろ相対優位。TANAKENと真逆の「守り」枠。
— 夜見
2026.07.07
【TANAKEN(1450)|A−で新規紹介】解体専業で国内唯一の上場。資材を積まず鉄を売る側なのに「建設株」一括売りで、ROE16%×PER8倍×配当4%に放置されている。
— 堀田
2026.07.05
【隠れ国策シリーズ】「少子化マネーの関所」北里(368A)編を公開、翌7/6に双子の日本ホスピス(7061)編も公開。国が構造的に金を出し続ける市場の独占者を、安いうちに拾う。
— 沼田
2026.07.02
【ダイケン(5900)|B++で新規紹介】PBR0.34倍・昭和取得の土地含み益42億・NCAV>株価。流動性が薄いので少しずつ拾う長期枠(長期ならA+級)。
— 河内
2026.07.02
【シリーズ完結】「アクティビスト先回り投資」全3話を7/2〜7/4で連続公開。大量保有報告書の追い方(スマートマネー編)から実践チェックリストまで。
— 待伏
2026.07.01
【コラム】野村の錬金術:買い方金利1.69%時代の税込み損益分岐は配当約2%。損出し+3年繰越の節税まで。信用を使うなら必読。
— 野村
2026.06.28
【コラム】「SaaSは死んだのか」公開。AIで死ぬのは浅いSaaSだけ——一括売りは歪み。ERP・SI・規制ITの構造優位を確認。後のNSSOL・菱友・EMシステムズ仕込みの土台。
— 沼田
2026.06.24
【コラム】野村のニッチ投資論①「東京の火葬場独占ディスカウント」公開。広済堂HD(7868)の資産の源泉を制度面から深掘り。
— 野村
2026.06.19
【教科書シリーズ】「バリュー投資の教科書」を6/19〜22で4連投。①日本市場の歪み→②ネットネット→③バフェット商社→実践編(日本のネットネット株の探し方)。
— 沼田
2026.06.17
【日本ギア工業(6356)|Aで新規紹介】最高益率なのに最低PER——市場のセクター一括処理が生んだ歪みの典型。
— 堀田
2026.06.13
【集中連載】守田「投資家の意思決定論」全4話+花岡「配当シリーズ」全4話を6/13〜16で公開。NISA vs 信用の期待リターン比較も。資金管理と出口の土台はこの一群。
— 守田
2026.06.11
【広済堂HD(7868)|A+→A++に格上げ】株価が更に下落し、NAV1,021円との乖離が一段拡大。ダウンサイドはBPS床のみ・アップサイドは据え置きで非対称性が改善。「下げが投資妙味を高めた」格好。売却検討は継続中、ポジション積み増し検討。
— 待伏
2026.06.09
【NSSOL(2327)】アクティビスト3D の動向を注視中。6/19総会後の防衛策消滅で買い増し解禁へ。変更報告書に即反応できる体制を維持。
— 待伏
2026.05.29
TOB件数が加速中。日本の割安ニッチトップが今熱い!
— 沼田

🧑‍💼 筆者

沼田 堅一
課長・プレイングマネージャー
野村信用を活用したバリュー株×TOB待ち伏せ戦略。TOBヒット20件超。【目標】4,326万円 → 2億円(2030年)

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📝 更新状況

🎯 TOBヒット実績

20
上場廃止ヒット
上場維持含む合計 30件超
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銘柄分析
中央可鍛工業 (5607)
自動車部品の鋳造専業
3年保有想定の 期待価格
782円
現在比 +25〜+83%
シナリオが大きく崩れない限り保有継続 — 崩れた場合は売却を検討
現在株価
601円
2026/8/21時点
3年期待価格
782円
期待リターン
+25〜+83%
最大下落
▲20%
修正PBR
0.30倍

銘柄紹介|中央可鍛工業(5607)— 601円の値札を分解したら、508円が現金と株だった。残り93円で買えるのは売上387億・EBITDA39.7億の鋳造事業。EV/EBITDA1.23倍、PBR0.30倍【資産バリューの極北/名証単独】


