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🧑‍💼 筆者

沼田課長
沼田課長
課長・プレイングマネージャー
野村信用を活用したバリュー株×TOB待ち伏せ戦略。TOBヒット20件超。【目標】4,308万円 → 2億円(2030年)

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コラム|8月権利落ちで「落ちすぎた」117銘柄を仕分けたら、3つの別物が混ざっていた。もらえない優待のために買われ、翌日に売られた会社まであった【落ち分超過19社/権利がないのに下げた7社/本番の9月末・3月末に回す5つの手順】


🧑‍💼 「8月27日が権利付最終日、28日が権利落ち日だった。その日、8月末権利の銘柄だけが逆行安になった」

沼田「日経平均は前引けで+0.83%と反発している。地合いではない。だから117銘柄を全部測った——落ち分と、実際の下げを突き合わせた」

夜見「結果を先に言うと、落ち分を超えて売られたのは19社です。ただ、それより大事な発見がありました」

夜見「『落ちすぎ』という言葉が、3つのまったく違うものを指していました」


🦑 仕分けの設計|「落ちすぎ」を3つの箱に分ける

墨田「AIバックチェック担当の墨田です。分類を先に定義します」

📦 3つの箱 ・箱①:落ちるものが無いのに落ちた … 8月末に配当の権利が無い。理論落ちはゼロか優待だけ(7社) ・箱②:落ち分を超えて落ちた … 配当の権利はあるが、下げがそれを上回った(19社) ・箱③:落ちすぎに見えて、落ち分どおり … 優待価値を入れると妥当(6社)

墨田「箱③を箱①や②と取り違えるのが、このスクリーニングで最も起きやすい事故です。優待利回りを計算に入れないと、箱③が一番おいしそうに見えます」

墨田「なお、上位15銘柄については8月26日から28日の適時開示を確認しました。業績修正や配当修正などの下落要因は見つかっていません。コジマの組織変更・人事異動だけがありましたが、業績とは無関係です」


📦 箱①|落ちるものが無いのに、売られた7社

夜見「この7社は、8月末が配当の権利確定日ではありません。2月期決算で中間配当を実施せず期末一括か、決算期そのものがずれている会社です。配当の理論落ちはゼロ。落ちているのは優待の権利分だけです」

コード銘柄終値前日比決算期8月配当8月優待(100株)優待を引いた超過
6578コレックHD471円▲7.65%2月期0円QUOカード1,000円5.5%
3490アズ企画設計3,075円▲6.25%2月期0円QUOカード4,000円4.9%
9778昴5,620円▲5.23%2月期0円青森産りんご3kg4.3%
9601松竹10,660円▲3.96%2月期0円映画優待80pt2.5%
9942ジョイフル1,291円▲3.44%6月期0円15%割引券5枚3.4%
3075銚子丸1,667円▲3.14%2月期0円お食事券1,000円2.5%
2872セイヒョー1,964円▲2.63%2月期0円自社製品2,000円相当1.6%

🦩 いちばん奇妙なのは、アズ企画設計

優田「優待担当の優田です。3490アズ企画設計の優待には、半年以上の継続保有という条件が付いています」

優田「つまり8月27日に買っても、今回の優待はもらえません。一株も、一枚も」

優田「それなのに、8月26日に+1.4%、27日に+1.4%と駆け込みで買われています。そして翌28日に▲6.25%。もらえないものを買いに行って、翌日に売られた形です」

沼田「これは需給の歪みですらない。単なる誤認だ。調べれば5分で分かることを、調べずに買った人がいる」

🦦 ただし、この値段で買うかは、まったく別の話

河内「割安発掘担当の河内です。ここは強めに書かせてください。落ちすぎているのは事実です。ですが当商会は、アズ企画設計を今の3,075円では買いません」

河内「同じ不動産セクターで、当商会が過去に触った銘柄と並べます」

銘柄株価PERPBR配当利回り配当性向自己資本比率
3490 アズ企画設計3,075円8.81.100.98%8.6%24.3%
3280 エストラスト933円5.70.533.64%20.7%28.1%
8891 AMGHD2,109円6.90.483.79%26.1%39.5%
8917 ファースト住建1,143円10.60.393.76%39.9%66.8%
1911 住友林業1,330円13.60.743.76%51.1%30.5%

