運用記録|下げた中大型を56回に分けて拾った一週間——建代金2,329万円の54%が時価総額1,000億円以上。超小型が4割の商会が、なぜ方向を変えたか【上位4銘柄で純資産の56%/維持率75.8%→51.1%/損切りの実質コストが2割引きになる仕組み】
🦎 「先週の記録を見せてもらったんですけど。……課長、今週なにがあったんですか」
沼田「56回、買った」
日向「56回」
沼田「信用の新規建てで56件、51銘柄、建代金2,329万円だ。そして中身が、うちの普段とは逆を向いている」
日向「逆、というのは」
沼田「金額の54%が、時価総額1,000億円以上の中大型だった。シケモクを拾う商会が、ミネベアミツミやAGCを建てている」
沼田「今日はその理由と、代わりに差し出したものを全部出す」
📋 第1章|今週やったこと
夜見「財務分析担当の夜見です。2026年8月30日から9月5日まで、株価は9月4日終値ベースです」
🧾 今週の約定 ・信用新規建て … 56件・51銘柄・23,291,030円 ・決済 … 5件・実現損益 +64,869円 ・現引き … 1件(ジンズホールディングス100株) ・手数料 … 新規建て分 27,772円(決済分を含めると30,392円)
夜見「日ごとの建代金を並べると、意図がはっきり出ます」
| 日付 | 件数 | 建代金 |
|---|---|---|
| 8/31 | 15件 | 5,238,900円 |
| 9/1 | 11件 | 6,056,900円 |
| 9/2 | 15件 | 6,748,450円 |
| 9/3 | 9件 | 2,756,480円 |
| 9/4 | 6件 | 2,490,300円 |
待伏「待ち伏せ担当の待伏です。下げが続いた月火水に厚く入れて、木金は落としています。週の後半は様子見に切り替えた形です」
河内「割安発掘担当の河内です。金額の大きい順に、主な新規建てを出します」
| 銘柄 | 建単価 | 建代金 | 時価総額 |
|---|---|---|---|
| 4966 上村工業 | 19,670円 | 1,967,000円 | 3,518億円 |
| 6492 岡野バルブ製造 | 13,300円 | 1,330,000円 | 245億円 |
| 9036 東部ネットワーク | 1,228〜1,230円 | 1,229,000円 | 71億円 |
| 9601 松竹 | 10,580円 | 1,058,000円 | 1,512億円 |
| 1716 第一カッター興業 | 1,386〜1,390円 | 833,000円 | 168億円 |
| 1407 ウエストホールディングス | 2,506円 | 751,800円 | 1,088億円 |
| 1723 日本電技 | 2,292〜2,380円 | 705,200円 | 1,525億円 |
| 1965 テクノ菱和 | 6,900円 | 690,000円 | 1,448億円 |
河内「中大型では、ミネベアミツミ3,309円、AGC 5,570円、アマダ2,499.5円、住友重機械5,596円、ナブテスコ4,381円、戸田建設1,562円、名村造船所4,570円、スカパーJSAT 2,112円あたりを建てています」
沼田「松竹だけは、8月31日に10,580円で建てて9月2日に10,640円で返済した。+4,846円で即撤収だ。想定と違えばすぐ畳む。それだけの話だ」
🔄 第2章|いつもと逆の方向に振った
夜見「今週の新規建て51銘柄を、時価総額で切り分けます」
| 規模 | 銘柄数 | 建代金 | 比率 |
|---|---|---|---|
| 大型(1兆円以上) | 4 | 1,434,940円 | 6% |
| 中型(1,000億〜1兆円) | 23 | 11,252,550円 | 48% |
| 小型(300〜1,000億円) | 8 | 3,413,100円 | 15% |
| 超小型(300億円未満) | 16 | 7,190,440円 | 31% |
夜見「時価総額1,000億円以上が27銘柄・1,268万7,490円。金額ベースで54%です」
日向「……うち、超小型が主戦場じゃなかったでしたっけ」
河内「そのとおりです。ポートフォリオ全体では、いまも時価総額300億円未満が41.8%を占めています。今週は明確に、いつもと逆へ振ったことになります」
堀田「モート担当だ。誤解のないように言っておくと、方針を変えたわけではない。下げた銘柄を拾うという行動は同じで、下げていたものがたまたま中大型に寄っていただけだ」