🦦 「割安発掘担当の河内です。今日は、いつもの順番を変えてみます財務諸表からではなく、値札から入ります

🦦河内中央可鍛工業(5607)の株価は601円ですこの601円で、私たちは何を買っているのか——レシートみたいに分解してみましょう


🧾 601円のレシート|内訳は、こうなっています

🦉夜見「財務分析担当の夜見です。2026年3月期のバランスシートから、1株あたりに割り戻します

🧾 お買い上げ明細(1株601円) ・現預金 80.65億円 − 有利子負債 34.47億円 = ネットキャッシュ 46.18億円 … 293円 ・投資有価証券(時価)34.02億円 … 215円金融資産の小計 … 508円(株価の84.5% ・───────────────── ・差引き、本業に払っている値段 … 93円

🦦河内601円払って、508円ぶんは現金と株が入っています事業そのものに払っているのは、残りの93円だけです

🦉夜見総額で言い直すと、こうなります時価総額94.9億円(自己株控除後15,785,499株)から金融資産を引いた実質的な企業価値(EV)は48.7億円

その48.7億円で買えるもの(26/3期実績)
売上高387.2億円(前期比+7.7%)
営業利益18.9億円(前期比+59.5%・利益率4.89%)
EBITDA39.7億円(営業利益18.9億+減価償却20.8億)
EV / EBITDA1.23倍
EV / 営業利益2.6倍営業利益の0.8年分

🦉夜見EV/EBITDA1.23倍です投資有価証券まで控除すればEVは14.7億円まで下がり、EV/EBITDAは0.37倍になります理屈上ありえない水準で、だからこそ何かが引っかかっているはずだ、と考えるのが健全です

🦞守田ネットキャッシュの定義も、保守側を併記しておく

⚖️ ネットキャッシュを2つの定義で借入金ベース(主系列)… 現預金80.65億 − 借入金34.47億 = 46.19億円=1株293円リース債務まで含める保守ケース… さらに6.34億を控除して 39.84億円=1株252円どちらで見ても、ネットキャッシュだけで株価の42〜49%を占める26/3期は減価償却20.8億円が設備投資15.6億円を上回っており、キャッシュが自然に積み上がる局面にある

🦉夜見もう一つ、レシートの215円の中身も割っておきます投資有価証券34.02億円は時価計上ですが、その原価がいくらだったのかを2つの経路で検算しました

経路① 評価差額金から逆算金額
投資有価証券(BS計上額=時価)34.02億円
その他有価証券評価差額金(税効果後)19.73億円
→ 税前の含み益(実効税率30%で還元)約28.2億円
→ 逆算される取得原価約5.8億円(時価は原価の約5.8倍
経路② 実際に売った株で検算金額
投資有価証券の売却による収入(CF計算書)6.63億円
投資有価証券売却益(特別利益)5.63億円
→ 売却した株の簿価1.01億円(売却額は簿価の6.59倍

🦉夜見評価差額金から逆算した『原価の5.8倍』と、実際の売却で実現した『簿価の6.59倍』が整合しました独立した2つの経路で同じ結論が出たので、含み益が約28億円あるという点は信頼できます

🦞守田留保を1つ評価差額金は時価評価対象(上場株等)にのみ発生し、非上場株式は原価計上のままだ34.02億円に非上場分が含まれていれば、逆算した原価5.8億円はその分ずれる

🦦河内引っかかりの話は、記事の後半で正面から扱います先に、93円で買っている事業の中身を見ておきましょう


🦫 93円で買う事業|「参入されない産業」に80年居座る

🦫堀田「モート担当だ。この会社の堀は、業種そのものに埋め込まれている

🦫堀田1944年創業。可鍛鋳鉄(マレアブル)を社名に冠する国内数少ない専業メーカーだ名証上場は1961年——80年超の歴史そのものが、この産業の参入障壁の証明になっている

🏭 なぜ誰も入ってこないのか装置溶解炉・造型ラインという巨額の設備が要る金型車種ごとの金型・木型が資産として積み上がっている技能熟練の鋳造技能は買ってこられないそして鋳造は騒音・粉じん・高温の典型的な3K産業——新規参入は事実上存在しない

🦫堀田面白いのは、市場が縮んでも個社シェアが上がる構造になっていることだ国内の鋳物業者は高齢化・後継者難・環境規制で廃業と集約が続いている生き残った側に発注が集中する——いわゆる残存者利益だな