河内「この比較で、PBRが1倍を超えているのはアズ企画設計だけです。他は0.39倍から0.74倍。配当利回りは0.98%で、他の4社が3.6〜3.8%あるのに対して4分の1しかありません」

優田「優待を足しても届きません。QUOカード4,000円で優待利回り1.30%、配当0.98%と合わせて2.28%です。他社は配当だけで3.6%を超えています。しかもその優待は半年以上の継続保有が条件です」

守田「自己資本比率24.3%も、この比較では最低だ。ファースト住建の66.8%とは別の商売に見える水準だな」

沼田「つまりこうだ。落ちすぎているのは本当だ。だが『落ちすぎている』と『買える』は、まったく別の判定だ」

🚧 落ちすぎは「見に行く理由」であって「買う理由」ではない ・同じセクターに、PBR0.39〜0.53倍・配当3.6〜3.8%の会社が実在する ・それを差し置いて、PBR1.10倍・優待込み2.28%・自己資本比率24.3%を拾う理由がない ・歪みの大きさで順位をつけると、この判定を飛ばしてしまう ・順序は、①歪みを見つける → ②セクター内で並べ直す → ③それでも上位なら拾う

沼田「今日この銘柄を長く書いたのは、拾いたいからではない。『もらえない優待のために買われて、翌日に売られる』という現象そのものが、来月以降に効くからだ」

🔍 なぜ、この誤認が起きるのか ・証券会社のスクリーナーや優待カレンダーの多くは「権利確定月」で銘柄を束ねる ・そのため配当の権利確定月と、優待の権利確定月が区別されない ・2月期決算で中間配当を出さない会社は、8月末が「優待だけの権利日」になる ・それでも一覧上は、他の配当銘柄と同じ「8月権利銘柄」として並ぶ ・さらに権利落ち日は、優待クロスの現渡し・つなぎ売りの決済が同じ寄り付きに集中する

堀田「モート担当だ。この7社の中で、現実に建てられるのは1社だけだと思う」

堀田「9601松竹だ。時価総額1,491億円・出来高16万株。他の6社は時価総額20〜30億円台や出来高2,800株といった水準で、拾えるかどうか以前の問題になる」

堀田「松竹は2月期で年30円が期末一括、つまり8月の配当落ちはゼロ。そして歌舞伎座・東劇など、銀座に不動産含み益を抱えている会社だ」


📦 箱②|落ち分を超えて売られた19社

夜見「8月末に配当の権利はあるが、下げが理論落ち分を明確に上回ったものです。超過下落率は市場の+0.83%を加味していない粗の数字で、市場中立で見るとさらに約0.8ポイント大きくなります」

コード銘柄終値前日比8月配当理論落ち超過PBR
2999ホームポジション548円▲11.47%10円1.62%9.9%0.85
7357ジオコード1,769円▲9.51%12円1.89%7.6%4.56
8237松屋2,762円▲9.00%6円0.20%+優待3.6%※5.42
2736フェスタリアHD631円▲5.11%7円1.05%+優待3.5%1.35
8127ヤマトインターナショナル551円▲4.34%約7円1.27%3.1%0.66
2698キャンドゥ3,490円▲3.86%8.5円0.84%3.0%5.19
8185チヨダ1,014円▲5.14%27円2.53%+優待2.6%0.69
7513コジマ1,384円▲5.14%28円2.60%2.5%1.45
2685アンドエスティHD3,400円▲3.82%約23円1.32%2.5%1.89
7928旭化学工業634円▲4.23%5円2.27%2.0%0.34
3607クラウディアHD353円▲3.55%5円1.37%+優待2.0%0.65
9842アークランズ1,834円▲3.63%20円1.63%2.0%0.90
7599IDOM1,248円▲3.63%約22円1.70%1.9%1.40
8011三陽商会1,688円▲3.72%約32円1.82%1.9%1.27
8273イズミ1,043円▲3.60%15円1.39%+優待1.8%0.74
3222USMH826円▲2.82%8円0.94%+優待1.5%0.83
9946ミニストップ1,817円▲2.94%10円1.47%1.5%2.21
8233高島屋2,400円▲2.58%20円0.81%+優待1.5%1.54
7805プリントネット702円▲3.97%13円2.46%1.5%0.77
7219エッチ・ケー・エス2,543円▲4.22%65円2.82%1.4%0.32

