銘柄紹介|中山製鋼所(5408)— 事業価値がマイナス41円で売られている。ただしその資産は、これから建つ電炉の下に埋まる【ネットキャッシュ330円+土地含み益350円=680円 vs 株価639円/PBR0.31倍/阪和興業が20.48%へ】
🧑💼 「今日の会社は、値札の付き方がおかしい」
日向「おかしい、というのは」
沼田「株価639円だ。そのうち330円が、差し引きの現金で説明できる。残り309円だな」
日向「はい」
沼田「土地の含み益が、税金を引いたあとで1株350円ある」
日向「……309円より、多くないですか」
沼田「そうだ。330+350で680円。株価は639円だ。売上1,483億円の電炉メーカーが、マイナス41円で付いている」
日向「タダより安い……」
沼田「ここまでなら、うちが大好きな型だ。だが今日は、その先に長い話がある」
🏭 第1章|639円を、資産だけで解体する
河内「割安発掘担当の河内です。中山製鋼所(5408)、東証プライム、2026年9月9日終値639円。1918年創業、大阪市大正区に本社工場を持つ電炉一貫メーカーです」
河内「先に、株数の整理をさせてください。発行済は63,079,256株で時価総額403億円、自己株を控除した54.2百万株では346億円になります。PBRや1株価値の計算は控除後、株探などの時価総額表示は発行済ベースです」
夜見「財務分析担当の夜見です。2026年6月末の貸借対照表から、現金を取り出します」
💴 ネットキャッシュ(2026年6月末) ・現金及び預金 … 262.8億円(前期末比 +30億円) ・△ 有利子負債 … 83.8億円(短期25.1+長期58.8) ・ネットキャッシュ = 179.0億円 = 1株330円 ・株価639円に占める比率 … 51.6%
夜見「自己資本比率は70.5%。純資産1,108.4億円に対して有利子負債は84億円しかありません」
河内「次に土地です。ここがこの会社の本体です」
| 事業所 | 所在地 | 敷地面積 | 土地簿価 | 簿価単価 |
|---|---|---|---|---|
| 本社船町工場 | 大阪市大正区船町 | 479,491㎡ うち賃借193,768㎡ | 60.65億円 | 21,227円/㎡ |
| 清水工場 | 静岡市清水区 | 102,736㎡ | 22.52億円 | 21,920円/㎡ |
| 都城工場 | 宮崎県都城市 | 30,609㎡ | 13.93億円 | 45,509円/㎡ |
| 提出会社 計 | — | 612,836㎡ | 97.10億円 | — |
| 子会社保有分 | 大阪市西区・大正区ほか | 非開示 | 129.03億円 | — |
| 連結 土地合計 | — | — | 226.13億円 | — |
河内「船町工場の簿価は㎡あたり21,227円です。大正区の工業地の公示地価は、2026年で13.4万円/㎡。帳簿は昭和期の値段のまま止まっています」
日向「6倍以上、開いてるじゃないですか」
待伏「待ち伏せ担当の待伏です。ただし工専・広大地・稼働中という条件で大きく割り引きます。そのうえで3ケースを置きます」
| ケース | 船町(自社285,723㎡) | 清水 | 子会社保有地 | 含み益 税引前 | 税引後 |
|---|---|---|---|---|---|
| 保守 | 4.0万円/㎡ → 114億円 | 41億円 | 簿価+50% | 約137億円 | 約95億円 |
| 中立 | 6.0万円/㎡ → 171億円 | 57億円 | 簿価+100% | 約274億円 | 約190億円 |
| 強気 | 8.5万円/㎡ → 243億円 | 72億円 | 簿価+150% | 約425億円 | 約295億円 |
待伏「中立の6.0万円/㎡には、独立したクロスチェックがあります。船町の賃借地193,768㎡に対する年間賃借料は4.96億円=2,560円/㎡・年。還元利回り5%なら5.1万円、4%なら6.4万円/㎡です」
夜見「中立の税引後190億円を、自己株控除後54.2百万株で割ります。1株350円」
🧮 株価639円の分解(中立ケース) ・ネットキャッシュ … 330円 ・土地含み益(税引後) … 350円 ・合計 680円 ・株価 639円 → 事業価値 ▲41円
墨田「AIバックチェック担当の墨田です。増資後でも結論は変わりません。ネットキャッシュ265.6億円÷67,269千株=395円、土地含み益190億円÷同=282円で、合計677円。やはり株価を上回ります」