🦫堀田加えて資本でも紐づいているトヨタ自動車4.94%、豊田自動織機3.87%が株主に並ぶ単なる取引先ではなく、供給網の一部として資本関係がある。簡単に切り替えられる立場ではない

🦉夜見受注の性質もストックに近いものがあります自動車部品は量産採用が決まると、その車種のモデルライフ(概ね6〜10年)にわたり発注が続きます生産終了後も補給部品の供給が長期間続くため、実質的に10年超の受注が積み上がる契約型ビジネスです

🦫堀田切替コストも高い鋳造品の変更は型の再製作・工程認証・品質保証のやり直しを伴う特に保安部品では、自動車メーカー側が変更を嫌う


🦞 EV化リスクは、思われているほど大きくない

🦞守田「リスク番だが、ここは逆に擁護側に回る。『自動車部品=EVで終わる』という反射的な減点は、この会社には当てはまりにくい

3つの理由①商用車比率が高い——トラックは積載・航続・充電インフラの制約から乗用車より電動化が構造的に遅い。ICE部品の需要が最も長く残る領域 ・②BEVでも要る部品が多い——デフケース、キャリパーサポート、各種ブラケット、サスペンション関連は駆動方式に関係なく必要。消えるのはタービンハウジング等の一部 ・③BEVは重い——電池搭載で車重が増えるぶん、シャシー・足回りの鋳造部品はむしろ大型化・高強度化する。単価上昇要因になりうる

🦞守田ただし弱点も置く。営業利益率4.89%は『回復した』のであって『高い』わけではない26/3期の改善は値上げ浸透によるもので、原材料が再騰すれば同じ苦しさが戻る価格決定権の弱さは構造的だ


🐊 簿外に一つだけ|熊本工場は、TSMCの隣にある

🐊待伏「イベント担当の待伏です。今日は珍しく、私に良い報告があります

🐊待伏まず会計上の整理から上場有価証券は貸借対照表に時価で載っているので、その含み益は既にBPS2,034円に反映済みです『有価証券の含み益』を上乗せ要因として数えるのは二重計上になります

🐊待伏簿外の含み益が眠っているのは、土地だけです簿価28.1億円、取得は1944年から1973年が中心

🗾 拠点別に見ると、一つだけ様子が違う熊本工場(熊本県菊池郡大津町/1973年設立)… 含み益ポテンシャル 極大 ・本社・日進工場(愛知県日進市/1944年〜)… ・岐阜久尻工場・土岐可鍛工業ほか … 小

🐊待伏大津町は、TSMCの子会社JASMが立地する菊陽町の隣接自治体です令和7年の地価公示で、大津町の工業地標準地は71,601円/㎡から95,500円/㎡へ——前年比プラス33.3%、熊本県内で最高の上昇率報道ベースでは工業地の上昇率が全国1位(+29.7%)とされています

🐊待伏1973年取得の簿価に対して、時価は桁で違う可能性がありますただし各工場の土地面積は有価証券報告書にしか開示がなく、今回は確認できていませんそこで、簿価から面積を逆算しました

仮定する国内土地面積逆算される取得単価時代整合性
10万㎡28,055円/㎡高すぎ(1944〜73年の工業地としては不自然)
20万㎡14,028円/㎡整合的
30万㎡9,352円/㎡整合的(昭和期取得の中心帯)
40万㎡7,014円/㎡ありうる(ただし工場規模に対し大きい)

🐊待伏昭和期に取得した工業用地の簿価が㎡あたり9,000〜14,000円というのは、時代と整合します従業員970名・3拠点+子会社という規模も踏まえると、国内土地は20〜30万㎡程度と推定するのが最も自然です

🦉夜見面積と単価の両方に幅を持たせて、感応度表にします数万㎡規模の一団の工業用地は標準地の単価どおりには売れず、実務上は5〜7割で評価されるため、実現可能単価は控えめに置いています

面積\実現可能単価25,000円/㎡40,000円/㎡60,000円/㎡
10万㎡▲3億(1株▲14円)+12億(1株+53円)+32億(1株+142円)
20万㎡+22億(1株+97円)+52億(1株+230円)+92億(1株+408円)
30万㎡+47億(1株+208円)+92億(1株+408円)+152億(1株+674円)