※松屋の単日超過は8.8%だが、権利付最終日の駆け込み高を差し引いた実質。詳細は後述。

夜見「最大は2999ホームポジションの▲11.47%、超過9.9%です。会社固有の開示はありません」

優田「この会社の優待は1,000株以上が対象です。100株保有者に落ちる優待はありません。1,000株ベースで見ても落ち分は約4.9%で、なお6.6ポイントの超過が残ります」

🦦 バリュー基準で見ると、順位が入れ替わる

河内「割安発掘担当の河内です。超過幅の大きい順に並べると、上位はPBR4〜5倍のグロース株になります。7357ジオコードはPER46倍・PBR4.56倍、2698キャンドゥはPER124倍・PBR5.19倍。権利落ちに便乗した利益確定と見るのが自然で、うちの基準では拾えません」

河内「絶対水準の安さで並べ替えると、こうなります」

💎 バリュー基準で見た上位 ・7219 エッチ・ケー・エス … PER7.2倍・PBR0.32倍。超過幅は1.4%と小さいが、今回の一覧で最も安い部類。自動車アフターパーツ ・7928 旭化学工業 … PBR0.34倍。優待QUO1,000円込みでも落ち分2.3%に対し▲4.2% ・8185 チヨダ … 配当利回り5.33%・PBR0.69倍。8/26・27に駆け込み買いが無く、通算▲5.41%で落ち分を明確に超過 ・8127 ヤマトインターナショナル … PBR0.66倍。アパレル小型で流動性は薄い

河内「チヨダは高配当×低PBRでは筆頭です。ただし靴小売という構造的な逆風があるので、そこは別途点検が要ります」


📦 箱③|落ちすぎに見えて、実は落ち分どおりの6社

優田「ここがいちばん危ない箱です。下落率だけ見ると上位に並ぶのに、優待価値を入れると妥当な水準になります」

コード銘柄前日比理論落ち差引なぜ妥当か
6543日宣▲5.77%約5.1%▲0.7%QUOカード5,000円で優待利回り4.08%。落ちでほぼ説明がつく
9979大庄▲3.65%3.39%▲0.3%配当8円+飲食券3,000円。ほぼ理論どおり
4433ヒト・コミュニケーションズHD▲4.18%約4.3%+0.1%8月期の期末配当が丸ごと落ちる構造。下落は落ち分の範囲内
2927AFC-HDアムス▲4.22%約4.6%+0.4%年間利回り4.63%が丸ごと落ちる想定に対し、下げはそれ未満
3387クリエイト・レストランツHD▲2.85%2.27%▲0.6%配当2.5円+食事優待券1,500円。優待利回り1.9%でほぼ妥当
3612ワールド▲2.30%約2.0%▲0.3%配当利回り4.05%の高配当。中間配当の落ちで説明可

優田「6543日宣は、下落率だけ見れば箱②の上位に食い込みます。ですが優待利回りが4.08%あるので、▲5.77%はほぼ落ち分です。ここを拾うと『歪みを取った』つもりで、ただ権利を落とした株を買っただけになります」