沼田「銘柄で選んでいるのではない。値段で選んでいる。安くなったほうへ手が伸びる。それだけだ」

🦍 乱入|テック番長「おい、ついにこっち側に来たな」
テック番長「よう。名簿を見せてもらったぜ。ミネベアミツミ、AGC、住友重機械、ナブテスコ——おいおい、それ全部プライムの中大型じゃねえか」
テック番長「シケモクだのNCAVだの散々言っておいて、結局こっち側に来たんだろ。認めろよ。値動きのある銘柄のほうが面白いってな」
日向「……あの、言われてみると」
沼田「違う」
沼田「お前が言っているのは『成長するから買う』だ。うちは『下げたから買う』だ。同じ銘柄を買っても、買う理由が逆を向いている」
テック番長「屁理屈だろ。結果として持ってる株は同じじゃねえか」
沼田「同じなのはいまだけだ。上がったとき、お前は持ち続ける。うちは売る。出口が違うものは、同じ投資ではない」
テック番長「……ちっ」
テック番長「じゃあ言い方を変える。レバレッジ2.55倍だろ、いま。先々週は2.03倍だったよな。急落した大型株をレバかけて買い向かうって、教科書で『やるな』と書いてあるやつの合わせ技だぞ」
沼田「それは、正しい」
テック番長「……素直だな」
沼田「そこは後で守田に締めさせる。先に、集中している場所を出す」
⚠️ 第3章|いちばんリスクを取っている場所を、数字で出す
守田「リスク管理担当の守田だ。きれいな話の前に、集中の実態を開示する。純資産は4,241万円だ」
| 銘柄 | エクスポージャー | 純資産比 | 含み損益 |
|---|---|---|---|
| 4685 菱友システムズ | 7,560,000円 | 17.8% | +212,800円 |
| 3004 神栄 | 6,460,400円 | 15.2% | ▲4,494円 |
| 1716 第一カッター興業 | 5,180,000円 | 12.2% | ▲13,500円 |
| 6356 日本ギア工業 | 4,609,500円 | 10.9% | ▲42,000円 |
| 8071 東海エレクトロニクス | 2,873,000円 | 6.8% | — |
| 9755 応用地質 | 2,808,000円 | 6.6% | +51,000円 |
守田「上位4銘柄だけで、純資産の56.1%だ。合計2,381万円」
日向「172建玉あるのに、ですか」
守田「そうだ。第一カッター興業は現物1,700株と信用2,000株を両方持っていて、今週さらに600株積み増した。日本ギア工業も3,000株から3,500株にしている」
沼田「分散されているのは銘柄数であって、リスクではない。ここは自分でも分かったうえで持っている」
墨田「AIバックチェック担当の墨田です。課長、いまの一文は逃げに読まれます。『分かったうえで持っている』は、何も管理していないのと外形が同じです」
沼田「だから次の章で、崩れたときにいくら払うのかを先に計算しておく」

💰 第4章|攻められる理由は、損切りの実質コストが2割引きだから
花岡「配当担当の花岡です。ここは配当ではなく、税の話です」
沼田「今年はすでに確定益が1,137万円あり、そこから231万円が源泉徴収済みだ」
夜見「特定口座の源泉徴収ありでは、同じ年の中で損失を確定させると、口座内で自動的に損益通算されます。払った税金が、その分だけ戻ってきます」
📐 戻るのは、損失額の20.315% ・100万円を損切りすると、還付は 203,150円 ・残る796,850円は、普通に減った資産 ・徴収済みの231万円を全部取り戻すには、1,137万円の損失が必要
墨田「ここは誤解が生まれやすいので、先に潰します。『税金があるからリスクを取り放題』ではありません。戻るのは2割だけで、8割は普通に消えます。税額を取り戻すには、税額の約5倍の損失が要ります」
沼田「そのとおりだ。だがこの2割は、判断の速さに効く」
守田「具体的に置く。上位4銘柄の合計エクスポージャーは2,381万円だ」
🧮 上位4銘柄が一律10%下げて、全部損切りした場合 ・損失 … 約238万円 ・税還付 … 約48万円 ・実質負担 … 約190万円 ・年間損益 … 1,137万円 − 238万円 = 約899万円でまだプラス
守田「年間損益がプラスの範囲に収まっている限り、この還付はちゃんと機能する。損切りが2割引きで実行できるということだ」
墨田「境界を明記します。年間損益がマイナスまで到達すると、そこから先は還付ではなく確定申告による3年繰越に切り替わります。繰越は即座には戻りません。手元の現金は減ったままです」