🦞守田ここで気持ちよくなる前に、割引要因を3つ置く

⚠️ 土地の含み益は「いつでも取り出せる価値」ではない土壌汚染リスク——鋳造工場は水質汚濁防止法・土壌汚染対策法上の特定施設に該当しやすく、売却時に調査・対策費用が発生しうる ・用途制限——工業専用地域なら住宅・商業への転用が不可で、買い手は同業に限られる ・事業継続前提では換金されない——操業中の主力工場を売れば、事業そのものが止まる ・したがって、あくまでNAVの安全余裕として割り引いて評価すべき

土地の前提含み益(税前)修正純資産NAV / 株株価/NAV
含み益ゼロ(簿価どおり)0321.1億円2,034円29.5%
保守(20万㎡×2.5万円)22億円336.5億円2,131円28.2%
中立(20万㎡×4.0万円)52億円357.4億円2,264円26.5%
強気(30万㎡×4.0万円)92億円385.5億円2,442円24.6%

🦉夜見重要なのは、土地の含み益をゼロと置いてもNAVが2,034円あることです株価601円は、その29.5%面積が確定していないことは、この銘柄の投資判断を止める理由にはなりません——土地含み益は判断を左右する変数ではなく、安全余裕の上積みです



🦉 その2,034円は、どこまで硬いのか

🦉夜見ここは見落とされやすいので、必ず分解しておきます『PBR0.3倍だから安全』と言うのは、雑です

純資産2,034円の構成1株換算構成比
株主資本(資本金・剰余金等)1,572円77.3%
為替換算調整勘定309円15.2%
その他有価証券評価差額金125円6.1%
退職給付に係る調整累計額28円1.4%

🦉夜見BPS2,034円のうち462円(22.7%)は、稼いで積み上げたものではなく『評価・換算差額』です

🦞守田とくに為替換算調整勘定309円が重いこれは中国(蘇州)・台湾の海外子会社の純資産を円換算した際の差額で、円高が進めば目減りする1Qで為替差損0.77億円が出たのと同じ力学が、バランスシート側でも働いているということだ

🦦河内では、いちばん保守的に測るとどうなるか評価・換算差額を全額剥がして、純粋に稼いで積み上げた株主資本だけで見ると1株1,572円です

🎯 最も保守的な尺度でも ・株主資本のみ(評価・換算差額をゼロ扱い)… 1株1,572円株価601円は、その38%どの角度から測っても割安、という結論は変わらない——ただし安全域の実体は2,034円ではなく1,572円のほうにある

🦉 直近の決算|「経常39%減益」の中身は為替差損だった

🦉夜見2026年8月6日に27/3期1Qが出ています。見出しは『4-6月期(1Q)経常は39%減益』でした

27/3期 1Q実績前年同期比
売上高99.54億円+9.4%
営業利益3.48億円▲14.3%
経常利益4.43億円▲38.9%
純利益3.32億円▲47.5%

🦉夜見営業▲14%が、なぜ経常▲39%まで増幅したのか営業外収支が+3.20億円から+0.95億円へ、2.25億円落ちたためです

🔍 1Qの営業外損益の内訳 ・受取利息 +0.04億円/受取配当金 +0.57億円/持分法投資利益 +0.65億円 ・為替差損 ▲0.77億円営業段階の悪化は、わずか0.58億円にとどまる主力の可鍛事業(売上の97%)はセグメント利益▲5.8%、売上は+9.5%

🦞守田『一過性だから無視』とは言わないこの会社は営業利益率5%前後の薄利型で、円高・原材料高・トヨタの減産という3つの外部変数に業績が振られやすい1Qの為替差損は、その感応度が実際に効くことを示した『毎期こうしたブレが起きる会社』と理解しておけ

🦉夜見通期予想の減益(純利益▲27.6%)についても補足します大部分は26/3期に計上した投資有価証券売却益5.63億円の剥落です実力の悪化ではありません。そして裏を返せば、残り34億円の政策保有株は『将来の利益と現金の在庫』ということになります

🦦河内株価の動きも、正確に書いておきます発表日の8月6日は高値621円から安値587円まで突っ込みましたが、終値は602円出来高41,900株は平時(1〜2万株)の3〜5倍でしたが、売り一巡後の値持ちは悪くありません年初来高値750円(2/9)からは▲20%で、これは決算1本で作られた下げではなく、2月以降の緩やかな水準訂正の一環です