優田「4433ヒトコムHDと2927AFC-HDアムスに至っては、落ち分より小さくしか下げていません。つまり買い支えられています」


🦞 単日の下落率は、それ自体が罠

守田「リスク番だ。この手のスクリーニングで最も多い読み違いを潰しておく」

守田「8237松屋を見ろ。単日▲9.00%で、一覧では2番目に大きい。だが権利付最終日の8月27日に+4.66%と駆け込みで買い上げられている」

📉 松屋の3日間 ・8月26日 … 起点 ・8月27日(権利付最終日) … +4.66%(駆け込み買い) ・8月28日(権利落ち日) … ▲9.00% ・8/26→8/28の通算 … ▲3.56% ・単日で見ると9%、通算で見ると3.6%。判断が変わる

守田「権利付最終日に買い上げられた銘柄は、翌日大きく落ちるのが正常だ。逆張りの判断は、必ず2〜3日の通算で見ろ」

守田「もう一つ。小型株の超過下落は、歪みではなく流動性の対価である可能性を先に潰せ」

⚠️ 拾う前に潰すべき3点 ・板の薄さ … コレックHDは出来高3.4万株、昴は2,800株、セイヒョーは時価総額32億円。そもそも理論値から乖離して当然の水準 ・優待価値の換算は近似 … 割引カード型(松屋・高島屋・チヨダ・ジョイフル)は利用額次第で価値が変わる。該当銘柄の超過下落率は上振れしている可能性がある ・資産の裏づけがあるか … 超過幅が大きくてもPBR4〜5倍なら、それはただの利益確定


窓辺の観葉植物にじょうろで水をやるミツバチの花岡
🐝 花岡利次郎 ——配当は、育てるものです

🦎 短中期|「次の権利まで」で見ると、形が揃う3社がある

日向「見習いの日向です。箱②の中を移動平均乖離で並べ直したら、面白い塊が見つかりました」

コード銘柄5日25日75日200日トレンド(短/中/長)
8185チヨダ▲4.21%▲1.24%+2.66%▲1.12%反落 / 上昇 / 上昇
7513コジマ▲5.37%▲1.13%+2.42%+8.18%反落 / 上昇 / 上昇
9842アークランズ▲3.45%▲3.86%▲2.59%▲2.30%反落 / 反落 / 上昇
参考 9601松竹▲2.90%▲3.71%▲0.16%▲5.62%反落 / 下降 / 下降

日向「上の3社は、75日と200日のトレンドが上昇のまま、5日線だけが叩かれています。中期の地合いは壊れていないのに、権利落ちの1日で短期だけ剥がれた形です」

日向「対して松竹は、中期が下降・長期も下降です。流動性と含み資産では箱①の本命でしたが、テクニカルの軸だけで見ると3社より弱い。同じリストでも、見る軸を変えると順位が変わります」

🦩 ただし「次の権利」の中身が、3社で違う

優田「ここは分けて書かせてください。3社とも優待の権利は2月末と8月末の年2回ですが、配当のスケジュールが違います」

銘柄決算期年間配当8月に落ちたもの次の2月末に取れるもの
チヨダ2月期54円中間27円+優待期末27円+優待
アークランズ2月期40円中間20円+優待期末20円+優待
コジマ8月期28円期末28円が一括+優待優待のみ(配当ゼロ)

優田「コジマは8月期決算で、28円は期末一括です。次に配当が取れるのは2027年8月末——1年先になります。2月末に取れるのは優待の割引券だけです(100株で1年未満2枚、1年以上3枚、2年以上4枚)」

優田「チヨダとアークランズは中間・期末の均等配分なので、約6か月後の2027年2月末に配当と優待の両方が来ます。『次の権利まで』という時間軸で組むなら、この2社とコジマは前提が違います」