✅ 第2章|「含み益は出てこない」を、会社が現金で否定した
待伏「この手の話でいつも突っ込まれるのが、『含み益は出てこないだろう』です。この会社は、今期それを実際にやりました」
🏗️ 2026年度上期の固定資産譲渡 ・枚方市の賃貸不動産 … 譲渡益 23.6億円(2026年5月引渡・1Q計上済) ・大阪市西区新町の駐車場用地 … 譲渡益 13.0億円(8月引渡・2Q計上) ・上期合計 36.6億円
夜見「2027年3月期の会社予想を見ると、この効果がはっきり出ています」
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | EPS | 配当 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年度(2024/3期) | 1,844億円 | 123億円 | 122億円 | 89億円 | 164.4円 | 50円 |
| 2024年度(2025/3期) | 1,693億円 | 84億円 | 81億円 | 57億円 | 105.1円 | 40円 |
| 2025年度(2026/3期) | 1,483億円 | 49億円 | 48億円 | 24.6億円 | 45.4円 | 14円 |
| 2026年度 会社予想 | 1,570億円 | 34億円 | 20億円 | 39億円 | 71.9円 | 20円 |
日向「経常20億円なのに、純利益が39億円……逆転してますね」
夜見「差が土地の売却益です。本業の経常利益より、土地を売った益のほうが大きい期になります」
沼田「ここが今日いちばん重要な事実だ。この会社の含み益は、推計ではない。実際に売れて、決算に載っている」
墨田「補足します。子会社保有地の『簿価+100%』という中立想定は、この実績から見ればむしろ控えめです。枚方と新町はいずれも簿価が僅少とみられ、簿価129億円に対して2件だけで36.6億円の益が出ています」
🦑 第3章|墨田が止める。「その含み益の中核は、売れません」
墨田「課長、ここで止めます」
沼田「……来たか」
墨田「土地含み益274億円のうち、最大の塊は船町工場の171億円です。そして船町は、これから新しい電炉を建てる土地です」
日向「えっ」
墨田「2026年8月着工、2030年稼働。稼働後も当然、生産設備が載り続けます。この含み益が売却で現金になる可能性は、2030年代まで実質ゼロです」
⚠️ 換金できるもの/できないもの ・換金可能 … 子会社保有の賃貸不動産(簿価129億円)、政策保有株式(投資有価証券41.7億円) ・換金不可 … 船町・清水の工場用地。稼働資産であり、船町は新電炉の建設地 ・会社の資金計画における資産売却は 税引後43億円 に限定
墨田「『NAVは実在するが、株主に還元される経路が存在しない』。これはバリュートラップの典型的な条件です」
沼田「その指摘は受ける。第2章で『会社が現金で証明した』と書いたが、証明されたのは子会社の賃貸不動産の部分だけだ」
守田「リスク管理担当の守田だ。整理しておく。船町の含み益は、売って受け取る資産ではなく、下値を厚くする保険として数えるべきものだ。解散価値としての意味にとどまる」
🤝 第4章|阪和興業が20.48%へ。ただし値段は本体の3分の1だった
待伏「2026年8月7日、資本の重心が動きました」
🤝 第三者割当(払込 2026年10月上旬) ・阪和興業 … 新株 5,697,000株/37.9億円 → 持株比率 14.86% → 20.48% ・ヨドコウ … 自己株処分 7,357,000株/49.0億円 → 10.95%(第2位株主) ・調達総額 … 86.9億円(手取86.7億円) ・発行価額 666円(決議前日終値/直前1か月平均639円に+4.23%) ・希薄化率(議決権) … 24.12%
堀田「モート担当だ。20.48%という数字の意味を言っておく。20%は持分法適用の閾値だ。阪和興業は今後、中山の損益を自社に取り込む立場になる」
堀田「阪和は原料調達と販売の両面を担い、ヨドコウは需要家だ。両社合わせて31.4%——原料と販売と需要が、資本で結ばれた。資本で結ばれた取引関係は、解消されにくい」
待伏「同時に、絶妙に届いていない水準でもあります。連結(50%超)でもなく、TOB規制がかかる3分の1超でもない」
墨田「ここで、良い話だけで終わらせません」
墨田「発行価額666円は、当商会が算出した修正NAV2,394円の27.8%です。BPS2,044円に土地含み益(税引後)350円を足した金額の、4分の1強でしかありません」