🦞 では、なぜ安いのか|6年間、誰も買わなかった

🦞守田ここからが本題だここまでの話が本当なら、この株はとっくに買われているはずだ。買われていない理由を、正面から書く

🦞守田第一に、実績があるこの株は2019年から2024年までの6年間、PBR0.2倍台に放置され続けた

放置の記録2022年の年間値幅は390円〜434円——わずか44円 ・2020年の安値302円時点でも、PBRは0.2倍台前半「割安である」ことは「上がる」ことを意味しない——カタリストが5年来なかった歴史が、実際にある

🦞守田第二に、流動性が薄いここが最大の実務的制約だ

流動性の実態
2026年 年初来出来高(8/14まで)195万株 ÷ 発行済1,602万株 = 回転率12%
2025年 通年回転率 9.3%
1日平均出来高1.28万株
1日平均の売買代金約770万円

🦞守田300株(18万円)なら何の問題もないだが300万円を超えるポジションは分割執行が必須で、1,000万円超は出口に数日から数週かかる成行は厳禁、指値必須だ

🦞守田第三に、BPSは床にならないPBR0.30倍で買っても、0.25倍・0.20倍まで下がりうる需給が薄い銘柄では、理論値は機能しない

🦞守田そして第四に、変化を強制する主体が現状どこにもいない上位株主に銀行・生保が並ぶ持ち合い構造、名証単独上場で東証の資本コスト経営要請の直接対象外、配当性向12.8%、アクティビスト不在ディスカウントの最大の根拠は、ここだ


🐊 だが、条件は揃っている|MBOの教科書に載っている型

🐊待伏先に釘を刺しておきます。現時点でMBO・TOB・アクティビスト参入に関する報道・観測・大量保有報告は、いずれも確認されていません以下は『構造的に該当しやすい条件を満たしている』という分析であり、進行中の案件を示すものではありません

🎯 近年の日本のMBOが狙い撃ちしてきた条件PBR0.30倍(解散価値を大きく下回る)… 創業家が経営を握る(社長は武山豊氏、武山尚生氏2.63%、子会社に武山鋳造)… 名証単独上場(上場維持コストに対する便益が薄い)… 低流動性(1日770万円)… そして実質的な買収額は約50億円——時価総額96億円からネットキャッシュ46億円を引いた額。買収資金の半分は、会社自身の現金で賄える

🐊待伏動きうる引き金は、他にもあります

触媒中身
政策保有株の相互解消同社は既に売却を開始(26/3期に売却益5.63億円)。残34億円。保有される側も三菱UFJ4.12%・三井住友3.75%・第一生命3.43%・名古屋銀行2.71%の計14.0%が解消候補
次期中期経営計画中計2025は26/3期で期間終了、次期は未発表。ROE・PBR・還元方針が入れば再評価のトリガー、入らなければ追認
還元政策の転換余地配当性向12.8%→30%なら1株30.4円=利回り5.07%。DOE2%なら40.7円=6.78%。自社株買いならネットキャッシュ46.2億円で時価総額の約49%を買える
名証単独という伸びしろ東証の要請対象外だから改善が遅い=まだ何も織り込まれていない。圧力が名証に波及すれば、出発点が低いぶん変化幅は大きい

🦩 優待|9月28日が権利付最終日、そして300株が最適解

🦩優田「優待担当の優田です。この銘柄には、待つ間の燃料があります

🦩優田2026年5月11日に、株主優待の拡充と増配(18円→19円)を同時発表しました長期保有特典の新設は、会社が安定株主づくりに舵を切ったシグナルです小粒ですが、方向としては還元強化の一歩

保有株数投資額配当(19円)優待総合利回り
100株60,100円1,900円500円3.99% → 3.99%
300株180,300円5,700円1,500円→2,000円3.99% → 4.27%
1,000株601,000円19,000円2,000円→3,000円3.49% → 3.66%

🦩優田1,000株は投資額が3.3倍になるのに、優待は1.5倍にしかなりません総合利回りは逆に下がります利回り効率だけを見れば、300株が最適解です

🦩優田優待はQUOカード、権利確定は9月末の年1回、贈呈は毎年12月権利付最終日は2026年9月28日(月)です——この日程の考え方は8月・9月の権利をまたぐべきかにまとめてあります

🧑‍💼沼田ここが設計上の美点だ配当と優待で年4.0〜4.3%が積み上がる。つまり待っている間、こちらは損をしていない6年放置された歴史がある銘柄で、これは効く


🦅 乱入|「名証の鋳物屋に、円建てで金を縛るの?」

🦅ドル建て鷹「……面白い分析だ。だが一つ聞いていいか。お前たち、その株を売れるのか?