守田「リスク番から3点だけ釘を刺す」

⚠️ この3社を短中期で触るなら ・チヨダのPERは31.3倍。PBR0.69倍・配当5.33%は魅力だが、利益水準が落ちている可能性を先に確認しろ ・コジマはビックカメラが50%超を握る親子上場。8/26→8/28の通算は▲6.93%で、権利前から売られていた点は権利落ちと分けて考える ・アークランズは出来高208万株、コジマ・チヨダも東証プライムで板は厚い。箱①の小型7社と違い、ここは執行できる


🐑 乱入|「調べれば分かることですよね?」

積立ひつじ「あの……アズ企画設計の話なんですけど。優待に半年の継続保有条件があるって、会社のIRに書いてありますよね」

ひつじ「それを読まずに買った人がいて、翌日6%下げて、その下げを『歪みだ』って言って拾いに行くわけですか。なんというか……人の不注意で儲けようとしてません?」

沼田「ひつじくん、半分は当たっている。だが順序が逆だ」

沼田「誰かが誤認で売った株を、誰かが拾う。その拾い手がいるから、価格は理論値に戻る。拾い手がいなければ、その株は誤認された値段のまま放置される」

沼田「そして拾う側もリスクを負っている。本当に会社が悪くなっていたら、その下げは歪みではなく正しい値付けだ。だから上位15銘柄の適時開示を全部確認した。それが拾う側の負担分だ」

ひつじ「……確認して、何も無かったから拾う。確認せずに買ったから売った。そこが差なんですね」

日向「あっ、ひつじさんの疑問、そのまま手順になりますね。4つの確認です。①8月末に落ちるものが本当にあったか(配当・優待を分けて)/②優待利回りを引いてもなお超過しているか/③単日ではなく2〜3日通算で見たか/④会社固有の悪材料が出ていないか。この4つを通した後に、はじめて板の厚さを見ます」


🧑‍💼 本番は8月ではない。9月末と3月末だ

沼田「最後に、この記事でいちばん大事なことを書く。今日並べた銘柄は、買い候補のリストではない」

沼田「8月末の権利は、日本株全体で見れば小さいイベントだ。今日117銘柄を測ったのは、8月で儲けるためではなく、9月と3月に同じ作業ができるようにするためだ」

📅 本番までの日程 ・2026年9月末 … 権利付最終日は9月28日(月)、権利落ち日は9月29日(火)。日本株で最大の権利月 ・2027年3月末 … 9月に次ぐ規模。3月期決算の期末配当が一斉に落ちる ・8月末は、この2つに比べれば練習台のような規模

夜見「9月は3月期決算の中間配当が集中します。今回の117銘柄に対して、9月末は桁が変わります。つまり誤認も、歪みも、同じだけ増えます」

日向「あっ、だから今日の4つの確認が効いてくるんですね。9月29日の朝に、同じ手順を回せばいい」

✅ 9月29日・3月末に回す4つの確認 ・①その日に落ちるものが本当にあったか … 配当と優待を分けて確認する。2月期の期末一括なら配当落ちはゼロ ・②優待利回りを引いてもなお超過しているか … ここを飛ばすと箱③を箱②と取り違える ・③単日ではなく2〜3日の通算で見たか … 権利付最終日の駆け込み高を差し引く ・④会社固有の悪材料が出ていないか … 適時開示を当日ぶん確認する ・そして、これを通した後に⑤セクター内で並べ直す。歪みの大きさだけで順位をつけない