📉 希薄化の代償 ・BPS … 2,044円 → 約1,776円(▲13%) ・PBR … 0.31倍 → 0.36倍(分母が減るので見かけ上は上がる) ・既存株主の1株当たり資産価値は、確実に減る
日向「……ディスカウント発行ではないんですよね?」
墨田「市場価格に対してはプレミアムです。ですが本源的価値に対しては大幅なディスカウントです。『安い株価のまま増資をする』というのは、バリュー投資家にとって最も痛い形の資本政策です」
沼田「そこは正直に減点する。入ってくる86.7億円と阪和との関係は価値がある。だが払った代償は、既存株主の1株価値13%だ」

🏗️ 第5章|1,000億円を投じて、5年間キャッシュを生まない
守田「この会社の投資判断は、結局ここに集約される」
🔥 新電炉プロジェクト(NN製鋼合同会社) ・総投資額 … 950〜1,055億円(時価総額403億円の2.4〜2.6倍) ・出資 … 中山51%/日本製鉄49%(2026年4月 合弁設立) ・生産能力 … 120万t/年(既設電炉の2倍以上) ・スケジュール … 2026年8月着工 → 2030年稼働。回収は2030年代
夜見「資金の出どころを並べます」
| 調達源泉 | 金額 | コメント |
|---|---|---|
| 営業キャッシュフロー | 約430億円 | 年107億円前提=やや強気 |
| 現預金(2026年3月末) | 232億円 | 手元流動性をほぼ全投入 |
| 日本製鉄の合弁出資 | 246〜273億円 | パートナーの資金 |
| 銀行借入 | 447〜498億円 | 財務レバレッジが一変する |
| 資産売却(税引後) | 43億円 | 不動産・政策保有株 |
| 第三者割当増資 | 87億円 | 阪和・ヨドコウ |
守田「有利子負債84億円の会社が、500億円近く借りる。自己資本比率は70.5%から55〜60%へ落ちる」
守田「そして建設中の4年間は、減価償却も収益貢献もない空白期間だ。この間に鉄鋼市況が悪化すれば、財務は急速に痛む」
日向「……いま、その市況はどうなんですか」
夜見「悪いです。2027年3月期1Qは、経常利益が前年同期比▲65.6%の6.1億円」
📉 1Q経常利益の増減要因(前年同期比 ▲11.6億円) ・販売数量 +1億円/変動費 +2億円/在庫影響 +7億円/その他 +2億円 ・スプレッド ▲23億円(販売価格▲10億円/主原料▲13億円) ・固定費 ▲1億円
待伏「減益要因はほぼ100%スプレッドです。スクラップ価格の高騰が先行し、販売価格への転嫁が追いつきませんでした。会社は1Q時点で全品種の値上げを実施中で、下期に転嫁完了を織り込んでいます」
沼田「『通るが、遅い』だな。裏を返せば、転嫁が進めばそのまま利益が戻る構造でもある」
🦅 乱入|ドル建て鷹「その5年、私なら何倍にする」
ドル建て鷹「フン……円建ての内需鉄鋼か。為替の翼もない、地べたの会社よ」
ドル建て鷹「しかも今の話を整理するとこうだ。1,000億円を円で投じて、2030年に稼働し、回収は2030年代。……お前たち、いま何年に生きている」
日向「2026年です」
ドル建て鷹「では聞こう。その5年、S&P500に置いた資金は何倍になっている。年8%なら1.47倍だ。配当を再投資すればもう少し伸びる。お前たちの目標は3年で+30%——年率9%だったな」
ドル建て鷹「誤差ではないか。板が薄く、円建てで、経営陣が本源的価値の3分の1で増資をする会社を、5年握りしめて、指数と同じ。それを『妙味』と呼ぶのか」
日向「……返せません」
沼田「返す必要はない。半分は当たっている」
ドル建て鷹「半分だと?」
沼田「期待リターンの水準は、お前の言うとおりほぼ同じだ。違うのは、下がったときに何が残っているかだ」
沼田「指数が3割下げたとき、指数には何も敷かれていない。この会社が3割下げれば株価は465円で、そこには1株330円の現金と350円の土地が、そのまま残っている。同じ年率9%でも、外れたときの底が違う」
ドル建て鷹「その土地は売れないと、さっきそこの烏賊が言っていたぞ」
墨田「烏賊です。訂正します、売れないのは船町と清水で、賃貸不動産と政策保有株は売れます。そして売れない土地にも意味はあります。会社が潰れないという意味です」
ドル建て鷹「……潰れない、か」
ドル建て鷹「フン。私は上がる翼を探すが、お前たちは落ちない床を探しているわけだ。床の話をされると、私の空域では反論しにくい」
沼田「それでいい。だから今日の結論は『買え』ではない」
📐 第6章|同業と並べる。実は「突出して安い」わけではなかった