🦅1日の売買代金770万円。名証単独。円建て私なら同じ資金でS&P500に置く。年8%の期待値が、板を気にせず、いつでも現金化できる形で手に入るPBR0.3倍が0.2倍になる可能性がある株に、出口の効かない状態で金を縛る意味がどこにある

🦞守田鷹、今日はお前が正しい。少なくとも半分は流動性はこの銘柄の最大の実務的制約で、私も同じことを言った

🦅「認めるのか」

🦞守田認めたうえで、条件を付けるお前の指摘が効くのは『大きく持つ』場合だけだ

⚖️ 流動性の制約は、サイズの関数でしかない300株=18万円 … 1日の売買代金の2.3%。出口は一瞬300万円 … 分割執行が必須1,000万円超 … 出口に数日〜数週。ここから先は鷹の言うとおり

🧑‍💼沼田つまりこの銘柄は、『いくらで買うか』より先に『いくらまでなら持てるか』を決める種類の株だ順番が逆になっている投資家が、たいてい出口で詰まる

🦅……サイズを先に決める、か。それは認めようただし私は、それでもS&P500を選ぶがな

🦎日向「あっ、鷹さんの茶々、そのままエントリー前の確認事項になりますね

鷹の茶々→買う前の5つの確認いくらまでなら持てるか、先に決めたか?1日の売買代金770万円。300万円超は分割執行、1,000万円超は出口が数日〜数週成行で入ろうとしていないか?厳禁。指値必須PBR0.3倍を「床」だと思っていないか?0.2倍まで下がった実績がある。床ではない6年待てるか?実際に6年放置された。ただし待つ間、配当+優待で年4.0〜4.3%は入るMBOを主因にしていないか?報道・観測はゼロ。構造的条件を満たすだけ。これを主因に買うのは危険

🦅「……最後の一つは、私も同意する(ぐぬぬ)」


買い方|サイズを先に決める、という順番

🦉夜見「シナリオ別の水準です」

シナリオ確率株価601円比前提
ベア(放置継続)30%480〜560円▲20〜▲7%還元不変+業績下振れ。PBR0.24〜0.28倍
ベース(現状維持)35%600〜750円0〜+25%計画線・還元も横ばい。年初来高値750円への復元
ブル(資本政策転換)25%900〜1,100円+50〜+83%増配・自社株買い・新中計。PBR0.44〜0.54倍
MBO / TOB10%1,200〜1,601円+100〜+166%創業家MBO・事業会社TOB(現状は報道・観測なし

🦉夜見「確率加重の期待株価は782円、現値比プラス30%リスク・リワードは約1対2.2です加えて保有中は配当+優待で年4.0〜4.3%が積み上がるので、3年保有なら累計12〜13%が上乗せされます

🧱 握り方の設計(現値601円)最初にサイズを決める——300株(18万円)なら出口の心配は不要。300万円を超えるなら分割執行の前提で指値のみ。成行は使わない600円前後で1/3、556円(52週安値)圏で1/3、残りは次期中計の発表を見てから優待の権利を取るなら9月28日(月)まで。300株が利回り効率の最適解再評価の合図は次期中計にROE・PBR・還元方針が入るか、そして出来高が日次3万株超で定着するか1,260〜1,510円(EV/EBITDA3〜4倍換算のフェアバリュー帯)では利確を検討撤退基準:次期中計に資本効率目標が入らず、かつ営業利益率が3%を割ったら、論拠が2本とも折れる

🧑‍💼沼田評価はB++とする期待値プラス30%、NAV比▲73%、EV/EBITDA1.23倍という数字だけならA−でもおかしくないそこまで上げないのは、6年間放置された実績と、変化を強制する主体が今どこにもいないという二点が重いからだ