守田「⑤を足したのは今日の収穫だ。アズ企画設計で分かったとおり、①〜④を全部通っても、セクターで並べ直すと買えない銘柄がある」

沼田「今日持ち帰るべきなのは、銘柄名ではなく、この5つの順番のほうだ」


会議机に集まって書類を見ている河内・夜見・守田・日向
沼底バリュー商会・全体会議 ——結論は、全員で出す

まとめ|3つの箱と、拾う順番

沼田「今日の仕分けを、一枚に畳む」

箱中身社数性格
①落ちるものが無いのに落ちた8月末に配当の権利なし。理論落ちゼロか優待だけ7歪みの純度は最も高い。ただし6社は流動性が壊滅的
②落ち分を超えて落ちた配当の権利はあるが、下げがそれを上回った19超過幅の上位はPBR4〜5倍のグロース。バリュー基準では順位が入れ替わる
③落ちすぎに見えて妥当優待価値を入れると説明がつく6最も誤判定を生むゾーン。日宣は優待利回り4.08%
最大超過2999 ホームポジション ▲11.47%(超過9.9%)—100株保有者に落ちる優待は無い
流動性で現実的なのは松竹(時価総額1,491億・出来高16万株)/IDOM(326万株)/アークランズ(208万株)/イズミ(161万株)—小型の超過幅は執行できないリスクの価格かもしれない
市場ベンチマーク日経平均 +0.83%(前引け)—市場中立で見れば超過はさらに約0.8pt上乗せ

💬 沼田より 「117銘柄を測って分かったのは、『落ちすぎ』が3つの別物の総称だったということだ。落ちるものが無いのに落ちた株、落ち分を超えて落ちた株、そして落ちすぎに見えて実は落ち分どおりの株。この3つを混ぜて眺めているうちは、いちばん危ない箱③が、いちばん美味しそうに見える。優待利回り4.08%の日宣が5.77%下げているのを『7%近い歪み』と読むか『ほぼ落ち分』と読むかは、優待を金額に換算したかどうかだけで決まる。——そしてアズ企画設計だ。半年以上持っていないともらえない優待のために買われ、翌日に6%売られた。IRに書いてあることを読まなかっただけで、これだけの値幅が出る。市場は思っているより雑だ。だが雑なのは市場ではなく、そこに参加している我々のほうかもしれない。読んだか、読まなかったか——差はそれだけだ。ただし、そのアズ企画設計を今の値段で買うかというと、買わない。同じ不動産セクターにPBR0.39〜0.53倍・配当3.6〜3.8%の会社が実在するのに、PBR1.10倍・優待込み2.28%・自己資本比率24.3%を拾う理由がないからだ。落ちすぎているのは本当で、買えるかどうかは別。この2つを混ぜないことが、今日いちばんの収穫だった。——そして忘れないでほしいのは、8月末は練習台だということだ。本番は9月28日が権利付最終日、29日が権利落ち日になる9月末と、その次の3月末。日本株で最大の権利月がすぐそこにある。今日の117銘柄は買い候補ではない。9月29日の朝に同じ手順を回すための、素振りだ。持ち帰るのは銘柄名ではなく、5つの順番のほうでいい」


関連:2026年8月の権利、またぐか降りるか/2026年9月の権利、またぐべきか降りるべきか/コアとサテライトの設計と恩株化/東海染工(3577)優待は500株で10倍に跳ねる

※本稿は投資助言ではありません。株価・前日比は2026年8月28日15時30分の大引け値、指標は同日時点で、時点によって異なります。権利付最終日は2026年8月27日(木)、権利落ち日は同28日(金)です。理論落ち分は「8月分の1株配当+優待価値÷100」を前日終値で割ったもので、優待は100株保有時の金額換算です。超過下落は「実際の下落率−理論落ち分」で、市場全体の+0.83%(日経平均・前引け時点)は加味していない粗の数字です。市場中立で見ればさらに約0.8ポイント上乗せになります。優待価値の金額換算は近似であり、割引カード型の優待は利用額次第で価値が変わるため機械的な換算ができません。該当銘柄の超過下落率は上振れしている可能性があります。上位15銘柄については8月26日から28日の適時開示を確認し、業績・配当修正などの下落要因が無いことを確認していますが、開示のない需給要因までは追えていません。掲載銘柄はスクリーニングの結果であり推奨ではなく、いずれも本稿執筆時点で当商会の保有銘柄ではありません。小型株は流動性が低く、想定した価格・数量で売買が成立しない可能性があります。投資はご自身の判断と責任でお願いします。