沼田「今年はまだ、その手前に大きな余白がある。だから今週は、下げている中大型を『外したら切る』前提で厚めに拾いに行った」
沼田「含み損を抱えたまま塩漬けにするのではない。ダメだと分かった時点で切る。その切るコストが、今年は2割安い」
夜見「なお現時点の含み損は72建玉・70銘柄で101万9,790円です。全部切っても還付は約21万円。損益通算の枠としては、まだ1割も使っていません」
花岡「期限だけ添えておきます。損益通算に間に合わせるには年内受渡が必要で、約定は12月下旬までに終えておく必要があります」
📉 第5章|維持率51.1%。ここからは戻すフェーズ
守田「税制に余裕があっても、先に効いてくるのは維持率だ」
| 項目 | 8/28時点 | 9/4時点 |
|---|---|---|
| 信用維持率 | 75.8% | 51.1% |
| レバレッジ | 2.03倍 | 2.55倍 |
| 追証までの下落率 | ▲31.9% | ▲20.6% |
守田「拾いまくった結果だから当然だが、余裕は3割から2割に縮んだ。ここからさらに建てるなら、値ごろ感より先にこちらが制約になる」
沼田「今週の買いは一巡させる。しばらくは維持率を戻すほうを優先する」
テック番長「……おい」
テック番長「俺がさっき煽ったところ、自分から先に締めやがったな」
沼田「お前の指摘が正しかったからだ。2.55倍は、うちの上限に近い」
テック番長「……あのな、俺が言いたかったのはそこじゃねえ。お前ら、下がったら買う・上がったら売る・外れたら切るを、全部先に決めてから買ってんだよな」
テック番長「俺は、上がってから考える。……そこが違うのは、認めてやる」
沼田「今日はやけに素直だな」
テック番長「維持率51%の奴を煽っても面白くねえんだよ。戻してから来い」
📊 第6章|ポートフォリオの現況
夜見「9月4日終値時点の全体像です」
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 総ポジション | 1億854万円 |
| 純資産 | 4,241万円 |
| 含み損益 | +120万円(+1.13%) |
| 建玉数 | 172件(現物65/信用107) |
夜見「内訳では、現物が+168万円に対して信用が▲48万円です。今週2,329万円を建てた分が、そのまま信用側の含み損として出ています」
河内「スタイル別と規模別も出しておきます」
🧭 配分(9月4日終値) ・スタイル … バリュー40.9%+ディープバリュー19.1%=バリュー系が6割 ・規模 … 超小型41.8%/小型26.9%/中型22.2%/大型9.1% ・中大型を入れた結果、中型以上が3割強まで上がった
河内「軸足は動いていません。バリュー系6割、超小型4割という骨格はそのままです」

🧾 まとめ
📌 今週の要点 ・8/30〜9/5で信用新規建て56回・51銘柄・2,329万円。金額の54%が時価総額1,000億円以上 ・上位4銘柄で純資産の56%。銘柄数は分散していても、重心は寄っている ・確定益があるおかげで損切りの実質コストが2割引き。ただし税額を取り戻すには税額の約5倍の損失が要る ・維持率51.1%・レバ2.55倍。ここからは建てるより維持率を戻すフェーズ
💬 沼田より 「今週は、いつもと逆の方向に振った週だった。だが振れたのは、切るコストが安い年だったからだ。攻めを支えているのは度胸ではなく、損益通算の枠と維持率という2つの数字でしかない。その2つのうち片方は、今週で3割ぶん使った。だから来週は戻す」
日向「……勇気の話かと思ったら、残高の話でしたね」
沼田「投資は、だいたいそうだ」
ポートフォリオの中身は最新ポートフォリオで全部公開しています。セクター配分、PBR・PER、配当+優待の総合利回り、信用維持率とストレステストまで1枚にまとめてあります。
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※本稿は個人の運用記録であり、投資助言ではありません。数値は最新ポートフォリオの2026年9月4日終値時点のものです。税制の取り扱いは一般的な説明であり、実際の適用はご自身の口座区分・所得区分・状況によって異なります。特定口座(源泉徴収あり)内の損益通算と還付についての記述であり、NISA口座では損益通算できません。信用取引は損失が預託額を上回る可能性があります。個別銘柄は保有および売買の事実を記載したものであり、推奨ではありません。投資はご自身の判断と責任でお願いします。