まとめ|「安い」と「上がる」のあいだにある距離

🧑‍💼沼田「今日の中央可鍛工業を、一枚に畳む」

論点結論
値札の内訳601円のうち508円(84.5%)が現金と有価証券。本業に払っているのは93円
その93円で買うもの売上387.2億・営業利益18.9億・EBITDA39.7億の鋳造事業。EV/EBITDA1.23倍、EV/営業利益2.6倍(営業利益の0.8年分)
事業の質1944年創業の可鍛鋳鉄専業。3K産業で新規参入なし、廃業と集約が進むなかの残存者利益。トヨタ4.94%・豊田自動織機3.87%と資本で紐づく
簿外の含み益土地簿価28.1億のみ。熊本工場はTSMC隣接の大津町で公示地価+33.3%。面積は簿価から20〜30万㎡と逆算し感応度表で提示(NAV 2,034〜2,442円)。土壌汚染・用途制限・事業継続前提という3つの割引要因あり
NAVの硬さBPS2,034円のうち462円(22.7%)は評価・換算差額(為替換算調整309円が中心)で円高に弱い。全額剥がした株主資本1,572円で見ても、株価はその38%
直近決算1Q経常▲38.9%の主犯は為替差損0.77億。営業段階の悪化は0.58億にとどまり、主力の可鍛事業は増収+9.5%
なぜ安いのか6年間PBR0.2倍台で放置された実績(2022年の年間値幅44円)。1日の売買代金770万円。名証単独で東証の要請対象外。変化を強制する主体が不在
触媒MBOの構造的条件を完全に満たす(実質買収額50億円)。政策保有株の相互解消は両サイドで進行中。次期中計が最大の注目点。ただし報道・観測はゼロ
待つ間配当+優待で年4.0〜4.3%(300株が最適)。権利付最終日は9月28日
握り方先にサイズを決める。300株なら出口は一瞬、1,000万円超は数日〜数週。指値必須

💬 沼田より 「601円の値札を割ってみたら、508円が現金と株だった。残りの93円で、売上387億・EBITDA39.7億の鋳造事業が付いてくる。EV/EBITDA1.23倍、営業利益の0.8年分——数字だけ見れば、これは異常だ。だが我々は、こういう数字を何度も見てきた。そして『異常に安い』ことと『いつか適正になる』ことのあいだには、たいてい長い距離がある。この会社の場合、その距離は実測されている。6年だ。2019年から2024年まで、PBR0.2倍台で放置された。2022年の年間値幅は44円しかない。だから今日は、いつもより長く『なぜ安いのか』に紙幅を割いた。安い理由を説明できない割安株は、ただの見落としではなく、たいてい理由のある放置だからだ。それでも書いたのは、待っている間に配当と優待で年4%が入るからだ。6年待っても、累計24%は受け取れている計算になる。そして買収するなら実質50億円で済み、その半分は会社の現金で賄える——これを見つけた誰かが動く可能性は、ゼロではない。——ただし、動くかどうかは我々に決められない。決められるのは、いくらまで持つかだけだ。だから今日の記事は、値段の話ではなくサイズの話で終える


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※本稿は投資助言ではありません。評価ランク・目標株価・下値めどは一定の前提を置いた暫定値です。現預金・有利子負債・投資有価証券・土地の簿価、その他有価証券評価差額金・減価償却費・自己株式数は2026年3月期決算短信の連結貸借対照表・キャッシュフロー計算書・純資産の部から実額を確認しています。株価および株価から導いた指標は2026年8月20日終値601円を基準にしており、時点によって異なります。土地の含み益は各工場の土地面積を有価証券報告書で確認できていないため、金額を断定せず簿価倍率のシナリオとして提示しています(税効果30%控除後)。修正純資産(NAV)はその前提に依存する概算値です。シナリオ確率は当方の主観的判断であり、統計的に推定されたものではありません。MBO・TOB・アクティビスト参入について、現時点で報道・観測・大量保有報告はいずれも確認されておらず、実現を示唆・保証するものではありません。本銘柄は1日平均の売買代金が770万円前後と流動性が低く、まとまった金額の売買は価格に影響します。株主優待の内容・継続保有の判定基準は変更されることがあります。投資はご自身の判断と責任でお願いします。

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