墨田「当商会の当初レポートに、明確な誤りがありました。『セクター内でPBR0.3倍台は突出して低い』と書いていました」
墨田「2026年9月9日終値で全社を測り直した結果です」
| 銘柄 | PBR | 時価総額 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 中山製鋼所 | 0.31倍 | 403億円 | 3.3% |
| 合同製鐵 | 0.32倍 | 532億円 | 5.1% |
| 共英製鋼 | 0.41倍 | 895億円 | 5.4% |
| 大阪製鐵 | 0.70倍 | 1,078億円 | ▲0.3% |
| 中部鋼鈑 | 0.77倍 | 598億円 | 1.8% |
| 東京製鐵 | 0.78倍 | 1,873億円 | 2.7% |
| 東京鐵鋼 | 0.80倍 | 511億円 | 16.6% |
| 大和工業 | 1.32倍 | 7,549億円 | 2.8% |
墨田「中山0.31倍に対し、合同製鐵0.32倍。0.01倍差です。株価が数円動けば順番が入れ替わる水準で、「突出して低い」とは言えません」
墨田「補足します。9月4日終値で測ったときは合同製鐵のほうが安く、中山は2番手でした。順番が入れ替わる程度の差である、という結論は同じです」
日向「……セクター全体が安いということですか」
夜見「正確には三層です。0.3倍台が2社、0.4倍台が1社、0.7倍以上が5社。安い層と高い層のあいだが、きれいに空いています」
堀田「そして痛いのはここだ。同じ安値圏の合同製鐵(0.32倍)と共英製鋼(0.41倍)は、営業利益率5%台でROEも5〜8%ある。中山は3.3%・ROE2.3%だ」
堀田「つまり中山の安さは、資産の厚さだけでは説明できない。収益性の低さでも説明がついてしまう」
沼田「その訂正は本文に残せ。数字を測り直したら不利になった、というのを消すのが一番まずい」
🚨 第7章|上値の天井は、会社の計画そのものが決めている
夜見「最後に、上値の理論的な限界を出しておきます」
| 指標 | 2024年度実績 | 2030年度目標 | 2033年度目標 |
|---|---|---|---|
| 経常利益 | 81億円 | 100億円以上 | 130億円以上 |
| EBITDA | — | 220億円以上 | 260億円以上 |
| ROE | 5.4% | 5%以上 | 6%以上 |
| 配当性向 | 38% | 30%以上 | 30%以上 |
夜見「会社が7年後に掲げるROEが6%です。株主資本コストを8%、成長率を1%として理論PBRを計算します」
📐 理論PBR = (ROE − g) ÷ (r − g) ・(6% − 1%) ÷ (8% − 1%) = 0.71倍 ・会社計画が完全に達成されても、理論PBRは1倍に届かない
沼田「だからこの銘柄で『PBR1倍回帰=2,000円』を狙うのは、論理的に無理がある。狙うのは0.31倍→0.5〜0.7倍だ。株価にして1,000〜1,400円」
花岡「配当担当の花岡です。待つ間の報酬も、期待しすぎないほうがいい銘柄です」
💰 配当は業績連動そのもの ・2023年度 50円 → 2024年度 40円 → 2025年度 14円(▲65%) → 2026年度予想 20円 ・配当性向30%というルールに忠実なだけ ・現在の利回りは 3.13%(20円÷639円)。ただし減益なら減配する設計
花岡「今期は経常20億円に対して20円を出しています。実力ベースの配当性向は83%で、増資引受先への配慮もあって踏ん張っている形です」

🎯 第8章|3年後の姿と、期待値
待伏「3年後は2029年度末——新電炉の稼働直前です。財務が最も痛み、同時に期待が最も高まるタイミングになります」
| シナリオ | 確率 | 株価 | 株価騰落 | 3年累計配当 | 配当込 |
|---|---|---|---|---|---|
| Bear | 30% | 500円 | ▲21.8% | 30円 | ▲17.1% |
| Base | 45% | 780円 | +22.1% | 60円 | +31.5% |
| Bull | 25% | 1,250円 | +95.6% | 75円 | +107.4% |
| 期待値 | 100% | 814円 | +27.3% | 55円 | +35.9% |
夜見「3年トータルリターンの期待値は+35.9%、年率10.8%です。下値139円に対し上値611円で、リスク・リワードは約1対4.4」
墨田「確率加重の計算方法だけ明記します。株価の期待値814円は各シナリオ株価を確率で加重したもので、配当は別建てで加重しています。配当込みリターンを株価に掛け戻す二重計上はしていません」
待伏「分岐を決める観測ポイントは4つです」
👁️ 見るべき4点 ・①四半期ごとのスプレッド … 決算補足資料の増減要因表。下期に転嫁が完了するか ・②新電炉の進捗開示 … 「予算内・工期内」の一言が消えたら要警戒 ・③追加の固定資産譲渡 … 含み益の実現ペース ・④阪和興業の大量保有報告 … 20.48%からの積み増しがあれば局面が変わる
🏅 第9章|ランクをB+にした理由
沼田「当初の評価はBだった。今日、B+に1段階だけ上げる」
日向「1段階だけ、ですか」
沼田「上げた理由と、上げ切らなかった理由の両方を言う」
⬆️ Bから上げた理由 ・ネットキャッシュ330円+土地含み益350円=680円 > 株価639円。事業価値がマイナス評価 ・含み益が机上でないことを、上期36.6億円の売却益で会社が実証した ・阪和20.48%+ヨドコウ10.95%=31.4%の資本参加。原料・販売・需要が資本で結ばれた ・自己資本比率70.5%、PBR0.31倍・配当3.13%で当商会の3条件スクリーンを通過
⬇️ B++以上に上げなかった理由 ・含み益の中核(船町48万㎡)は新電炉の建設地で、2030年代まで換金不可 ・ROE2.3%。会社計画ですら2033年度6%で、理論PBRの天井が0.71倍 ・950〜1,055億円の投資で5年間フリーCFがマイナス。借入は84億円→500億円近くへ ・本源的価値の3分の1の値段で24.12%の希薄化。1株価値13%減は既存株主の実損 ・同業比較で突出して安いわけではない(合同製鐵0.32倍)
守田「執行面も添えておく。10月上旬の第三者割当払込を待つのが合理的だ。希薄化と需給の織り込みが一巡し、下期の値上げ浸透が確認できる11月の2Q決算が最初の判断点になる」
守田「ロットは通常の半分以下。3〜5年動かない前提で持てる金額に限る」
沼田「この銘柄は『安いから買う』では足りない。『安いまま5年動かなくても平気な金額で買う』が正しい」
🧾 まとめ
📌 中山製鋼所(5408)|B+ ・株価639円のうち330円がネットキャッシュ、350円が土地含み益。合計680円で事業価値は▲41円 ・含み益は実在する。上期だけで36.6億円の売却益を会社が計上した ・ただし中核の船町48万㎡は新電炉の建設地で、2030年代まで換金できない ・ROE2.3%・理論PBR天井0.71倍・5年間フリーCFマイナス。安いまま動かない期間が構造的に長い ・3年後の期待値は配当込+35.9%(年率10.8%)、リスク・リワード約1対4.4
💬 沼田より 「この会社は、うちの手法の長所と短所を同時に見せてくる。資産で下値が守られているのは本物だ。事業価値がマイナスで買えるという事実は、そう転がっていない。だが同時に、その資産は稼働中の工場の下にあり、株主に渡る経路がない。2013年に602億円の債権放棄で一度死んだ会社が、今度は自力で1,000億円を投じる——その筋書きは買いたくなる。だから逆に、ロットを絞る」
日向「……買いたくなるから、絞るんですか」
沼田「物語が良い銘柄ほど、金額で歯止めをかける」
📊 詳細分析レポート(完全版)
中山製鋼所(5408)完全版レポート——事業価値の算出・資産の中身・借入の構造まで。
関連:シケモク株選手権2026/南海化学(4040)含み益の数え方/中央可鍛工業(5607)/片倉工業(3001)
※本稿は投資助言ではありません。株価・PBR・PER・同業比較は2026年9月9日終値時点の株探表示値です(同業の時価総額は各社の発行済株式数×終値で当方が算出)。配当利回りは会社予想20円÷639円で当方が算出しています。土地含み益は公示地価・路線価・実際の譲渡実績に基づく当商会の推定値であり、鑑定評価ではありません。各工場の敷地面積は有価証券報告書「主要な設備の状況」に基づきますが、子会社保有分は面積非開示のため簿価倍率で推定しています。面積・単価の前提が動けば含み益の絶対額は大きく動きます。点推定として扱わないでください。修正NAVは第三者割当の払込完了を前提とした増資後株式数67,269千株ベースです。第三者割当は2026年10月上旬払込予定であり、完了前の数値は見込みです。3シナリオの確率は当商会の主観であり、実現を保証するものではありません。個別銘柄は分析の対象として記載したものであり、推奨ではありません。投資はご自身の判断と責任でお願いします。









